突然のさようなら

猫が死んだという。私の猫ではない。パートナーが飼っていた猫だ。
ここ2週間ほど、調子が悪いと言っていた。それが今日になって突然亡くなったと言う。
私は彼と一度しか会ったことがない。その時はまだ子猫で、知らない人間の私にもひかえめに近寄ってきて膝の上に乗ってきてくれた。そういうかわいい子だ。
いい子 と形容した。かわいいでも、わがままでも、やんちゃでもなく、いい子。
写真や動画でしか知らない彼の死がなぜこんなに私を動揺させてるのだろう。どれだけ大切にされていたかを知っているからだろうか。それとも、家族を失った悲しみが想像できるからだろうか。と、さんざん考えて、どれも違うと思った。
私は猫たちとパートナーはもうひとまとめで好きなのだ。ひとまとめで一人と思ってたのだ。だから、いつか、一緒に暮らせるようになったとき、彼らももちろん一緒に暮らすものと思っていた。
それが欠けてしまったのがとてつもなくさみしく苦しく信じられない。
こんな陳腐な言葉でしか語れない自分がもどかしい。せめて、彼のことは忘れない。決して忘れることはない。今後の人生、どれだけの猫と出会ったとしても。


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