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豚肩ロースのラケ マスタードソース

 2020年、調理師学校時代の友人が中国料理初のミシュランの三ツ星を獲得しました。南麻布の有栖川公園ちかくにある一軒家のレストラン、茶禅華。そこへ食事に伺った際にコースの中の一品で炭火で焼かれた叉焼がでてきまして、これがすこぶる美味しかったのです。漬け込みのタレの甘さと香ばしく焼かれた豚の脂身の旨さが、とても合うのです。しかも食べ終わったあとに口の中にベタつくような感覚が残ることもなく。
 そのエッセンスをなんとか自分の店で表現できないか、と思って作ったのが今回の料理です。
 ラケとは艶出しに使われるラッカーのフランス語。本来は鴨肉が使われることが多いのですが、叉焼からのインスパイアということで豚肉で。

作り方

·蜂蜜、赤ワインビネガー、ブランデー、おろし生姜を濃度がでるまで煮詰める。これをラケソースとする。
·豚肩ロースを塩とトレハロースでマリネする。
·肉にラケソースを刷毛で塗りながら、サラマンドルで焼き上げる。
·マスタードソースを作る。マデラワインを煮詰め、グラスドヴォライユを加える。コーンスターチで濃度をつけ、塩で味を整える。火を止めてからディジョンマスタードを加え、よく混ぜる。
·付け合わせは、じゃが芋のピューレや季節の野菜のロースト。

補足

サラマンドル···上火のみで加熱する調理器具
マデラワイン···ポルトガルのマデイラ島で生産される酒精強化ワイン。
グラスドヴォライユ···鶏ガラの出汁を煮詰めたもの。
ディジョンマスタード···フランス、ブルゴーニュのディジョンという町で生産されるマスタード。辛子の種の外皮を使用していない為、辛みが少なく、香りの印象が強い。

マスタードソースの香りと酸味が脂身の旨味やラケソースの甘さをキレよく仕上げてくれる。
先述の茶禅華に3回目に行ったときは豚とフグの叉焼の盛り合わせだった。



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