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【フリーランス考】自分らしく持続可能な選択肢が偶然フリーランスだった件

なんでフリーになったんですか?

これはよく聞かれる。回答も一応ある。
最後に所属した会社でもそれなりのポジションだったため、なぜ退職してフリーランスになるのかと併せて挨拶の文章を社内全体向けに広報させてもらった。
そこではおおよそ以下のような説明をさせてもらった。

・組織の成長に向けたコミットメントもやりがいのあるものであった
・一方でITコンサル個人としての成長は管理側に行けば行くほど鈍ってしまうこと
・現場でのクライアントワークは継続していきたいこと
・最新の技術トレンドも可能な限り手を動かしてキャッチアップしたいこと
・以上を踏まえ、自分にとって最善の選択としてフリーランスになることを決断したこと

これはこれで筋は通っているし、もちろん嘘ではない。
ただ、無難かつ表面的ではあるし、自分自身の深層心理までは語っていない。というかこの当時もそこまで自己分析できていなかったはずだ。
ということで、今回はもう少し自分の内面を掘り下げてみようと思う。

どういう状態が自分らしく幸せなのか?

流行りのウェルビーイング的な観点。
ウェルビーイングの定義は以下のようなものらしい。

Well-being(ウェルビーイング)とは、Well(よい)とBeing(状態)が組み合わさった言葉で、「よく在る」「よく居る」状態、心身ともに満たされた状態を表す概念です。元々は「健康的な・幸せな」を意味する、16世紀のイタリア語「benessere(ベネッセレ)」を始源としています。
Well-beingという言葉自体は、1946年のWHO(世界保健機関)設立に際して、設立者の1人であるスーミン・スー博士が定義づけした「健康」にはじめて登場しています。

https://www.persol-group.co.jp/sustainability/well-being/about/

まあ難しく考えすぎず、ここでは「気分のいい状態」を持続できる「仕事環境」はなんなのか?という感じで考えてみよう。

気分のいい状態、もちろん楽しいことをやっている状態はそれに当たると思うが、それよりも「やりたくないことをやらないでよい」状態のほうがそれ以上に重要な要素なんじゃないかと思う。

一匹狼がいいんですか問題

となると、「フリーになったってことは人と群れずに一匹狼でいたいってことですかね?人が嫌いなんですか?」という質問がくるかもしれない。

うーん、それはちょっと違う。
確かに自分でコントロールできない他人の感情やモチベーションに左右されるのはあまり気持ちのいいものではないが、一方で意のままにならない他人と一つのチームで同じ目標を共有して達成する体験はとても好きだ。
そのためのチームビルディングや、チームリーダーやPMOとしてスケジュールやゴールを共有可能な形で具現化することも嫌いじゃない。

「じゃあ最終的には経営者を目指したいってことですか?より多くの人を束ねて大きな目標を達成したいんですよね?そのためにまずは一人で独立し、ゆくゆくは法人化して人も雇う感じですか?」

なるほど、、、うーんそれもちょっと違うかもしれない。
チームでやることは嫌いじゃない。
でもそれは自分の見える範囲、力の及ぶ範囲での話。別の言い方だと現場/最前線での話。
大きな企業、そう、10人とかじゃなくて50人~100人規模の経営者になると、自分の目の届く範囲でコントロールすることは不可能。
そうなってくると、社内の制度だったり人事だったり社外広報だったり、色々なところに目を配らないといけない。
自分が配下20~30人で部門長をやっていた時ですら、現場で直接見ていない配下メンバをマネジメントするのに限界を感じていた。
これはプロジェクトを推進するためのマネジメントスキルとはまた別のものだ。そしてそれは自分にとって心地よいものではなかった。

課題解決からは逃げられないよね問題

「でもITコンサルタントって企業の課題に向き合うんですよね?ということは企業活動における面倒くさい課題に対し、結局は向き合うことになるんじゃないですか?」

もちろんそうだ。
ただあくまでITのプロとして、クライアントの組織課題を理解した上で、ITを活用した解決アプローチを提示するのが仕事だ。
なるべく他人事ではなく当事者意識を持つようにはしている。
だが、最終的に課題に向き合って解決するのはクライアントだ。
そのための事実整理をしたり、解決の道筋を提示し、最後に背中を押すのが自分の役目だと思っている。
そしてその役目を果たした時に感謝されるのはとても心地よい。

そういう人が集まる会社だったら心地よくない?

「ヤマパンさんが何が心地よいのかはだんだんよく分かってきました。でもそういう人って結構多いんじゃないかと思います。面倒くさい管理なしに、同じような志の人が集まった会社があったらどうですか?」

実はそういう会社を知っている。
こちらのソニックガーデン社だ。

創業者の倉貫氏のブログも愛読している。

細かい説明は割愛するが、特徴としては

  • 管理をゼロに近づけるために自立した人材のみを採用(採用プロセスに時間をかける)

  • 納品という概念をなくし、月額固定でクライアントに伴走

  • プログラマとして腕を磨き続けられるキャリアを用意

といった感じで、個人的に大変共感している会社だ。
私はたまたまフリーランスという道を選んだが、もし万一自分で会社を作るとしたらソニックガーデンみたいな会社を作りたいと思う。

また、今回の記事を書くにあたっては、元日本マイクロソフトの澤円氏のVoicyからインスパイアをいただいた。
澤さんはマイクロソフトという大組織で要職を務めた経験を持ちながら、現在は「ぼっち社長」として自由にコンサルタント・社外取締役・大学教員として大活躍されている。自分の心地よい状態とはどういう環境で実現できるのかを突き詰め、理解した上で幸せな人生を実現されており、とても憧れる。

まとめ

もうすぐフリーランスになってから1年になる。
いま、この状態は結構幸せで持続可能な実感を持ててきている。
「なんでフリーになったんですか?」
それは「自分らしく持続可能な選択肢が偶然フリーランスだった」ということなんだと、ようやく理解できた気がする。

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