見出し画像

『踊れないガール』について

11月11日(土)の文学フリマ東京にて、新刊『踊れないガール』を販売しました。

現在下記の書店で買うことができるます。

つまずく本屋ホォル(埼玉)
くじらブックス(沖縄)
双子のライオン堂(東京)
マルジナリア書店(東京)
BOOKSHOP TRAVELLER(東京)

つまずく本屋ホォルさん、双子のライオン堂さんではネット通販も行っています。

著者: 山本ぽてと
装画:直江あき/デザイン:ながさわ
発行:山本ぽてと / 133P / 文庫サイズ/ 2023年 11月初版発行
値段:1000円

踊れない私は、ダサい。踊れない私は、人の輪に入れない。だって、世界のリズムに乗れないんだから――踊ってばかりの場所、沖縄で踊れないことを自覚する少女の哀しみと成長を描く表題作「踊れないガール」。料理が下手な祖母、自宅警備員の祖父、ニセモノのお金を作る工場で働く元神童の伯父、退職後にヤギを飼う父、頼んでいないのに金魚の作り方を教えてくる老人、泡盛を飲み泥酔するおじさん。沖縄を舞台に様々な人との交流を回想するエッセイ集。

<目次>


贋札ユンタ
語呂合わせ
サンティと金魚
犬を投げる

踊れないガール

祖母は料理が下手だった
新年会
そしてヤギは草を食べる
オバケ一〇〇匹

<あらすじ>

「贋札ユンタ」
元神童の伯父はニセモノのお金を作る工場で働いている。お盆になるとニセモノのお金を大量に燃やし、台所ではゴーヤーが大量に揚げられる。

「語呂合わせ」
朝起きて両親から「話がある」と告げられた私はついに離婚かと思うが、携帯電話の語呂合わせをつくる家族会議が開かれることになる。

「サンティーと金魚」
下校途中、「草で金魚を作る方法知ってる?」と知らない老人に話しかけられたのをきっかけに交流が生まれるが、老人にはある思惑があった。

「犬を投げる」
実家の周りにには野良犬が多く、気がつけば犬が勝手に家に居つくようになる。しばらくすると私と犬は海岸へ連れていかれ、海に投げられる。

「踊れないガール」
かぎやで風、エイサー、ぬちばな、とにかく踊ってばかりの場所沖縄で、踊りが苦手で居場所のなさを感じる私。頑張って勉強して東京に出てきたものの、「踊れない」ことは変わらない。

「祖母は料理が下手だった」
親戚からお金をだまし取られた祖父は、自宅の金庫を守る本物の自宅警備員になる。アメリカ軍から公衆衛生を学びながら祖母は働き子どもを育て上げた。だから祖母が料理が下手なのは必然でーー

「新年会」
父が退職するため、家で職場の人を呼び、新年会が行われることになった。準備理終われる母と私。当日、新年会には泡盛で泥酔おじさんが発生。スリッパで叩いて追い出そうとする。

「そしてヤギは草を食べる」
帰省すると祖父は芋しか食べなくなっており、退職した父はヤギを育てている。父は子ヤギに「ミケ」「ラン」「ジェロ」と得意げに名付けていた。

「オバケ一〇〇匹」
祖母の家の寝室には、オバケが一〇〇匹いるのだとユタが言うので、親戚たちにとってちょっとしたホラースポットとして怖れられている。実際に祖母は毎晩うなされている。心配になって寝室を覗くとーー

<読んだ方の感想>

「役に立つ内容が一切ない」
「読む人を選ぶ」
「妙に心地いい脱力感」
「さらっとした風とさみしさが吹いている感じがして本当にいい」
「山本でもぽてとでもないのに、自分はこの人だったんじゃないかと思うほど書かれている一つ一つに感情が動いた」
「うまさを感じさせないうまさというか、真似したくなるが真似できない文章というか、一気読みしてしまった」
「文庫で20冊くらい読みたい!!!」
「これ以上風呂で読むのにぴったりな本はない」
「沖縄の親族との心温まる親戚付き合いを深く切なく、時に不穏に描いている。犬好きとしては特に「犬を投げる」が名作すぎる」
「暴れ始めた泡盛泥酔おじさんを、母親が「フライパンで叩こうかな」と言うシーンが傑作」
(勝手に抜粋)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?