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6.消失的她 邦題:妻消えて Lost in the stars

今回鑑賞した映画は、「消失的她」でした。中国国内でもヒットしているという情報を得たので、まぁ見てみるか〜といった軽い気持ちで見始めました。ですが、内容に関しては、結構最近まで流行ってた日本ドラマの「VIVANT」を感じさせました。下記内容はネタバレも含まれておりますので、あしからず。

感想としては、2時間の尺であるにも関わらず、見終わった後の爽快感と誰かに気持ちを共有したいの感情が入り混じりました。特に、最後のどんでん返しが結構痺れました。しかしながら、誰もハッピーにならない結末は、仕方なかったのですが、しっかり悪人が裁かれる勧善懲悪であるので、胸糞悪くない分マシですね。

何非、腹黒すぎてこわい

過去の背景わかった上でも、やっぱり蛙の子は蛙とか思ってしまった

主人公でしたが、最初は彼に同情してしまいましたね。ただ、メンタル疾患関係の薬を飲んでいたので、あれ、世にも奇妙な物語的な主人公だけ勘違いしている系かなと思ってました。奥さんがいなくなって、どうしようって警察にお願いしているのもよくわからないなぁ、本当に探しているなら在外公館に連絡しなよって思っていました。結局のところ、私の中国力が低いせいなのかもしれませんが、100%内容理解しているわけではないため、腑に落ちないことがあります。それは、完全犯罪するためなら警察に連絡する必要なくねと思っていました。(警察に連絡したのは、アリバイ作りなのか?自分は奥さんを探していたので、失踪後遺体が見つかっても犯人ではないですみたいな表明のための布石?)奥さん失踪で、現地警察が取り扱ってくれない状況に困って警察署前に暴れている様子と、最後の計画的犯罪を実行する殺人鬼としての一面を見せる様子のせいで、私は今も困惑しています。ギャンブルをしたことがないのでわからないのですが、親がそれで狂ったんだから、反面教師にして絶対近づいちゃダメだろって。彼の境遇に関して、深く描写されていないので考察しようがないのですが、実際のところ高卒で大都市上海に仕事しに来ているあまり中流階層から遠い存在であるような描かれ方もしていたので、正規の仕事でさほど稼げない状況下の中、たったワンクリックでお金がドッと増える賭博に夢を見ちゃうのもわからなくもないと感じました。奥さんの親友が、やめとけって言う意味がすごい共感できる。

李木子、あなたは人を信じすぎた

学生時代は外国で留学、芸術に興味のあるご令嬢

あなたの妻ですと言い張る偽の李木子が出てきたため、なかなかどんなお顔なのかわからなかったのですが、途中からお顔がわかるようになった時、韓国のアイドルグループfxのクリスタルに似てるな〜と思いました。お顔のことはよくて、彼女、THE育ちのいいお嬢様でしたね。留学時代、同級生の瀋曼を助けて、その後は大切な親友となったり。正直驚いたのが、ギャンブラーである何氏について知った時も、借金の肩代わりしていたところ。彼氏であっても、絶対渡しちゃいけないよ〜なんで?と思いながら見てました。過去に見た韓国映画のパラサイトの奥様じゃないかと感じてました。結局この人の、人としての良さ・優しさが残念な結末になってしまったと思ってます。夫も最低すぎましたね。最低どころの話ではないです。卑劣ですよ。海という逃げられない場所に連れて行き、檻の中で一緒に景色見せておいて、そこに鍵を閉めて逃げていく。鍵閉められた時、私も絶望でした。無理だ、絶対脱出できない。海のプラネタリウムを見せるといって、準備していた妊娠がわかるエコー写真を最後檻に括られているのを見てさらに悲しくなりました。もう少し、人間味のあるドロドロした性格があれば、こんな羽目にならなかったのではと思いましたね。余談ではありますが、中国の富裕層ってクラブ通いでどんちゃん騒ぎとか、ブランド物ばちばち身につけたり、高級外車で学校通った様子をREDやインスタにアップする印象だったので、李木子さんが慎ましく生活している(芸術関連の作業もお金かかりますが)様子が、本当に実在するのかと懐疑的でした。(富裕層でありながらも真面目な方もいらっしゃるのかもしれないです。あれれ見てきた私の世界って・・・)

瀋曼、本当にありがとう

監督、闇を暴いてくれましたね

かっこよすぎますね。すこぶる優秀でしたね。有能弁護士陳麦役として、親友の敵討ちとして何非をやっつけてくれました。最後のどんでん返しがないままで見続けていた時は、何非が捕まって手術台に乗せられた時、早く逃げて!!なんて思っていましたが、全ては李木子のため。親友にかける情熱とパワーが素晴らしかったですね。そして、李木子からの連絡でも首尾一貫として何非に対してあんまりいい気持ちを持っていなかった、女友達の感ですね。その感が見事に当たるという。囮作戦のような劇に、キャストを準備して何非から自白の機会を作る。見事でした。自白した何非が指す、親友の居場所聞いて、どこだ?と思っていたら、海の中で、そこで檻の中で浮かんでいる親友の姿みた時は、結構萎えました。最後に、何非へ見せるエコー画像。瀋もきついし、しっかり何非が叫んでくれたので、胸糞悪い映画にならなかったなと感じました。しかし、この映画絶対カップルで見ちゃダメですね。女同士で見たら、友情深まりそうなんて思いましたが。笑

最後のシーン、アメリカのゾンビ映画思い出した

殺されるのかと思ってましたが、最後のシーンで一瞬思考停止しました

手術部屋に乗り込んできた陳麦。病院でロボトミー手術されると言われ、慌てる何非。髪も坊主にされ、陳麦も李木子を見つけ出さないと捕まってしまうと伝える。海の底にいると自白した後、陳麦はそのまま病院を後に。手術室のセットにあった、タイマーが切れるギリギリに自白させるよう仕向けたのはすごいなぁと感心しました(最後のシーンを見て)。陳麦が出て行ったあと、自分を固定する拘束器具を外し、病院の外らしき場所に出たとき、例の自分の写真と作戦会議場のような場所に出てきて、そこに華僑の警察から自分に関わった全ての人がいて・・・その中に陳麦が・・・なんで?という状況にしびれました。彼が自白するまで、劇に参加させられていたんだと。そして、連絡が取れなかった妻の友人:曼曼のプロフ画像が胸のタトゥーが入った女性がまさかの陳麦?!陳麦は特殊メイクで、タトゥーを隠していただけでしたね。その後から、李木子と瀋曼の過去がエピローグとして語られ、妊娠にも触れられていましたね。

最後に
忙しい日々を送る中で、あまり映画とか見る機会がなかったのですが、途中早送りでみようか・それとも話をすっ飛ばして、最後の部分だけ見て終わらせようかと心の中でそういう「時短でコンテンツを消化」という気持ちが湧き出ました。結局のところ、それを辞めて早送りせず見た理由には、急かされているわけではないので、一緒に謎解きしていく方が楽しいなと感じたからです。様々なコンテンツが溢れるこの2020年代ですが、早送りせず、土日祝日に自宅でまったり見る時間を作るのも悪くないなと感じました。昨年見た台湾ドラマ「華燈初上」についても、どっかのタイミングで感想を書きたいなと思っています。


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