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今、UIデザイナーにコンセプチュアルスキルが必要な理由

こんにちは。UIデザイナーの山﨑です。
今日は、コンセプチュアルスキルがUIデザインに与える影響についてまとめていこうと思います。

目的

この記事は、UIデザイナーの方またはUIデザイナーを目指している方向けに、思考の視野を広げ、目的に適したUIを選定できるきっかけにしていただければと思います。


コンセプチュアルスキルについて

物事の本質を見極め、判断することであらゆる事象の目的を明確にしアイデアを高めることができる能力のことです。
コンセプチュアルスキルを身につけることで、物事を論理的に思考した上で固定概念にとらわれない説得力のある答えを導き出すことができます。
本記事では、コンセプチュアルスキルの思考法がUIデザインに与える作用を理解してもらいスキルを学ぶ第一歩の機会となるために細かいコンセプチュアルスキルの内容については省略します。
詳しい説明は下記の記事など、ネットで検索するとわかりやすい記事がありますので興味ある方は覗いてみてください。

https://aircourse.com/jinsapo/conceptual_skills.html#:~:text=%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%97%E3%83%81%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%AB%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%80%81%E3%81%82%E3%82%89%E3%82%86%E3%82%8B,%E3%81%AA%E8%83%BD%E5%8A%9B%E3%81%A8%E8%A8%80%E3%81%88%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82


UIデザインへの応用

UIデザイナーの役割は、サービスが届けたい体験・ユーザーインサイトを理解し、ユーザーが目的を達成するための操作を分かりやすくインターフェースに落とし込むことだと思います。
なので、サービスが「どのような価値を届けたいのか」ユーザーが「どのような課題を抱えているのか」思考し、目的を導き出すことがUIデザイナーとして役割を達成するための第一歩だと私は考えています。

この目的を細かく見極めるためにコンセプチュアルスキルが役立ちます。目的が違えば、結果はもちろんのこと、その過程も適切なものが変化していきます。

例えば、あなたが友人達と行く国内旅行の幹事で友人の要望は「海の見える土地でリフレッシュできる旅行にしたい」というもだとします。

これだけで思考すると、ゆったり休みながら日頃の疲れを癒したいのか、非日常を味わい友人と、とことん楽しみたいのか分かりません。前者であれば熱海で温泉にゆっくりと浸かり、美味しい海鮮を堪能する方が良いでしょうし、後者であれば沖縄の綺麗な海で、昼は思い切り泳ぎ、夜は宴で盛り上がる方が良いでしょう。

こんなときコンセプチュアルスキルを用いれば、「海の見える土地でリフレッシュできる旅行にしたい」という曖昧な事象からも適切な答えを導き出すことができます。


この例をUIデザインに置き換えると、あなたが宿泊予約アプリのデザイナーだとして検索のUIを考えているとします。
あなたのサービスが届けたい体験・あなたのサービスを利用するユーザーの傾向や思考をコンセプチュアルスキルを用いて検討すると適切なUIを選定することができます。
例えばA:「スピーディーに予約完了のできる宿泊体験」/ B:「非日常を味わえる優雅な宿泊体験」だと同じ宿泊を予約するという目的でもそこに至る過程で求めるものが異なってきます。

例)A:「スピーディーに予約完了のできる宿泊体験」/ B:「非日常を味わえる優雅な宿泊体験」


Aの場合、ユーザーは予約するために必要な情報を絞り、検索してもらうUIが目的を達成しやすいと言えます。逆にBの場合は、ユーザーが宿泊先で体験したいことを選びやすくし、旅を計画するように閲覧できるUIにできると適切かと思います。
この例は分かりやすく違う目的を立てましたが、もっと細かい目的の違いでもUIは変化していくと思います。

Bの場合の中でも、一覧性を持たせ、複数の件数を1ページ内でなるべく多く見せることで目的を探しやすいUIにするのか。各々の詳細を大きく見せ、より情緒的に探せるUIにするのか。ユーザーの求める目的によって異なってきます。今回の「非日常を味わえる優雅な宿泊体験」とすると後者が向いているかもしれません。

B案の別パターンUI比較


固定概念にとらわれず、仮説と分析をすることによってユーザーのために多くの引き出しを開けることができるのがコンセプチュアルスキルのメリットです。


まとめ

コンセプチュアルスキルを鍛えることにより、よりユーザーの目的に応じたUIデザインを選定して適切な体験を届けることができます。昨今、様々な業種で素晴らしいUI・体験を提供しているサービスが増えてきています。サービスをグロースさせていく過程で他サービスにはない価値を創出していくことが今後、UIデザイナーの役割として必要になっていくと思います。まずは個人でコンセプチュアルスキルを心がけることで、その周りの組織にも感染していくことが期待できます。

鍛え方は様々ありますが、事象の抽象化と具体化をしてみること。車の運転でいう所の「かもしれない運転」のように事象に対して疑いを持って思考すること。また、事象に対して仮説立てしたことは複数人の場で発言してみてください。言葉に出すことで自問自答で自分が気づくこともあればは周りのメンバーが気付きを得て成長できる場合もあります。

私自身も成長過程ではありますが、ユーザーにとってより良い体験を届けるために今後もコンセプチュアルスキルを高めていきたいと思います。

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