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士業経営の落とし穴【みんなハマる】  第239話 資産承継士業養成講座「すぐれたビジネスパーソン②」

荻野:普通からすると、ド変態ですね(笑)。

他人の欠乏を充足する活動をしても、嫌々であれば、つまり自分が喜ばないのであれば、自分の心に他人の苦痛を添えて、二の矢、三の矢を打ち続ける・・・真正の変態です(笑)。でも、自分の快であるとのマインドセットがあれば、とても楽になります。

 繰り返しますが、先ほどの「普通」の商人の定義である、“人の欠乏を充足する活動が自分の快”というマインドセットがなくても、人の欠乏を充足する活動するさえできれば、一応ビジネスパーソンになることはできます。しかし、このマインドセットがないと、「継続」による「修正・改良」がなく、優れたビジネスパーソンにはなれません。それは、変化しないからです。人というか人間の脳の癖ですが、いつも同じことが繰り返されるというストーリーを製造してしまうことが知られています。そのため、お客さんを見て、こういうことを悩んでいるのだろうと考え、今までのサービスを提供して済ませてしまう。これでは変化はありません。人も時代も猛スピードで変わっていくので、必ず取り残されていきます。“チーズはどこに消えた”に出てくる話ですね。このマインドセットがあれば継続による修正・改良と、たまにですが確実に、革新なども起きたりするものです。

 優れたビジネスパーソンは、コンサルティングが習慣になっています。ともに座って同情するだけでもダメ、共感なく相手の問題を解くだけでもダメ、たまにやるだけでもダメ、です。
 相手の不快を理解し、ネガティブな心の状態を受け止め、それが快になるように「正解のない世界を一緒に進んでいくこと」を実践しています。
 これは相手の不快と自分の快を完全に同期しなければできません。
 法律実務家はついつい「正解」を提供しがちです。その正解が相手の快になれば良いですが、間違っていないけれど、この状況では快になるには不足しているかもしれません。そんなことは求めていないのにということは、よくあります。

 やはり相手の気持ちを知ることが大切です。どんなことを世界が見えているのかを探り、この気持ちはきついな、分かるなぁと共感した上で、情報を集め、解決策を提示する必要があります。それを価値観として表現すると「利他の精神をもつ」ということです。この利他の精神をもつという価値観への信念がなければ、他者の不快を快にすることに自分の生き方をリンクさせ、コンサルティングをすることはできません。

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