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士業経営の落とし穴【みんなハマる】 第236話 資産承継士業養成講座「法律実務スキル=法解釈力+法適用力」

<法律実務スキル=法解釈力+法適用力>

荻野:一つ目の法解釈力。法解釈力を養う法解釈学は30歳ぐらいになってからやるようなもので、20歳前後で、「なぜそのような法律があるのか」を追究することは、高度すぎます。カオスから法則を見つける非常に抽象度の高い活動ですから。そのため法解釈学に資格制度はなく、稼げません(昔の司法試験は法解釈学のテストだが、その後、研修所で次の法適用力テストに合格して資格者になる)。
 二つ目の法適用力。これは「何が条件で何が効果なのか」という、数学の公式や漢字の書き取りのようなものです。ドリルのようなもので、繰り返し正しい答えを出し、寝言でも正しい答えが出るようにします。法適用力はドリルで覚えていきます。二人ともやっていると思いますが、民事法務的に言えば法適用力は攻撃方法及び防御方法の学習です。この使い方を機械的に覚えます。ここが資格制度や独占制度があり、できるとお金を生みます。生産手段であるが故に、少し規制や競争があるため、稼げるか、稼げないかの差が出てきます。公証人であれば、それはあまりないかもしれません。ただ、公証人でも良い人にはお金が入り、良くない人にはあまり依頼がこないかもしれません(苦笑)。

 ここからはおまけ(ハックもの)です。

総論、各論という順序で教科書は書いてありますが、これが眠たくなる所以です。総論の多くは格闘技でいうと受け身で、反論方法として使われます。最初からずっと受け身をやる感じです。これはつまらないです。つまらないと言ってしまうと怒られてしまいますが(苦笑)、つらいです。ゲームにおいて、攻撃方法や得点方法を学ぶ前に、受け身を大量に学びます。これは退屈で、億劫です。他方で法適用はドリルなので、まずは得点方法を覚えてから防御方法を覚えます。そのため、すぐ役立つ気がして学びやすいです。学生のときに文学部の子が騙されたときとか、「請求してやろう!」といえば、おう!となって、すぐ使えます。「相手の意思能力はありますか?」とか言っていたら相手も友達も逃げます(苦笑)。そうではなく、どうやったら攻撃できて、相手を揺さぶり、ダメージ与えてお金を回収できるかです。法適用力のドリル学習とは、自分の友達に喜んでもらう方法を学ぶということです。そして、法適用のドリルをやってから法解釈学を学ぶと、法解釈学にも面白く取り組めるかもしれません。何よりも、法解釈学を学ぶと法適用のレベルが各段に高くなります。これはぜひ行ってほしいです。

 少し話しがずれたので、戻します。

法律の実務家になるためには法解釈力と適用力が必要です。この公式から分かるように、解釈力はゼロでも適用力があれば法律実務家になれます。実務家になればセールスはできます。歯医者であれば患者の口腔の状況を診て「左の奥歯も治療しときましょうか?」「歯を掃除しときましょうか?」という「営業」はだれでもできます。またドラッグストアでは、頭痛に苦しむ人には頭痛薬がほっておいても売れます。法律関係に不安を感じている人が法律実務家のところに来ればセールスは不要です。そうであれば士業なら誰でも稼げるはずですが、実際は違います。
 なぜその差が出るのでしょうか。

つづく


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