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vol.33 Google Workspaceを用いたプロジェクトマネジメント (下)

はじめに

前回 vol.32 Google Workspaceを用いたプロジェクトマネジメント (中) において、以下の全体像の下、プロジェクトの実行までを中心に解説してきました。

上: vol.31 (前々回)
1. プロジェクト開始前にやること
2. プロジェクトマネジメントの大原則
3. プロジェクトの計画

中: vol.32 (前回)
4. プロジェクトの実行

下 vol.33 (今回)
5. プロジェクトの報告
6. プロジェクトの終了
7. まとめ

今回は最終回 vol33. Google Workspaceを用いたプロジェクトマネジメント (下) ということで、プロジェクトの報告プロジェクトの終了を中心に内容を整理し、最後プロジェクトマネジメント全体のまとめをしていきたいと思います。


5. プロジェクトの報告

(1) 成果物イメージの想定

プロジェクトを進めていくと、中間報告や最終報告を行うことが多いかと思います。私は多くの場合、Google スライドを用い報告資料を作成しています。この際、ストーリーと共に、報告資料用のGoogle スライドの構成をあらかじめ想定しておくことがポイントです。こうすることにより、プロジェクトの初期段階から資料の準備を開始することが可能となり、報告直前になってあわてて報告用の為だけの資料作成といった事態を回避することができます。

(2) リンク貼り付けと自動更新

報告書の各パーツを構成するタスクの担当者とコミュニケーションをとり、事前に報告書に載ることをイメージしてプロジェクトを実行してもらいたい旨伝えておきます。プロジェクトはGoogleドキュメントや Googleスプレッドシート等を通じ実行されることが多いため、できる限り他のGoogleドキュメントや Googleスプレッドシート からのリンク貼り付けを用い報告書を準備しておきます。

こうしておくことにより、ベースとなる他のファイルに更新があっても、報告資料側も自動で更新がかけられることになります。

(3) バージョン管理

ファイルの成果物作成に向けて、別ファイルがいくつもできあがるケースをよく見ますが、Google ドライブ上で作業すれば、履歴が自動で生成され、いつでも過去のバージョンにさかのぼることができます。

どれが最新版か、担当者でないと分からないという状況にならないよう、マスタファイルは一つにし、バージョン管理はGoogle ドライブに任せてしまうと良いかと思います。

(4) 成果物の最終化

成果物はGoogleスライドの承認機能を活用し、プロジェクトリーダーの承認を電子化することができます。

ファイルの最終化ができたら、いよいよ中間報告や最終報告を行います。

(5) プレゼンテーション

巻き込むべきキーパーソンの日程調整を前広に行い、報告会にて最終化したGoogle スライドと共にプレゼンテーションを行います。

報告会はこちら側からの一方通行にならないよう、事前準備をしておくと良いかと思います。例えば私は以下のようなことを心がけています。

  • Google スライドはPowerPointやPDF形式でダウンロードすることが可能なので、事前に配布し、受け手が質問を準備できるようにする

  • 事前にディスカッションテーマを定めておく

  • プレゼンテーションの時間を長く取りすぎない (e.g. 最大20分程度)

6. プロジェクトの終了

(1) プロジェクトの振返り

どのようなプロジェクトであっても貴重な経験であり学びの場となります。一方で完璧なプロジェクトで改善の余地なし、という状況はなかなか存在しないでしょう。このような状況で、プロジェクトの最終報告後、忘れないうちにプロジェクトの振り返りを行うことが重要となります。プロジェクトメンバーとクロージングミーティングを持ち、例えば以下の内容を議論の上、各メンバーの成長や今後別のプロジェクトを立ち上げる際に役立てて行くとよいかと思います。

  • プロジェクトで良かったこと

  • プロジェクトでまずかったこと

  • 別のプロジェクトに横展開したいこと

  • 再度やり直せるのであれば改善してみたいこと

  • プロジェクトで学んだこと など

また、私のようなフリーランスの方は、組織に属していないと従来のような人事評価のフィードバックが得られなくなります。一つ一つのプロジェクトを通じ、自分を成長させていくべく、私はGoogle フォームを使用し、プロジェクトメンバーからフィードバック情報を収集の上、次回以降の改善に役立てています。

(2) プロジェクトのアーカイブ

プロジェクトでは多くの機密情報を取り扱うことも多いかと思います。プロジェクトが終わったら、速やかに各メンバーにGoogle Chat のスペースやGoogle ドライブの共有フォルダに関する閉鎖スケジュールを伝え、必要に応じ、ファイル等をダウンロードしておくようお願いします。この際、パソコン版ドライブを使うと作業がスムーズです。

プロジェクトメンバーに問題のないことが確認できたら、Google Chat のスペースやGoogle ドライブの共有フォルダ等を削除し、プロジェクトは終了となります。

7. まとめ

独立後の様々な経験をふまえ、Googleをベースに「Google Workspaceとプロジェクトマネジメント」として上・中・下にまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか? 

最後に重要なポイントを加えておきたいのですが、Google Workspaceを活用したプロジェクトマネジメントは、あくまで方法論にしかすぎないという点です。一つのプロジェクトはプロジェクトメンバーである人の集合体であり、人間同士の信頼関係を構築の上、フォーマル、インフォーマル共に丁寧なコミュニケーションをとることが必須という点を強調し、このシリーズを閉じたいと思います。

おわりに

この記事が少しでもみなさまのお役に立てれば幸いです。ご意見や感想は、noteのコメント欄やX (@tadashiyano3) までお寄せください。

この記事に記載されている内容は、私の個人的な経験と見解に基づくものであり、過去に所属していた組織とは関係ございません。

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