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14歳の栞をやっとみれた

 数年前に見たい!と思ってたけど近くに上映してるところがなく、期間も短くて泣く泣く諦めた映画を今日やっと見ることができた。

 とある中学の1クラスの生徒35名を一人ひとり追いかけたドキュメンタリー映画の14歳の栞という作品だ。(以下ネタバレあり)


 本当に実在してる、35名の中学生たち。どこにでもいそうで、何の変哲もない、大きなイベントや事件も起きない、彼らの日常がそこにあった。

 中学二年生ってすごく微妙な時期で、まだまだ子供みたいに無邪気さが溢れてる子もいれば、妙に落ち着いてる子もいたり。教室で友達といるとき、部活にいるとき、家にいるときでそれぞれの顔をもっていたり、明るそうに見えて自分を殺してるといったり、早く人間関係リセットしたいといいつつ友達と楽しそうにすごしていたり。

 ただただそこらへんにいる中学生を写しているだけなのに、なんだか胸がきゅーっと詰まる感覚。懐かしいような、恥ずかしいような、不思議な感覚になったのは、きっと自分の中学時代を思い出したからだろうか。

 中学の時、私は文化系の部活に所属し、いわゆるオタク女子たちと群れていた。いつも低い位置の二つ縛りで、ジャージで行動していたので、映画にでてくる生徒の中にいてもおかしくない感じ。成績はいい方で、将来の夢に公務員って書いちゃうような子供だった。野球部が強くて、クラスのの一軍と呼ばれるような男子はみんな野球部だった。中には後輩の女子と付き合っている男子もいて、私とは別世界の人だと思ってた。

 当時は関心がなかったから気にしてなかったけど、クラスの中には不登校の子もいて、みんなも私も映画の子たちのように、「あーなんかわかんないけど来てないよねー」と、遠巻きに見ているだけだったけど、当事者はどうではないし、それに関係した子にとってもそれは気が気じゃない出来事だったんだよね。映画見ててこんなところまで移していいの?ってちょっと冷や冷やしちゃったけど不登校の子もよく撮影をOKしてくれたな、とか思ったり。給食持っていったり、来年の目標書かせたり、不登校の子にプレッシャー与えてないかなぁ、とちょっと心配になっちゃった。

 大人になると、いろんなことを諦めたり、現実を見なくちゃいけないこともあるけど、それでも自分の生きる道を自分で選ぶこともできるし、所属するコミュニティだって選べるようになる。だから当時悩んだり、不安に思うことも、時間が解決するよって言いたくなるけど、そのどうしようもない気持ちは14歳の多感な時期だからこそ抱けるもので、それすらも愛おしいんだよね。

 今もこの子たちが現実に生きてるんだって思うと、少しわくわくする。
 14歳の頃の私が、今の私を見たら、どう思うのかな…。

 

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