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左足から優先的に進んでくる妻(2023.12.25)

部屋の隅に忘れられたように在るクリスマスツリー。まだ25日だというのに、我が家にはクリスマスの気配がそのツリー以外になくなってしまった。

長男(8歳)はすでに冬休みに入っており、朝から学童に行くため弁当が必要で、それを作成する分、私は夕飯後の時間により長く台所に立たねばならない。そこから眺める風景。

長い・・終わらない・・毎日毎日この後片付けでどんだけここに立ってんだよと思う。洗い物が多すぎて食洗器の1ターンでは到底終わらない。水筒だの弁当箱だの持って帰ってきたやつを乾燥させるために食洗器が塞がっているので、新たに夕飯で出た食器は普通に手洗いせねばならない。というか、妻がアンチ食洗器なので、大量の食器が出た時など食洗器を私が使っていると良い顔されないというのもある。というか、食洗器で洗浄からの乾燥をすると大抵食器があまり乾かず時間ばかりかかるという弱点があるので、やはりどうしても手洗いしなければならないという事になる。

「ああ、いやだいやだ。めんどくさいめんどくさい」と私が先日のプロフェッショナルでの宮崎駿みたいに愚痴っていると妻の白くて太い足が台所の脇の方からにょきっとやってきて、それからその左足に引きずられるように本体がやってきた。妻が風呂から上がってきたのだ。

妻は左足をスッと先にやってから移動するというのをやっていた。「何やってんの?」と聞くと「左足を優先的に進ませている」という。

私は「それはめちゃくちゃ面白い」と言い、笑った。妻にしてはえらい面白い事をすると思った。そして妻の機嫌がマックス良い事を喜んだ。

それからも妻は左足を優先的に進ませて移動し、ボーッと「日本むかし話」の「こぶとりじいさん」をDVDで見ている子供たちの所へ行って話しかけていた。子供たちは左足を優先的に進ませている妻をとてもフラットな目線で見て、なぜか次男(2歳)はその日二度目のウンコをし始めるのだった。

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