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Netflixでなぜか配信されている良作映画10選


はじめに

 Netflixを契約しているんですが、なんか配信されている映画がビミョーというかどれも似たような映画だなーと思うことがあります。
 特に最近のNetflix制作のアクション映画はどれも酷いですね。そもそもよく出ているイメージのあるライアン・ゴズリングとライアン・レイノルズは違いが判らないです。どっちがどっち? せめてハゲとかマッチョとかキャラをはっきりさせてほしいですね。ジェイソン・ステイサムはハゲでマッチョなので最強です。ニコラス・ケイジはハゲだったのにそうじゃなくなったので、たぶんすごいです。
 ということで、今回はそんなNetflixの中で「なぜか」配信されている良作映画を10作選んでみました。
 これらの映画が一番面白い、とは言いません。がNetflixらしくない作品ではあります。Netflixらしさとはなんなのかは、わたしは知りませんが。
 ちなみに、作品一覧は目次を見れば明らかなので、それだけ見て、Netflixで検索するのが一番コスパがいいかもしれません。でも参考にしたんだから、「スキ」くらいは押してください。

『エターナル・サンシャイン』

 ジム・キャリー主演の恋愛映画。
 監督は一時期は勢いバリバリだったミシェル・ゴンドリー。脚本も一時期の勢いがバリバリだったチャーリー・カウフマン。
 二人とも一体どこいったのかってくらいに見なくなったけど、この作品はとても良い。
 勢いありそうな人が作りそうな凝った構成の映画だが、恋愛ものなのでわかりやすいです。
 そんなキャリア的には消え去ったふたりの残した良作がなぜかNetflixで配信されているので、観るしかないと思う。
 個人的にミシェル・ゴンドリーは『ムード・インディゴ』の方が好きです。原作のボリス・ヴィアンの『泡沫の日々』もかつては文化系女子のマストアイテムだった気もする。『エターナル・サンシャイン』をよかったと思う人はそちらも見ればいいと思います。
 ちなみにキルステン・ダンストを初めて可愛いと思った映画でもある。それまでは表情の厳しい女優だな、と思ってました。

『パンチドランク・ラブ』

 監督は、日本での知名度はいまいちなハリウッドのビッグネーム、PTAことポール・トーマス・アンダーソン。
 彼が初めて手がけた恋愛映画でセンスが炸裂しています。面白くないと言う人もいるかもしれないけど、私は面白いと思います。
 『ブギーナイツ』『マグノリア』そしてこの『パンチドランク・ラブ』以降は、良作なんだけど、一般の人からしたら何やっているかわからない映画を撮り出しているので、この映画だけNetflixで配信されているのは、なんとなく納得してしまいますね。
 ちなみに直近の新作『リコリス・ピザ』は再び直球の恋愛映画です。
 恋愛映画は横移動だよな、とPTAが宣言する映画です。わたしも同意します。恋愛映画は横移動です。『リコリス・リコイル』じゃないですよ。
 あと、『インヒアレント・ヴァイス』はメガトン級作家トマス・ピンチョンの作品の初の映画化作品だし、『ファントム・スレッド』は歴史に残していいんじゃないか、と思っています。
 ていうかPTAはいい監督ですよ。

『ヒート』

 監督はマイケル・マン。主演はロバート・デニーロとアル・パチーノ。そして助演に我らのヴァル・キルマー。
 若い人にわかるようにいえば、『トップ・ガン』のアイスマンです。この頃のヴァル・キルマーはほんとにヴァル・キルマーでした。
 映画じたいは男と男のぶつかり合いの男臭い映画です。いまだとあんまり撮れない映画かもしれないです。それも意味わからんですが。
 マイケル・マンはそんな映画ばっかり撮っていますが、『パブリック・エネミーズ』はジョニー・デップ主演の良作です。おすすめ。
 ちなみに『ヒート』にはマチューテことダニー・トレホが出ています。言いたかっただけです。

『ウルフ・オブ・ウォールストリート』

 監督はマーティン・スコセッシ。主演はレオナルド・ディカプリオです。
ディカプリオが大好きなハイテンション&キレ芸を堪能できる長尺179分の作品です。ですが面白いので、さらっと見れます。
 まだペーペーだった頃のマーゴット・ロビーも出てます。この作品でブレイクしたんじゃないかな? あとあと、あの女優マーゴット・ロビーだったんだ、と知りました。しかも結構最近。
 マーティン・スコセッシについては、正直よくわからない監督だな、と思っています。しかし、『タクシー・ドライバー』と『ウルフ・オブ・ウォールストリート』はこれからも配信され続けるでしょう。

『運び屋』

 監督はクリント・イーストウッドです。主演もクリント・イーストウッドです。製作もクリント・イーストウッドです。調子のいい時は、音楽もやるんですが、今回はそこまでではありません。
 こんなことするのクリント・イーストウッドか北野武くらいですが、イーストウッドは半世紀は、こんなことをやっているので誰も彼に勝つことはできないでしょう。
 そんな彼もここ最近はノンフィクションものを手がけていましたが、わたしは今ひとつピンときていませんでした。ところが、この『運び屋』だけはすごいなと思ってしまいました。
 麻薬の運び屋になった爺が生き生きとした老後を過ごしているのを見て、こんな爺が本当にいたのか、と思い、うれしくなってしまいます。何よりイーストウッドが生き生きしてました。
 イーストウッドの映画はなんでも面白いんだ、と洗脳を受けているわたしですが、それでもエンタメとして最もおすすめ出来るのは『スペース・カウボーイ』です。エンタメの全てがあります。 

『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』

 監督は原恵一です。この方のアニメ映画は面白いんですが、なぜか細田守や新海誠のように夏のロードショーで、若い俳優と女優が声優を務め、10代に人気の歌手が主題歌を務める映画を監督することはないです。なぜなんでしょう。大人の事情でしょうね。
 などと思っていたら、2022年に『かがみの孤城』でそれっぽいことをしているようです。売り上げとかどうだったんでしょうか。作品も俄然気になってきました。
 『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』はいまどきの昭和レトロとか平成レトロとかエモいとかの感覚にも、パンチを喰らわしてくれるに違いない作品です。

『秋刀魚の味』

 監督は小津安二郎。世界に誇る名監督などと謳われることが多い小津ですが、そんなことを言っている人は小津を一度も見たことがない人たちに違いありません。
 小津はそうしたメインストリームで誰もが喜ぶような映画なんてほとんど撮っていません。彼は変な映画を撮っています。それは誰も撮らないような映画です。
 めちゃくちゃ誤解を恐れずに言えば、ウェス・アンダーソンみたいな自分の世界観をがちがちに固めて映画を撮っていたのが小津です。
 なので、小津の映画は色々な小物の細部や色使いなどをよく見てほしいです。なんでもネオン街の看板のフォントにまで小津の意見が反映されていたらしいので、そうしたところにも目を配ってほしいです。
 時代的にカラー映画とモノクロ映画を小津は撮っていますが、私は断然カラー期の小津が好きです。小津が色彩というこだわれる部分がひとつ増えたわけですから、これは単純に何割か増すのが正しいでしょう。
 そんなわけで小津の正しい鑑賞方法は、世界の名監督などと思うのではなく、オシャなハイセンス映画だと思って見るべきです。そうすると小津の偉大さが少し解像度が高くなると思います。
 ちなみに、『秋刀魚の味』は小津の遺作です。本人はちょっと心残りだったらしいですし、世間の評価的にも『東京物語』や『晩秋』などが代表作といわれていますが、私は断然『秋刀魚の味』が小津の代表作だと思っています。
 そしてNetflixでは、なぜかこの『秋刀魚の味』だけが配信されています。なぜでしょうか? わたしと心を同じくするものがNetflixにいるのでしょうか? あるいは視聴履歴のデータが『秋刀魚の味』を残すようにいったのでしょうか?
 まあ、単純に著作権などの問題なのかもしれませんが、ともかく配信されています。僥倖としか言えませんね。
 小津作品の中で、最もポップでオシャな映画は『お早よう』です。『秋刀魚の味』の細部に打ちのめされたら、こちらも見るといいかもしれません。

『エスケープ・フロム・L.A.』

 監督はジョン・カーペンター。主演はカート・ラッセルです。
 こちらの映画はあの『メタルギアソリッド』の元ネタとなった映画『ニューヨーク1997』の続編です。
 なので、スネークという名の眼帯おじさんが主人公でも、パクりだとかは言わないでください。『メタルギア』シリーズがパクってますから。
 内容は痛快なアクション映画です、細かいことはいいから楽しんでください。こっちのスネーク、主人公なのにそんなに活躍してなくない? などと真面目な感想は必要ありません。
 脇役にみんな大好きスティーブ・ブシェミもいます。彼が出演する映画『ゴーストワールド』が最近また上映されるらしいですが、正直、ごく普通の映画だと思っていたのに、いつの間にかカルトな映画扱いになっていることに驚きを隠せません。時代の流れでしょうか。
 20年も経てば、どんな映画も誰も知らないようになっているんでしょうね。よく見たら、今回の10選もほとんど10年以上前です。
 もしこの映画を気に入ったら、ここはぜひ『ニューヨーク1997』を見るべきでしょうね。先に『ニューヨーク1997』に見なきゃいけないというほどの話の繋がりはないっちゃないですが。

『ゴーン・ガール』

 監督はデヴィット・フィンチャーです。主演はベン・アフレックとロザムンド・パイクです。
 これは作劇の参考として見るといいかもしれません。劇中で物語の転換点がいくつも用意されているんですが、これからの時代、これくらいコロコロ話が変わらないといけないんじゃないか、というのを教えてくれた映画です。
 とはいえ、公開から10年近く経ちますが、これと同じようなことをやっている映画はそんなに見ないので、そうでもなかったみたいですね。あるいはこの映画が真似できないことをやってのけたのか。
 ともかく、面白いのは間違いないです。見てない人は見るとよいと思います。

『グリーンブック』

 監督はピーター・ファレリーです。ピーター・ファレリーって誰だよ、と思いますよね? 私も思いました。
 でもキャメロン・ディアスの魅力爆発コメディ『メリーに首ったけ』とジム・キャリーの『ジム・キャリーはMr.ダマー』を手がけた監督だということで、とても驚きました。
 いまさらこんな感動させるような映画撮って、急になんのつもりだ、と思いました。ただ、コメディを書いたり、作ったり出来る人は大体感動させる作品も作れるものです。笑わせるところで真面目なことをやればいいだけなので。
 この映画は割と最近のヒット作なので、なぜ配信されているのか、という部分はそこまでですが、ピーター・ファレリーが急にキャリアを復活させたという部分の「なぜ」で、ラインナップさせておきます。
 あと、主演のヴィゴ・モーテンセンはなんとなく外れ出演作の少ない俳優だと思います。
 彼が主演するデヴィッド・クローネンバーグの『ヒストリー・オブ・バイオレンス』と『イースタン・プロミス』はクローネンバーグ作品の中で、手放しで人に薦められる映画という意味で、とても貴重な作品となっています。
 ちなみに、クローネンバーグの新作『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』もモーテンセンが主演です。が、これはカンヌとかで上映した時に退席者続出だったそうなので、お薦めするのは難しそうです。

終わりに

 以上です。これらの映画以外にもいろいろありますが(なぜかジョニー・トーの映画がちょこちょこあったりする)、とりあえず今回は以上です。
 次はやるとすれば、ネットフリックスというよりもアマプラとかですかね?
バイ。


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