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黄泉比良坂に倭国大乱の暗号

やまとみずほの国に生まれて  第六話挿話

第二十二話「神武天皇社より後退する綏靖天皇宮趾」の北に鬼滅の刃の聖地ともなっている葛木坐火雷神社が鎮座する。主祭神は火雷大神天香山命。天香山命は物部氏が祀る石上神宮布都御魂として祀られる天村雲命の父、高倉下の別名である。雷神八咫烏とセットで上賀茂神社下鴨神社に持っていったから、火神が強くなって日露戦争戦利品の大砲が奉納されている。

葛木坐とは、葛木に居ますの意味。倭大国魂神社を奈良に持っていったら、大和坐大国魂神社と同様、別けたと同義になる。元宮の論社建布都神社建布都西宮神社があるが、西宮神社と言えばえべっさんの総本社。建布都神と並んで、えびす顔で国を譲ったことになっている事代主を祀る。古事記に登場しない経津主神もご丁寧に祀られるのは出雲国風土記に登場するから。

八咫烏の迦毛大御神を祀る高鴨神社に元宮はない。強いて言えば鴨のルーツが長国にある。若杉山遺跡で採掘した辰砂を精製していた加茂宮ノ前遺跡加茂谷川那賀川に流れ込む河川敷にある。しかし天津神は、そのルーツも否定するため、阿波の吉野宮である美野宮を、三野町加茂野宮に造営する。三野は美吉の読み換えどころか、大海人皇子が兵を集めた美濃も名を残す。

柿本人麻呂は舟を並べて渡るとか滝の都と詠うが、奈良で吉野宮と比定する宮滝遺跡で舟遊びは無理。四国三郎なら余裕の船旅で、持統天皇の31回の行幸も頷ける。そして落差20mの龍頭の滝と40mの金剛の滝を控える滝寺が滝の都の面影を残し、紅葉の名所なのが美野の由来。さらに京都の賀茂神社の元宮である鴨神社がすこし上流にあり、しかもその前の川が加茂谷川だ。

主祭神は別雷命だから、あくまでも京都の賀茂神社の元宮。その根拠は葵祭の頃に京都に自生しないが近くの山を埋め尽くすから。でも葵が自生する賀茂神社がある。意富加牟豆美命を祀る唯一の古社は「日本一神」をうたい「雷よけの石」は主祭神が伊弉諾が雷神を撃退するために投げた桃が由来。その雷神は裏切る前の建布都神。最強神に勝つのだから、桃太郎の原型だ。

先に追いかける黄泉醜女は古事記に豫母都志許賣と記され性別記載はない。大国主の根国での蔑称が葦原醜男だから、葡萄や筍を与えて時間稼ぎしたは先代か先々代の長国王に賠償金を払っての一時休戦の意味。これは女王共立前の倭国大乱の記述。恐るべし第六話「黄泉比良坂は墳墓ハウツー物語」。しかし雷落ちて火事が、火神を切って雷神が生まれるのも、裏切りの暗号?

滝もないのに宮滝は如何にだったが、滝の都にする苦肉の策に合点。合点。

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