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Vtuber界隈とスマブラ界隈、今両方とも熱くね?双方の界隈の交流について調べてみた

 2020年11月17日の午後、いつものようにTwitterのタイムラインを眺めていました。もはやツイ廃になりかけている私ですが、そこに驚くべきニュースが流れてきました。


え!?


 スマブラトッププレイヤーの中でも一二を争うレベルでVtuberに興味がなさそうなSG8(SUSANOO GAMING 8)所属のプロプレイヤー、コメさんがVtuberとコラボだって!!!???

(超個人的な偏見です、コメさんがめちゃくちゃV見る人だったらすいません)



 どうやらこのコラボが実現したのは、なんとコメさんがサーチした結果見つけてしまったことがきっかけだったらしい。さすがシュルク全一、シュルク・サーチもお手の物、ウン、チカラヲカンジル!って感じですかね…(?)

 ちなみに僕はバフコさんのこと知らなかったんですが、配信を少し見たらかなり手慣れた様子でシュルクを使っていたようでした。当日は視聴しようと思います。

 ということで、今回はVtuber界隈とスマブラ界隈についてです。盛り上がり続ける双方の界隈と、その交わりについて調べたことをつらつらと書いていきます。


実は年季が同じであるスマブラSPとにじホロ時代

 そもそも、スマブラSPは世界で最も多く売れた格ゲー、スマブラシリーズも世界で最も売れた格ゲーシリーズなんですよね。多種多様な人気ゲームから寄せ集められたファイター、そして「相手を吹っ飛ばす」という爽快なアクション要素によって、絶大な人気を誇っています。SPに関してはNintendo Switchの莫大な売上も人気に貢献しています。

 ザクレイさん(GameWith所属プロスマブラー)がたまに配信にて「スマブラで遊んだことがない子どもはいない」などと言っていますが(スマ勢特有の誇張表現)、本当に今の若者ならスマブラを知らない人はいないと言えるでしょう。私も小学生の頃、自分はスマブラを持っていませんでしたが、友人の家に行く度にスマブラXでアイテムあり乱闘を楽しんでいました。当然よわよわだった私は友人らにボコされる一方でしたが、オネットの壁を使ってCPUを弱ハメしたのは今でもいい思い出です。

 そして、スマブラSPの発売が2018年12月7日、もうすぐ2周年なんですよね。え、嘘だろ………?ってみんな思うでしょうが、もう2年も経ってるんですよねえ…。時が経つの、早えなあ………

 さて、一方のVtuber界隈はというと(僕はその頃Vtuberに興味がなかったので間違ってたらすみません)、にじさんじ一期生が2018年2月8日からホロライブ一期生が6月1日から活動開始ということで、昨今のにじホロ時代とスマブラSPは年季が同じくらいなんですよね。そもそも、スマブラSPの発表が2018年3月9日のニンダイであり、そこから一気に新規を含めたスマブラ界隈の熱が盛り上がった印象があるので、それを考慮すると完全に一致しているとも言えるかもしれません。

 当然、Vtuber配信のターゲットは10代から20代の若年層ですから、誰でも見てて盛り上がるスマブラ配信はにじホロに関わらず大多数のVtuberが注目していたことでしょう。当時から間違いなくゲーム配信が主流のVtuberはスマブラに接近した関係にありました。


一足先にVtuberになっていた(?)Raitoとすいのこ

 さて、話を少し前の時代に戻します。実はスマブラforの時代からVtuberになっていた(?)スマブラ勢がいます。それがRaitoさん(元Thunder Gaming所属トップスマブラー)と、すいのこさん(WellPlayed所属プロスマブラー)の2名です。

 Raitoさんは自身のメインキャラであるダックハントをイメージし、ちょっとリアルな犬に扮して配信していました。一方ですいのこさんは「すいのこ配信をよくするためには」という伝説的な配信であばだんごさん(忍ismGaming所属プロスマブラー)やkeptさん(Rush Gaming所属プロスマブラー)らの上位勢のコメントに揉まれ、その結果なぜか「世界最強ハンバーガー」に扮して配信をしたことがあります。彼らはFaceRigというソフトを用いて、Vtuberに近い配信スタイルをしていました。

 forの時代はSPほどスマブラ界隈は盛り上がっていませんでした。それは、「スマブラ観戦」という文化が根付いていなかったためです。スマブラの規模の大きいオフ大会では(コロナ禍以前は)競技者として参加する枠の他に、観戦者として参加する枠があるのが慣例です。今でこそ観戦枠ですら参加するのに熾烈な争いが繰り広げられることが多発していますが、forの大会ではがら空きだったと聞いたことがあります。かくいう私もスマブラに興味すら示していなかった時代です。

 当然配信に視聴者が来るようなこともなく、いたとしてもあばさんを始めとした有名人の配信に流れるような時代でした。そこで彼らは独自の強みとして「バ美肉」(正確な定義では違うでしょうが…)し、キャラクターとして配信していくという路線に活路を見出したのです。結局は「スマブラーなら顔を売ってなんぼだろ」と一蹴され現在では両者ともば美肉配信をしていませんが、これが功を奏したのか、現在両者ともスマブラYouTuberとしての軌道に乗っています。

 ちなみにすいのこ不遇の時代は下記の動画でネタにされ……、いや、教訓として語られています。Smashlog、頼むから復活してくれ………!!

 そんな彼らのVtuberとしての功績は、意外な形で実を結びます。なんと第1回VTuberスマブラ最強王決定戦に、二人が実況・解説として呼ばれたのです。こちらは葬儀屋Vtuber Icotsuさんが主催となり、upd8が協賛したオンライン大会です。SPの発売を記念して、スマブラfor最強のVtuberを決めようというものでした。参加条件はスマブラのプレイ環境があることと、Vtuberであることのみ。

 初日はRaitoによるスマブラ初心者講習会が行われ、二日目はガチルールでのトーナメントが行われてました。メインの配信は主催locotsuさんのopenrecのチャンネルで行われていたようですが、残念ながらアーカイブは残っておらず、Raito・すいのこの勇姿を振り返ることはできません。しかしながら、二人の活躍もあって大会は大いに盛り上がり、つーたら宅の宅主として知られ、Vtuberに片足を突っ込んでいたネス使いのスマブラ上位勢・taranitoさんをバ美肉Vtuber・宮みやびさんが準決勝で破りそのまま優勝したという波乱もあり、非常に盛り上がったようです。

 こうした経緯があるためか、スマブラ観戦勢は割とVtuberという存在を受け入れ、興味を示す人が多いと思います。現在のVtuberとスマブラ上位勢の交流も、バ美肉(?)した二人の存在、そして視聴者の潜在的なVtuberニーズを分かっているからこそ実現したものではないでしょうか。


Vtuber界隈から突如現れた刺客、風見涼

 そんなこんなで、スマブラSPが発売されました。僕も発売当日からスマブラをしていましたね。当然Vtuberの間でも相当なブームになっていたはずです。

 そんな中で、スマブラのいわゆる「ガチ勢」の界隈にいち早く斬り込んできたのはゲーム部プロジェクトの風見涼であったと記憶しています。彼はなんと発売初日にあばだんごさんとBO5コラボをしています。この記事のために動画を見返したのですが、まだあばさんがインクリング使ってたりキンクル使ってたりした時代でしたね…。なつい…

 風見涼はその後、ルフレやゲッコウガなどをメインとしてタミスマ(スマブラの最大手オンライン大会)やスマメイト(スマブラのレーティング対戦サイト)などで活躍し、スマブラガチ勢からも一目置く存在になりました。まさしさん(元Smashlogメンバーのトップスマブラー)やナガレさん(スマブラ配信者)などとのコラボもあり、かなり積極的に活動をされていたようです。僕自身もそもそもVtuberというのが何かを知らなかった時代ですが、風見涼を含めたゲーム部の存在は認知していましたね。

 皆さんもご存知の通り、風見涼は色々あって2019年7月頃に界隈から姿を消します。彼は現在声優を変えて形式上は活動を再開していますが、以前のようなゲーム部の活動は鳴りを潜め、彼自身の活動は全くと言って良いほどなくなりました。しかしスマブラトップの界隈とVtuberの界隈を結びつけた風見涼の功績は讃えるべきものでしょう。現在あばさんがVtuber沼にハマっているのも彼との関わりが大きかったから……かもしれません。

2020/12/09追記
 にじさんじのくじじゅうじという、2018年10月から2019年3月まで放送されたAbemaTVとにじさんじのコラボ配信の1月3日新春3時間スペシャルにて、あばだんごがコラボしていたことが判明しました。その内容は、あばだんご1人vs月乃美兎や剣持刀也ら7人のライバーとのバトル。流石に7人の相手をするのは難しく、「やっていることはいじめ」だったようです…。というかこの場面でもキンクルを使うあばさん面白すぎでしょ。


自粛期間を経て再び繋がるVtuber界隈とスマブラ界隈

 風見涼が界隈から姿を消して以後、しばらくはVtuber界隈とスマブラ界隈の繋がりはなかったと思います。正確には配信の一環でスマブラをしたことがあるVtuberは多数いるでしょうが、恐らくスマブラのファンよりVtuberのファンへの供給という側面が大きかったと思います。

 また、スマブラ界隈側も、基本はオフライン大会がメインのシーンになっていました。スマブラのオンライン環境は他の格闘ゲームと比べても遅延が大きく、VIP部屋に関しても「優先ルール」のせいで自分好みの対戦ができません。そのため配信者が配信するにしても軽い気持ちでやるVIP配信かスマメイト配信でしかなかったと思います。そして視聴者の多くがこれらの配信か、闘龍門などの平日大会、ウメブラなどの国内大型大会、そしてEVOなどの海外大会の配信に向かって行きました。基本的にオンラインでしか関われないVtuberとのコラボは、この時期ほとんどなかったのではないでしょうか。ちなみに2019年5月に第2回スマブラ最強王決定戦も開かれましたが、こちらにスマブラ上位勢が顔を出すことはなかったようです。taranitoさんも応募しましたが落選したようです。

 しかし甚大なコロナ禍により自粛期間に入ると様子は一変します。外出自粛要請によりGWに予定されていた「ウメブラJapanMajor」を始めオフ大会は一斉に中止、スマブラYouTuberはオンライン環境で飯を食わなくてはならなくなります。そこで流行ったものの1つが「アイアンマンチャレンジ」です。これはDLCを除く全ファイターをマリオから順に使って一勝ずつするRTA配信です。特にコメさんやtaranitoさんなどの配信は長時間に渡り、「#コメ騒動」「#たらにと24」などがトレンドに乗るほどでした。

 また、Smashlogが「keptの定時退社」という番組でフィギュアスケーターの宇野昌磨くんを招いたことがきっかけとなり、昌磨くんは上位勢と度々コラボを行うようになりました。配信のネタがなかったスマブラYouTuberにとって、昌磨くんの存在はとても大きかったのではないでしょうか。

 さて、Vtuberという可能性にいち早く気づいたのが、風見涼の時と同じくあばだんごでした。彼はコロナ禍が始まる前後からVtuberに大きく興味を示していたような気がするのですが、4月1日、エイプリルフールに一枚絵のVtuberとなり「初配信」を行う。さらには6月5日に給付金10万円を充ててLive2Dモデルを獲得、「初配信」として自己紹介配信を行いました。

 あれほど「顔だしてなんぼ」と言っていたあばさんが自らバ美肉するという謎の状況に陥りましたが、彼の「スマブラYouTuber」の先駆けとしての嗅覚の鋭さにはいつも驚かされます。ちなみにLive2D配信は飽きたらしくここ最近はもうやっていない(えぇ…)。

 そして、4月4日の湊あくあの配信に突如赤スパチャを投げて現れ、そのまま三戦。あまりに唐突すぎたため軽い炎上騒ぎにはなったが、その後も二人の交流はコラボ配信などで続くようになりました。ちなみに当人は当時「推し」との対戦に緊張でめちゃめちゃ手が震えていたそう。

 あばだんごの打つ手は止まりません。今度はにじさんじのスマブラプレイヤー、不破湊とコラボし、「初心者はプロに勝てるのか」という分かりやすい企画物を行います。不破湊はあれやこれやと手を尽くすも、あばさんはプロゲーマーとしての自覚を見せ完全勝利。このコラボは成功に終わります。

 さらには不破湊・まふまふ・あばだんご・ザクレイの4名で同様の配信をチーム戦バージョンで敢行。にじさんじ男性ライバートップクラスの不破湊、歌い手ナンバーワンの売れっ子まふまふ、スマブラ元日本一のあばだんご、スマブラ現日本一のザクレイが1つの配信に集合するというカオスが発生しました。こちらのコラボも終始和気あいあいとした雰囲気で終わりを迎えました。また、後日この4人はオフ会を決行し、食事とオフスマブラを楽しんだそう。

 このようにVtuberと急速に関わりを持ち始めたあばさんですが、自分のチャンネルでコラボ動画は上げていないため、彼はただ単に自分の知名度を生かし「推し」と関わりたかっただけでしょう。しかしながら自粛期間で家から動けない視聴者を鷲掴みにし、Vtuber界隈とスマブラ界隈の橋架け役となった彼の行動力は素晴らしいです。特に三界隈を繋ぎ止めた不破まふあばザク配信のコメント欄は凄まじい勢いでスクロールしており、大成功であったと言えるでしょう。

 これは余談なんですが、ここでご紹介したまふまふくんの新曲めちゃめちゃかっこいいので是非聞いてください(突然の布教活動)

 また、あばさんと並んで大のVtuber好きで知られるすいのこさんとスマブラ大会実況者として有名なオムナオトさんも、5月10日に白鳥くるみさんなどのVtuberたちとのコラボ配信を敢行しました。こちらは4名の所属Vtuber運営がなぜかVtuberに代わってすいのこさんに挑むという配信になっています。こちらはだいぶ厳しい条件を叩きつけられたすいのこさんの苦戦した様子が見受けられます。また、オムナオトさんがVtuberの暴走に手を付けられない時もありつつ、初心者にも分かりやすいように平易な言葉で実況解説しているのも好感度が高いですね。

 このようなスマブラトッププレイヤーとVtuberのコラボは、双方のファンを増やす狙いがあると思われます。Vtuberファンの人から見ても、コラボ相手のスマブラトッププレイヤーのプレイングは目に見えて上手だなということが分かるでしょう。また、スマブラトッププレイヤーは素敵な人となりの人が多く、そんな彼らの性格に惹かれた人を自身の配信へ引きずり込む狙いもあると思います。当然Vtuber側から見ても、スマブラ観戦勢を配信に呼び、大げさなリアクションを見せることで自身のチャンネル登録者増加に繋げる狙いがあるはずです。また、他の格闘ゲームと違い、スマブラプロがストックを減らす・アイテムありルールにする・おまかせを選ばせる・スマブラプロ1人vsVtuber2人の対戦など、初心者が上級者に勝てるかもしれないハンデルールを設定しやすく、配信が盛り上がりやすいというのもスマブラの魅力だと思います。


湊あくあのVIP入り配信に見る、スマブラの強さ

 これは界隈と界隈の交わりの話ではないのですが、今後象徴的な意味を持ってくると思ったので語っておきます。

 2020年11月14日、つい先日の配信です。『【スマブラSP】ガチ耐久!『VIP』になるまでおわらないいいい!!【湊あくあ/ホロライブ】』の配信内で、湊あくあが6時間以上の奮闘の末に見事VIP入りを果たしました

 彼女も発売初日からスマブラをやりこみ、クラウドを信じて戦ってきましたが、何度も何度もVIPの壁にぶち当たってきました。しかしながら、最後まで諦めずに戦い続けて上位数%しか入れないVIP部屋に到達したことは本当に素晴らしいことだと思います。まさに2年越しの悲劇。

 2年も同じゲームを続けられるって本当にすごいことだと思います。他のゲームの場合、飽きたらすぐにやめるという場合が大半だと思います。特に配信者の場合は常にトレンドを追い続けることが大事となってくるので、次から次へと配信するゲームを変えていくことでしょう。あなたは2年も同じゲームを続けられますか?

 スマブラは常に箔が落ちずに輝き続けるゲームなのです。むしろ年季を追うごとに輝きが増し続ける、まであります。

 他の格闘ゲームはHP制で、コンボパターンは常に一定。ステージが変わることもありません。そのため「どこかで見た展開」が繰り返されることは比較的多いと思われます。対してスマブラはパーセンテージ制で、コンボパターンは自分と相手のパーセンテージによって大きく変わってきます。ステージも多種多様な個性が詰まったものが100以上用意されています。自分のパーセンテージが低いうちに復帰をミスって負けたり、逆に自分のパーセントが高い状態でも一発を通して逆転勝ちすることもあります。そしてSPでは撃墜演出が加わったことにより爽快感が増しただけでなく、勝ち負けが分かりやすくなり観戦者にとっても親しみやすいものになりました。DLCもまだ4個も残しており、これからも遊びの幅は広がる一方でしょう。

 スマブラは爽快感があるからやめられない。スマブラは派手だから見てて楽しい。スマブラに新しいキャラが出るから、新規も増え続ける。そんな麻薬的なまでの魅力が、スマブラにはあります。スマブラは人生の花だ。

 もしこの記事を見てスマブラをやりたい、スマブラを観戦したいと思ったVtuber界隈の方は、ぜひスマブラ界隈にも足を運んでみてください。私たちは全力で歓迎します。


最後に

 最終的に私がスマブラの魅力を書くだけの記事になってしまいましたが、Vtuber界隈、並びにスマブラ界隈の益々の発展を心より願っております。そして、双方の界隈の交流も盛んに行われるようになってほしいと思います。個人的には、第一回VTuber最強王決定戦のように、スマブラを知らない人にもスマブラという存在を知っていただけるような活動、スマブラ界隈の人をVtuberの沼に落とし込むような活動が増えればいいなと思います。最後まで読んで頂きありがとうございました。



p.s.

 スマブラDXのプレイヤーで、日本初のスマブラプロプレイヤーであるaMSaさん(Red Bull Gaming所属)はバーチャルシンガーYuNiちゃんを推しています。僕の一押しの子です。皆さんもYuNi沼に浸かりましょう!!!!


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