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桃栗三年柿八年花水木の馬鹿めは十八年

サクラの開花が早いと話題になったがハナミズキはさらに早い。確かGWが花盛りのはずがもう満開だ。このままだと入学式の定番が変わってしまう。桜が人気なのは全面が花に覆われるからだろうが、これは突然変異を接ぎ木で増やしたからだ。動物ではこうはいかないが花水木は葉っぱを隠す勢いで薄紅色か白色で咲き誇る。だから奈良に終の棲家を構えた時記念植樹した。

造園業の方にハナミズキを所望した時に「ハナミズキは」と嘆息されたが、その意味は直にわかった。苗木なので1mぐらいだったが三年どころか八年経っても花は咲かない。もうとっくに諦め忘れていた頃に一輪だけ咲いた。ここ数年は見られる程度に花をつけるようになったが、花で覆われるまでにはほど遠い。まだ2mぐらいの高さで枝があるとは言えないので仕方ない。

大好きな曲に「ハナミズキ」を上げる人は多いし名曲だが、記念植樹に選んだ理由にはならない。なぜなら引っ越したのは20世紀の終わりだからだ。確かアメリカとの友好としてサクラを送ったお返しにハナミズキが贈られた逸話に感動した。一青窈の歌詞も素晴らしいが、もっと天才だと思ったのは作曲したマシコタツロウだ。よくこんなメロディーが書けるのか感動する。

一青窈の作詞は出来た曲に詩をつける曲先で、何も思いつかない曲もあると嘆いていたので、てっきりこの曲も曲先だと思っていた。しかしこの曲だけは一青窈アメリカ同時多発テロに触発され、いつもと違う熱情で詩を持ち込んで来た詞先だとマシコタツロウは語っていた。何でこんな愛の詩ができるのか天才としか思えないが、熱情は伝染して名曲は生まれていくのだろう。

そもそも記念植樹の動機は木の成長に我が家の歴史を感じるのが目的だが、子供が独立して家を出て行くまで花が咲かないとは想像しなかった。しかし日当たり悪い北側に植えて、水や肥料の世話もしないのによく育っている。歴史は四半世紀を刻もうとしているが、ゆっくりでも育ってくれればいい。花が溢れるまで生きられたらとも願うが、本当に百年かかるかもしれない。

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