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YANAGIHARAジムの22歳達

今週日曜日、国分蓮太、22歳がデビュー戦を行う。

よくよく考えると7年程前、YANAGIHARAボクシングジムが以前の鍛冶町から、現在の馬借に移転した頃。

この時期に入会したのが、丁度この子達の世代となる。

殆どの子が真面目で、人として脱落した者は未だいない。

國分はご覧の様に、バトミントン日本一とボクシング、学問の文武両道を経て就職し、こうしてデビュー戦を迎える。

梅ちゃん

写真にある可愛いトド、梅ちゃんは彼女が出来るとジムを辞め、振られるとボクシングをする、という可愛いやつだった。
合唱(笑)。

冗談はともかく、憎めない独特のキャラで、いつも何も言わないのに、ジムでニコニコしてるだけで人を仄々とさせる、徳のある子。

浅田

浅田という子は、気の優しい、とてもボクシングなんかする子じゃなかった。

いつも同じ年のプロを目指す子を立て、ミットやスパーを譲る優しい子で、何故か私にとても懐いて来る子だった。

ある日、一大決心をした目で話がある、と言う。

まさか人でも殺して匿ってくれと、とかいうんじゃないだろうな。
そう思ったらプロテストを受けたい、と言う。
見事、1発合格を果たした。


お次の22歳は、名も顔も写真には出せないが、大金持ちのお坊ちゃん。
いつもブランド品でジムに来る。

当然ジムの更衣室で着替えるが、着替えた服もブランドもの。
父はプライベートジェットを保有してると言う。
ある日、家で300万円もする時計を盗まれた、と言う。

聞くと一度盗まれたので、同じものを買い、お父さんが絶対バレない所に隠してたという。
「そりゃあお前、親父の会社の身内の犯行だ。従業員の誰かだ!」

そう言うと、暫く考え納得した顔になった。
恐らく心当たりがあったのだろう。
犯人が捕まってることを祈る。

この子は警察の試験に受かり、嬉しそうに大阪府警に決まった!
そう言うので、大阪府警の恐ろしさを、話2倍に膨らませ、吹き込んでやった。

ものすごくビビり、お前試験の点数が悪かったのか?
そう聞くと、自分から大阪を志願した。会長から聞いてたら、別の県警に配属願を出してたのに。そう言いながら、項垂れた。

配属の前日、ジムに挨拶をしに来た時、彼の顔はとても晴れやかなそれだった。

大阪府警のマル暴に希望を出した、と聞いた途端、お前は死にたいのか。家宅捜索の時は、ヤクザと素手で殴り合いをする所だぞ。

柔道もせず、ボクシングはスパーもした事がないお前が大丈夫か?
そう慰め、恩師として送り出した。
今頃どうしてるだろう?

そう言えばあの時。心なしか震えてたが、さすが我が弟子。
勇気から武者震いをするとは、見上げた奴だ。
多分大丈夫だろう。

中野

なんか、もう1人、22歳がいた様な気がする・・・。

あ!
プロボクサーを無敗で引退。
大手企業を捨て、明日にでも倒産しそうな危ない会社。

その名もYANAGIHARAホールディングス(株)に志願し、入社した中野。

先述した浅田と同じ日に入会したが、一年ほど経ち、プロになり、デビュー戦で、試合経験4戦目の選手を当ててやった。

今思えば、この頃からしっかりしてるのか、抜けてるのか分からない奴だった。

試合前に「会長、ジツハ、カクカクシカジカで」と言う。

聞くと、修学旅行を忘れてた、1か月の修学旅行に行けば、帰ってきた次の日が計量で、当然その次の日が試合だ、どうしよう。

そんな事を、試合が決まって半月ほど経って言ってきた。

如何なる時も咄嗟に言葉が出る私は、今振り返っても偉いと思う。

「皆が減量中で練習して、ものすごくキツいのに、お前は旅行でキツくないじゃないか。疲労のない状態で試合。勝ちは決まった。ラッキーな奴だな、ワッハッハ!」。

そう言って、東北に行く前は小遣いでも持たそうか。
そう思ってたら、修学旅行先は台湾だった・・・。

パスポートは要るのかな?台湾は中国と違うのかな?
香港の隣だったかな?上海と近いのだろうか?
中国の深圳には、心強い後輩がいるぞ。

心配でそう聞こうかと、暫し悩んだが、やめた。

そして試合のの計量前日、夜21時30分。
修学旅行から日本に戻った中野が、小倉駅からジムに歩いて来た。

ジムの計量器で体重を計ると、殆どリミット。
顔はげっそりしている。
よほど台湾を楽しんだんだろう。

試合は中堅相手を3ラウンドで沈め、無傷で終わり、試合当日、つまり私の誕生日はハッピーだった。
中野はハッピーだっただろうか?

可愛い子には旅をさせるに限る。
昔の人の言う諺は、事実だった。

とまあ、YANAGIHARAジム、華の22歳達を今回ご紹介。

みんな大きくなれよ!

あとは頼んだぜ!

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