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「GDPなんてオワコンだ!」って言うために求められる新たな指標

来年、日本はインドにも抜かれ名目GDP世界5位になりそうです。

もともと抜かれること自体は時間の問題でしたが円安によってさらに早まりました。2010年中国に抜かれ、昨年はドイツ、そして、来年はインドです。

長く世界2位を誇っていたことを思うと日本人としてはさびしさも感じてしまいます。

中国やインドについては人口が日本より圧倒的に多く仕方ないと感じる面もあるとは思います。でも、一人当たりGDPで見ると日本は世界34位でそう高くはありません。

日本人は頑張ってまたGDPのランキングが上がるように働くべきなのか?

負け惜しみってわけではないですが、そもそもGDPという指標そのものの意義を再確認すべき時にあると考える方が良さそうです。

GDPの歴史は1930年に遡ります(そもそも遡ると言っても100年にも満たない歴史しかありません)。世界恐慌から第二次世界大戦へと向かう中で経済学者のサイモン・グズネッツさんが軍事費の調達の捻出を検討する必要のあった政府からの要請で作られたものです。

GDPは、一つの国で一定の期間内に生み出された物やサービスの付加価値の合計です。だから、GDPは国民の幸福(Well-being)を図る指標ではないと、考案者のサイモン・グズネッツさん自身が認めています。

例えば、環境に配慮できていない工場や過重労働による生産は付加価値の増加にはつながりますが、国民の幸福度向上には寄与しません。他にも、家事やボランティア活動もGDPには関係していません。

イノベーションやデジタル化によって仕事のやりやすさもこの十数年の間に著しく向上して、バブル後の日本人のワークライフバランスはかなり改善されたと思いますが、それもGDPとは無関係なんです。(もちろん、それによって生産性が改善され、より多くの付加価値が作り出されれば、その部分は加味されます。)

そんな中で、GDPに代わる国民の幸福度を表す指標を確立しようとする取り組みをOECDを中心にしておこなれています(下記参考文献参照)。

日本はGDPの順位では下がったのかもしれませんが、生活の質は改善され、山口周さんの表現をお借りすると「祝祭の高原」にいると胸を張って言えることを目指すべきなのかもしれません。

実際に世界中から日本は美しい国と認められ毎年多くの観光客が訪れているではないですか!

新聞やニュースで「日本はGDPでどんどん順位を下げている」というのを聞くと自信を失いかねませんが、そんな時だからこそ「我々日本はこの指標の向上を目指そう!」って言ってくれるリーダーから出てきて欲しいな、と思います。

参考文献:

#日経COMEMO #NIKKEI


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