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【倒産後記① 一番みじめな場所から始めよう!】

2017年末、負債総額17億円で経営破綻した山梨県限定で有名な「スーパーやまと」。その社長が恥ずかしげもなくその顛末を綴った本を出版する。
その名も「こうして店は潰れた」

「会社を潰したヤツが何を今さら!」と競合他社からは本の広告や書評さえも握り潰される始末。そこには業界の暴露話が盛り沢山に記されている。

「いいさ、それならまだ買い手がつかない潰れた店先で売ってやる」という想いで『最高に惨めな場所』に自分を晒し、店舗の店先に机を並べ、妻と2人で書籍を売り始めた。

「100年以上地元にお世話になったのだから、お別れする時もしっかりしなきゃ」嫌がる妻を説得して、信号待ちの車内から指を差され、さげすんだ視線に耐えながら販売開始!


いざという時に人の本性が出る。

倒産前はわんさか寄ってきた行政関係者や教育委員会、選挙が近いと顔を売りにきたが、私の顔を見て無視して通り過ぎる議員の先生達。もう破産した人間と付き合っても得はないということだろう。気持ちは分かる。

不憫に思ったスーパーやまとの応援団に指令が掛かる!
「おい、やまとの社長が奥さんと自分の本を売ってるらしい。困った時に助けられた俺たちが、今助けなくてどうする!」

本の特設販売所に長蛇の列ができ始めた!

人が人を呼び、用意した本400冊が完売した。
サインなど連帯保証人で慣れっこだ。
取引先や元従業員、競合他社からも私の顔を見て安心したと。

さっき無視して通り過ぎた人たちもわざわざ戻ってきて声を掛ける (笑)
世の中捨てたもんじゃない。本は最終的に増刷6刷のヒットとなり、一文無しの我が家の生活費に消えたm(__)m


一人の青年が本を買いにきた。

私 「君はスーパーやまとの関係者なの?」

青年 「いいえ、僕は社長さんに高校を出してもらいました!

私「えっ?」

青年 「社長さんが教育委員をしてた時、報酬を4年間全部寄付してましたよね?」

私 「そうだ、小銭は要らない!とか格好つけて、全額交通遺児の財団に寄付してたわ」

青年 「先生から沢山頂いたって聞きました。
僕そのお金で高校を出ることができたんです。お礼をいいたくて」

私 「そっか……(泣)💧 先生に行けと言われたんだろ?
それじゃお釣りは要らないか?

青年 「それとこれとは別です!

私 「当然だよね💦ハイ350円のお返し」

青年 「このお釣りで奥さんと冷たいものでも飲んでください!」

妻 「私、久しぶりにビールが飲みたい」← 「発泡酒にしとけよ(笑)」

私 「大きくなりやがって💧 誰だか知らんけど (笑)」

あれから5年…。
今日と同じ真っ青な空だった。

良かった、生きてて🙏🏻

既に閉鎖された店舗入口の大きな告知板

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