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ひとつひとつの作業が実を結ぶ、そのワケを知る。 ー 春の野菜の苗体験 ー

3月も下旬になってくると暖かさが増し、過ごしやすくなってきますよね。寒さが苦手な私としては、「そろそろ活動をはじめますか。」とそんなノリで活動しはじめます。

この暖かくなってくる頃に、賑わいはじめてくるのが「春の野菜の苗たち」です。春の野菜の苗が出始めてくるのが、ちょうど3月の下旬から4月の上旬にかけて。そして全部で揃うのは、4月下旬と行ったところでしょうか。

昨年と同様に、今年もやってきました。春のイベント。昨年の模様を知りたい方は、下記に記事をご紹介させていただきます。

弊社でお付き合いさせていただいている農家さんは、千葉県市原市の安藤農園さん。もうこの時期になると安藤農園さんには、一般のお客様が多く足を運びはじめていました。お目当ては、もちろん野菜の苗。

直営店の房の駅では、もはや「良い苗」として評判高く、毎年のように多くの方が安藤さんの野菜の苗を目当てに来店され、店頭が活気で溢れかえります。

どうして、こんなに評判なのか。

安藤さんの野菜の苗を販売していてよく耳にする言葉が、「ほんとに良い野菜ができた。」という喜びの声。その評判が広まり、あれよあれよと言う間に気がつけば年間18万本くらいの生産本数まで拡大したそう。安藤さん本人に伺うと、「これ以上は、難しいかなぁ」というくらい上限が見えてしまうくらいの規模感にまでなっているんだそう。

評判になる理由を聞きながら体験しながら、より良い野菜を実らせるべく、一緒に体験作業をしてきました。よろしければ、最後までお付き合いください。


手作業というこだわり。

今年は昨年とちがい、なんだか不安定な天候がつづき、当日の天候はどうだろう。雨よ降るな。風よ吹くな。と祈る毎日でしたが、なんとか天候も落ち着きプラン通りに行えそうな天気まで回復し、ほんと安心しました。

農業体験のときは、ほんと天候ばかりが気になる毎日。今年も良い天気に恵まれ、おかげさまで晴れの日での開催となりました。

今回は、昨年とはちがいまずトウモロコシの苗の定植から行うことに。ただ苗を定植するのではなく、どのように種をまき育て植えていくのか。その流れでやってみようという事で、話がまとまっていきました。

まずは種まきから。

トウモロコシの種となると、他のキュウリやトマト、ナスの苗とはちがい、種が大粒のものになってしまいます。小さい種を一粒一粒植えていく機械はあるものの、大きい種の野菜ともなると機械は使えなくなります。そこでどう蒔いていくかというと、全て手作業で行うんだそう。

「まじか。」

それを聞いた時の感想は、その言葉しかなかった。というのも、種が大粒というのは機械に対してというだけであって、人の手からしてみれば指先でつまむくらいの大きさしかないのだ。

「それを、手作業か。」

と思った時には、さすがにどれだけ早くできるものなのだろうか。と少しのチャレンジ精神が出てきたものの、1日でできるのはどのくらいなのだろう。それを何日続けるのだろう。そんなことを考えながら、種まきの作業に取り組みはじめました。

まずはトレーに土を盛る。

種を蒔くには、まず土づくりから。当然の話なのかもしれないが、種から発芽しなければ意味がなくなってしまいます。なので、野菜の苗を育てるには気の抜けない作業にもなります。

すべてのポットを土で埋め尽くす。

縦16、横8ものポットのあるトレーに、きれいに土を盛っていきます。その時、当然ながら全てのポットに土を均等に盛って、ポットを埋めていきます。ポットは一つのトレーで128個。ポットがあるだけ、当然すべてのポットに種を入れていきます。

種を蒔く前にくぼみをつける。

先ほど土を盛りつけたトレーに、ここは便利な器具の登場で一押しでポットに窪みをつけてくれるゴロゴロが登場。この便利な器具の名前こそ知りませんが、トレーをゴロゴロと転がすだけでキレイに窪みができていきます。

その窪みに種を一粒ずつ入れていきます。

一粒ずつ種をまく。

トウモロコシの種を抜けがないように一粒一粒ぽとりと、窪みに入れていきます。この一粒一粒をコントロールするのが地味に難しく、気がつけば2粒入ってしまったり、隣の窪みにぽとりと落ちてしまったり。

一粒一粒をていねいに、ていねいにと窪みに入れていくため、参加した方々は自然と会話もなくなり、その作業に集中しはじめていました。

そして種をまき終えた後、また先ほどのゴロゴロを上から転がしてあげます。そうすることで、種がしっかりと土に埋まるというか絡むという状態にする事で、種から芽が出やすい状況にしていくんだそうです。このひと手間というのが、良い苗を作る意識には必要なんだろうな。というのを安藤さんの話を聞いていて、なんだか勝手に思いました。

種と一緒にゴロゴロ。

土と水をかけ、じっと待つ。

トウモロコシの種を一つ一つのポットに蒔いたあと、その上に土を被せる作業に移りました。この作業が唯一?の機械作業となるようで、ベルト付きの機械の上において、あとは流れに身を任せる感じでした。

トレーを機械に置くところ。

上の図で右上に見えるところに土を入れ、たしかここに入れる土は最初にタネを蒔いた土とは違い赤土のような色味でサラサラしている土でした。

土にも色々とあって改めて考えると、何か植物を育てるのには適した土があって、素人的にしか考えていないと「野菜育てるのって、土と水、あとは肥料くらいかなぁ」ってなっていました。

良い野菜を育てるにも、最初に土選びというのがあって、この後には適した肥料選びというのも出てくるはず。何も考えてなければ「これで良いや」となり、育っていく過程でも「これで、良いや」が続き、最終的に実った野菜をみて「これで、良いや」という野菜が実って終わる。

今までの野菜の育て方を振り返れば、そんな感じだったかも知れない。一つ一つの作業に対して、【良い野菜を実らせる】という意識が高ければ高いほど、こういった細かいところの選択についても手を抜かない配慮ができてくるのだろう。そう感じました。

土にさわる。

まずは種から苗が育っていく過程にふれ、ある程度野菜の育て方の順序というものを頭の中にインプットしたあとは、いよいよ実際の畑にトウモロコシの苗を植える作業に移動した。

先ほど植えたタネを適時適温の中で待つと、早めに育っていくので安藤農園さんでは、すでにトウモロコシの苗の用意もできていました。この日が初めての定植ということもありましたが、前日までの雨の影響で若干土が固まってしまっているとのことだった。

ポットからトウモロコシの苗を抜く。

ある程度、育ったトウモロコシの苗を一本一本手作業で抜いていくのだが、意外とこの作業が難しい。

トウモロコシの苗の説明。

難しい理由が上の写真でみてもわかるように、根っこがしっかり伸びている。この根っこにとても力強さを感じ、ポットから取るときにすぽっと苗だけ抜けてしまうことがある。このチカラ加減やポットから抜くコツを得るまでに時間がかかる。昨年は、コツを掴みかけたところで、終わった気がする。

一つ一つ植えていく。

少し悪条件となってしまったが、トウモロコシの苗の定植に関しても、安藤農園さんではすべて手作業で行っているとのことだった。自分で種から育て、育った苗を実をつけるまで育てていく。苗を販売するだけでなく、実ができるまで育てる野菜もあるから、いつの間にか野菜の出来上がりが如何程だったのか。を確認できるような流れができてしまっているように感じた。

収穫するという喜び。

トウモロコシの苗の定植がある程度すすんだところで、この日のサプライズ!なんとトウモロコシの苗を植えた向かいの畑に実る玉ねぎの収穫プレゼント。まだまだ早い時期なので玉ねぎの実は小さいものの、葉っぱまで楽しめる葉玉ねぎの収穫体験となった。

葉玉ねぎの説明。

安藤さんの玉ねぎは、通常ゴールデンウィーク明けから順次出荷を開始しているので、この時期に収穫することはほぼない。そのためか、小さい実の部分にどこか自信なさげではあったが、収穫するときの抜き方などをレクチャーしていただきました。

畑に多く育つ葉玉ねぎの中から、少しでも大きい玉ねぎを抜こうと、みんなで畑を探索気分でウロウロウロウロ。その中から、「これだ!」と決めて抜くのは、宝探し感覚でいつもよりなんだか楽しく思えた。

抜いてみると意外と大きいものも。

土にしっかり根を張っていることと、マルチというビニールの間から育っているため、玉ねぎを抜こうにもチカラが必要に感じた。しかも私が抜いた葉玉ねぎは、なんと半分地面に残ったままの状態になってしまったのだ。

そんな落胆する私をよそに、他の方々はとても楽しそう。大きいものを引き抜いたときの喜びの声などが、周りでは響わたり時には笑い声も。

収穫はやっぱり楽しそう。

なにかを収穫するというのは、不思議なもので多くの方が喜んでくれる気がしている。こういった喜びや笑顔、感動といった経験を野菜を作るというところから広めて行けたら良いなぁ。と、改めて思いました。

収穫後にみんなでパシャリ♪

自分で育てる。

はてさて。野菜を収穫するというところを経験していただいたあとは、今回のメインイベントでもある野菜の苗を自分で選び、持ち帰っていただき自分で育てる。

野菜づくりは、やはり土づくりから。

ということで、安藤農園さん自家製の肥料と土を混ぜ、さらには丈夫に育つように肥料を入れる。肥料にも即効性あるものと、遅効性のものをおり混ぜて、小さなポットの中でも長い目で見た土づくりが行っていきます。

この作業は通常、安藤さんのところではやっておらず、この農業体験に参加いただいた方のみのスペシャルブレンドでもある。

まずは土づくりから。

肥料と土を同じ分量で混ぜ合わせたら、あとはポットに土を入れて苗を移し替えていくだけ。土にこだわるのは、安藤農園さんだけではなく、多くの農家さんから耳にする言葉です。

やはり何をするにも、基盤や基礎は大事ってことなんでしょうね。当たり前なのかも知れませんが。

まだ育ちはじめの苗をチョイス。

今回、3月の気温が低い日や雨が続いたため、昨年より選べる苗の数は減ってしまいましたが、定番の茄子、キュウリ、トマト、ピーマンをはじめ、変わり種のプチぷよトマトや、大きい実がなる「とんがりパワー」というジャンボピーマン。さらには大きい茄子など、興味深い品種もありました。

ここからどう言う育て方をし、どんな野菜が実るのか。ほんと楽しみですね。いただいた苗の生育日記でもつけながら、この後の様子も伝えていきたいと思います。

引き続き、応援のほどよろしくお願いいたします。

ありがとうございました!