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連載漫画の作り方1 技術のこと1

突然ですが、連載漫画をどう作っていけばいいのかって話をします。

どのくらいの連載を起こしてきたか振り返ります


別のペンネームで作ったモノも含めながらふりかえってみましょう。

週刊将棋(マイナビ)
週刊少年マガジン(講談社)
集(集出版)
ビジネスジャンプ(集英社)
ヤングチャンピオン(秋田書店)
小説幻冬(幻冬舎)
近代麻雀オリジナル(竹書房)
囲碁関西(関西棋院)

中には複数回連載したものもあります。これ以外にもいくつかあったはずですが、そもそも雑誌名を思い出せないものもあります。我ながらひどい。
単行本の描き下ろし、読み切りなどありますが、それについては今回取り上げません。

どう言う切り口で進めるかというと

1 必要な技術
2 人間関係
3 体力と志
4 発表作と漫画家人生

こんなふうにいこうと思います。

連載漫画に必要な技術

で、今回はこれ。まず第一に
1 納期を守る技術
なんといってもこれ。WEB系でも雑誌でも決まった日に漫画が並んでいないと読者は怒りますでしょう?読者を大切にするのなら納期は厳守です。
その上、漫画作りには多くの人が関わります。その人たち一人一人に業務があって、業務には締め日があります。どっかが遅れるとそれが次の遅れを生みます。なにより、出版業界ってのは実際は小さな下請けが寄り集まって支えています。その人たちは、納期の遅れが出たって残業代をもらえなかったりするのです。
自分の作品への納得・満足の具合を大事にするのは結構ですが、誰かの暮らしをドス黒いものにしてはいけません。
はい、ここでボクの信条。
・品質150%で納期に遅れるより80%で納期に間に合わせる
・趣味は妥協しない。仕事は妥協する

次に大事なのは
2 品質を向上させる
です。納期を守るったって、下描きで出してもいいってものではない。
「単行本で描き直すから……」なんて言うなら、最初から描き下ろしをやればいいのです。
納期を守りながら、作品の品質を向上させる。これが大切。

納期の目安って

少し細かく見ていきましょう。
WEBの連載はしたことがないのでよくわからないので雑誌で話をしていきます。定期刊行してる雑誌の納品日は
その前の号の発売日が目安
です。例えば水曜発売の週刊雑誌があったら、その前の週の水曜、ないし木曜が納品日…締切と思えば良いです。これが月刊でも月二回刊でも同じです。

先頃亡くなった宇宙海賊の先生にこういう話があります。
(例えば)4月28日金曜発売の週刊漫画Gで連載していて、原稿が全然上がらない。とにかく全然上がらない。描いてるけど上がらない。かといって止めるわけにもいかないし、代りの原稿もない。とにかく描くだけ描いてたら上がりが4月27日木曜の夜中になったそうです。この夜中っては26→27の夜中ではないですよ。27→28の夜中なんです。
で、原稿を渡してアシスタント共々寝て夕方起きてご飯食べに出かけたら、なんと掲載された週刊漫画Gが店頭に並んでいたそうです。
「神の締切ってあるんだなあ」
と、みんなでビックリした、と。

アホか!
原稿受け取ってから、製版所、印刷所、製本所、取次、配送トラック、書店店員が懸命になってそこまで持ち込んだのです。神がいるとしたら締切ではない、その人たちこそ神。しかも週刊漫画Gはその頃全国一斉発売じゃなく関東地区とそれ以外ではタイムラグがある。関東以外は土曜以降でした。だからまず東京で並べて追っかけるようにして他の地区の分を作るという作戦が可能だったのです。
この宇宙海賊の先生を内閣官房長官が「日本を代表する漫画家」と言ってましたが、もう一回言いたいです。
アホか!

次回はボクの経験した納期の話をしながら考えた方が良いことをお話しします。

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