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平日エッセイ014:スタバで見かけた素敵な二人。

どう見ても日本人で、どう聞いていても英語を始めたばかりのおじいさんだった。対して返しているレジの青年も、同じく英語は片言でお互いにつながらない部分もあって、聞き返しながら注文していた。

朝の9時
あまりお客のいないスタバレジ
ゆったりとした空気の店内で
たどたどしいけれど、練習とばかりに実践しているおじいさんと青年。

日本と海外ではスタバの注文の仕方が違うのは、今やyoutubeなどがあることで、知っている人も多い。
(私もそれで知った。海外でスタバ飲んだことないし。)

完璧ではない英語に、完璧ではない英語で、
それでも楽しそうにお互いの要望を話す。
時々混じる日本語と「あ!違う」の声はご愛嬌。

常連さんで、いつもその青年と話すのを楽しみに来ているのだと、後から違うレジの女の子が教えてくれた。

コーヒーを飲みに、仕事をしに、勉強をしに、いろんな人がいる朝9時のスタバで、英語の練習をレジでする2人。

思わずやる気を焚き付けられる光景だった。
私も頑張らないと。と。

おじいさんはニコニコとドリンクを受け取って、そのまま朝の冷たい空気のなかに飛び込んでいった。
きっとこれからお仕事なのだろうな。

青年は変わらずニコニコとちょっと大きめの声で爽やかに接客をしている。

「いいなあ」と思った。
何が、とか、どこが、とこではなくて、その一連の光景が、その行われている時間が。
「いいなあ」と思ってしまった。

もしかしたらあまりスタバなんて来なかったのかもしれない年代の人が、自分の振り幅を広げるために朝に来て、たどたどしいながらも英語と会話を楽しんでいるのは、素敵だなと。

今、世界共通言語として英語はあるけれど、ちょっと離れればいともたやすく忘れるし、ちょっと離れれば簡単にわからなくなってしまうくらい日本人からしたら非情な言語だけど、そのぶん楽しさがあることを彼は知っているんだろうなと、勝手に思ったある朝のことです。

今日はちょっとだけ、英語とかやってみる? 目的地まで洋楽にするのもいいかも。
”行ってらっしゃい”

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