見出し画像

読書日記『みんな、どうして結婚してゆくのだろう』(姫野カオルコ,2000)

1997年の同名作品の文庫版。

姫野カオルコが延々と「結婚」について考えるエッセイである。

私が生まれるよりも前の作品なのに、「女が結婚したがっているなんて誰が決めたの?」「選択的夫婦別姓?やったらいいじゃん」「嫁にしたい女優だぁ?なんだその視点は。演技が上手いかどうかで見ろよ!」「避妊について話し合えない男が多い」みたいなことが書かれていて、面白いと思う反面、20年では男女平等やフェミニズムって大きくは進まなかったんだなと悲しくなる。(姫野カオルコは女性活動家ではない、と自身で書いているし、姫野さんの主義・主張もフェミニズムの視点から見れば好ましくないものもある。)

タイトルの「みんな、どうして結婚してゆくのだろう」には、「結婚は、それほどまでに素晴らしく、しなければいけないものなのか」と「なぜ私は結婚したくないのか」という二つの問いが含まれていると思う。姫野さんは、前者には「そこまで良いものではない」、後者には「母からの教えと理想が高すぎるから」というような結論に達している。わかる。めちゃくちゃわかる。結婚する自由もあるなら、結婚しない自由も、そういう生き方なんだと受け入れて欲しいと思う今日この頃である。




読了日:2023/01/11


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?