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1,500字で書いてみた 初めての #読書感想文〜「二都物語」

はじめに

 2022年の秋、noteを始めた私。
 noteのおかげで、そういえば
 しばらく本を読んでいないなぁと気づき、

 何度もの断捨離をのりこえ
 今なお本棚に残している 大好きなこの本

 改めて読んでみることにしました。


ディケンズの、二都物語。



物語の紹介

"マリー・アントワネット" や
"ギロチン台" で有名な フランス革命


そんな フランス革命 前後の、
イギリスとフランスの2つの都市

(ロンドン・パリ)が舞台となる

ある父・娘を中心とした
3部構成 の物語


ネタバレしないよう注意深く書く必要があるが、


全ては第3部のため

巧みに伏線が張り巡らされている。

逆に言うと、
第1部・第2部 は 冗長、難解で、読み進めるのに苦痛すら感じてしまう のだが、これは、

物語の中で描かれている、
王家や貴族に永年虐げられ 抑圧されてきた庶民が
とうとうフランス革命で爆発させたパワー

これに匹敵するほどの爆発力で、
第3部は、ラストに向かって、力強く・加速度的に話が展開していく ことの裏返し
でもあると、私は思っています。

もう、ページをめくる手を止める なんてことは
私には できません。


あらすじ

バスティーユ牢獄に不当投獄されてから
18年間 幽閉され、精神を病んだ、
父:「マネット医師」

父が生きていることすら知らなかったが、
釈放された父を献身的に支える 心美しい
娘:「ルーシー」

フランス貴族の"家" を捨て、ロンドンに暮らす
「ダーネイ」
人生に絶望した弁護士
「カートン」

見た目そっくりな「ダーネイ」と「カートン」
の二人は、「ルーシー」に想いを寄せる..

そんな彼らが、
フランス革命の激流に飲み込まれる中、
それぞれ が "守るべきもの" を守るため
自身をかえりみずに行動する。

愛する者のため
家族を守るため
元使用人を救うため / (元)雇用主を救うため
自分たち"庶民"を守るため・・・

そして、その結果は、
人によっては必ずしもハッピーではない
かもしれないが、「再生」が希望となる物語
だと、私は信じています。


感想 : この本が大好き〜3つの魅力

私は、何度読んでも、いや、読めば読むほど、
この本が大好き。

特に、第3部に待ち構えている
次の3点に魅了されているからです。


①数多の伏線回収(謎解き)

なぜマネット医師は不当投獄されたのか。
さらにそれが引き起こす悲しい運命のいたずら
驚くべき "首謀者(ラス・ボス)"。
そもそも主人公は誰だったのだろう?

②民衆の狂気(力強さ・恐ろしさ)

"自由・平等・友愛"の名のもと
"反革命的"と烙印を押されるだけで、
証拠がなくても 陪審員の気分次第で即刻死刑
となり、ギロチン台 へ。
しかも、本人のみならず、家族、親戚縁者、
その使用人までもが罪に問われ、

一方、"庶民"は嬉々として
ギロチン台に無実の人まで送り続ける。。

「革命」とは、こういうことなのか、と、
恐怖すら感じる 生々しさ

③物語に隠されている「対比」の美しさ

"運命に翻弄される者" と "運命に抗う者"。
"愚かさ" の中の "高貴さ"。
"生きる" とは。 "死ぬ" とは。

さらに、
王家や貴族社会を潰した"フランス" と
いまなお王家を誇る "イギリス" ..

そんな対比(メッセージ)が隠されているのだと
私は受け取っています。



おわりに

チャールズ・ディケンズが書いた「二都物語」。
1859年にイギリスで発行された本である。

そしていま2022年の日本。

160年という時を超え、国を超え、
いまなお世界で読み続けられている
この物語。

この事実だけで、名作の1つ であることは
私が言うまでもないだろう。

ただ、私の拙い感想を読んで、
1人でも 「この本を読んでみようかな」と
この本に興味を持ってくださる方が
いらっしゃれば、それは私の悦び
です。

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