母のQOL、爆上がり
QOL(Quality of life)「生活の質」「生命の質」
父は外に出て行くのが好きなので、母はテレビで洋画を見たり、本を読んだりして過ごしています。
実家は山間部にあり車がないといきたい場所には行けません。図書館なども近くにはありません。だから私は手土産の本を持っていきます。母は外出の機会もあまりないので、ときどき私の仕事関係の介護者カフェに誘います。何よりいろいろな話題を投げかけます。
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親が年老いた将来を見越してスマホを教えてきました。母は父の手前スマホが欲しいのを我慢してきました。やっと父が納得し2人でスマホを購入しましたが、母は父よりも1世代古い機種を選びました。
以来母は熱心にスマホの使い方を私から教わりました。そして次に自分でiPadを購入しました。熱心に質問をし、私の説明を全てメモをします。書き込みすぎて何処に何を書いたか分からなくなります。だから同じ質問を何度も聞いてくるのです。「メモの意味がない!!」と私は時々キレます。
毎日分からない言葉はGoogleで検索しYouTubeを楽しんでいます。私も興味のありそうなネットの記事や動画を教えてきました。
すると父との会話がますます噛み合わなくなっていきました。
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それでも高齢者の生活は毎日が同じになりがちです。
新しい本を買おうと声をかけますが、もったいないと言います。アマゾンプライムを紹介しましたが、そこまでして映画も見たくないと言います。好きな映画がテレビで放送されたら、放送されるたびに繰り返し見ているのです。
こまったものだと思いながら、いろいろと働きかけてきました。
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ある日、母が私の家に来た時に、アマプラのラインナップを見せると、急に乗り気になりました。そのままアマプラの申し込みをしました。アマゾンファイヤーステックがあれば家のテレビで観れると説明しましたが、もったいないからいらないといいました。
後日、実家にケーブルを持参し、テレビでアマゾンプライムを見せてみました。すると「リモコンを注文するわ」というので、気が変わらないうちに直ぐに注文をしました。
面倒ですが具体的に見せなければ理解しにくいようです。
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無事にステックが到着しましたが、設定が難しいようです。母は自分で3日間、頑張りましたが設定が出来ませんでした。映画はスマホやiPadで観ているようです。仕方がないので私が出動して設定を行いました。
しかしリビングでは父と母がそれぞれのテレビを見ています。特に難聴気味の父が大音響でテレビを見るので、音がかち合うそうです。
「ヘッドホンがあればいいけどね。今度買ってきてあげようか。」
「それならアマゾンでピッとしたら早いよ。」すぐさま母が言いました。もったいない星人がネットで購入すればいいと言うなんて非常に珍しいことです。
直ぐにいくつかの商品を検索して見せたら、母は即断し高性能なカッコいいヘッドホンを購入をしました。
なんとまあえらい成長ぶりです。
「もう3本も映画を観たよ。昨日はね映画の結末が見たくて、布団の中でイヤホンつけて見てたの。だからヘッドホンがあれば、お父さんに気兼ねしないで映画を見れると思ったのよ。」
ヘッドホンは明日届くそうです。母は楽しそうにウキウキしていました。次は大好きなモーガン・フリーマンの連ドラを見ると張り切っていました。
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私はヘッドホンの差し込み口を確認して帰ってきました。
あとは存分に楽しんでくれればOKです。これで母のQOLが高まってくれると信じています。
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