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今月の短歌 23年10月1日~10月15日

10/1 #非凡と平凡
幾重にも積み上げていた夏の砂 時の言葉を丁寧に読む

10/1 #直通特急
近鉄か阪神なのか山陽か曖昧な名で西へと向かう

10/1 #豪脚
踏み込みの重低音は君のもの差されるものか あと1ハロン

10/2 #港のある街
ヘイゼルと煉瓦と煉瓦の間でガラムに恋し僕は生きてた

10/2 #あなたからのオードトワレ
選ばれた香りとボトルは愛の比喩 主張無い香に君が見える

10/3 #青空との間
削れたり千切れたりする巻雲は繊細な気に優しく触れる

10/3 #潮風とともに
酸味ある風に吹かれて瀬戸の橋旅路の果ての一枚の蕎麦

10/3 #エアコンの不調
初秋から具合の悪いエアコンに応急処置を、紅柿の空

10/4 #闇堕ち
おしゃべりの止まらなかった少年は怖い恐いと閉じた世界へ

10/4 #やや温かいハグ
いつもより叙情、今宵は特別でペールカラーのハグ終えてから

10/4 #塵芥
空を眺めてただけで今日が終わる なんて贅沢な日なのだろう

10/5 #酔い潰れて
24:30(れいじはん) 乗り過ごしては梅田駅 雑踏の中時計がゆらり

10/5 #素揚げ
下味を付けていないモモ肉を揚げているよう秋の呼吸は

10/6 #ぬくもりはここ
ほんのりとただ、熱源のあるものと認知されてるだけでいいです

10/6 #おしゃべりみーちゃん
認知症の祖母に寄り添っていた介護人形がやたら元気

10/7 #カゲロウとイチョウ
蜉蝣が橋に寝そべるようにして銀杏のような足音と色

10/7 #ひつじ雲
現れて流れて消えた羊の大団円に見ゆ ああ雨ですね

10/8 #体重減
体重が8kg減っていてスーパーモデル、明日もきっと

10/8 #赤い靴
赤い靴なら秋雨を拒絶してトンと弾けるバレエダンサー

10/9 #夢の痛み
彩る夢 どこかで君がまだ傍で ある筈のない会話をしてる

10/9 #Boarding
ミュンヘンに旅立つ前の台北は職場であった思い出の場所

10/10 #エアジョーダン11
ジャンプマン 初めて履いた「11」は見た目重視コートのローファー

10/10 #歌作
勘違い。詠う理由はそれでいい 戻れない過去恍けてみせる

10/10 #歌作_part2
悲しみがそれほど多くない部屋で極めてアナログなアンチテーゼ

10/11 #柊
柊に水をあげる度強いねと誤解の輪廻 あなたが好きだ

10/11 #断捨離
靴箱を片っ端から潰してる特に誰かに譲るでもないし

10/11 #断捨離_part2
パーマ液を片っ端から流してる特に誰かを巻くでもないし

10/12 #おひとりさま
一人焼肉に憧れ今日こそと意気込むが身構える顛末

10/12 #大きなピオーネ
まるまるとしたピオーネを頂くは当たり前ではない味を知る

10/12 #ムラサキシキブ
渓谷の音色に乗るは黄緑の葉と葉を愛すムラサキシキブ

10/13 #カットモデル
夜職とは違う ナンパと同じ所作 必死だったさ 美容の世界

10/13 #愛してる
「愛してる」とダイレクトに伝えれたことのある人、尊敬するよ

10/13 #魔法の下駄
フューリーを履くなら今が丁度良い 季節を選ぶ魔法の下駄よ

10/14 #コークハイ
コークハイでいいよ僕は 難解な言葉の羅列読んで酔うなど

10/14 #ユーティリティシェル
世界一ブルーグリーンのジャケットが似合う吾が赤いニット着る

10/14 #ガーベラ
大丈夫 ガーベラが咲くあたりはね 澄んだ空気に満ちているから

10/15 #Never_too_late
人生の中間点を「アラフォー」とぼかしてみては黄昏る夜に

10/15 #Indian_Summer
やわらかい小春日和と川風よ この物語、唄いませんか?

10/15 #瞼を駆ける
寝れなくて瞼の裏の藍色に巡る血の管朝見る、そして

10/15 #アンドロメダ
儚くはこんな淋しい君の前 囚われの声、潮騒に逝く

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