見出し画像

真実性の錯覚とは-行動経済学の理解と実践57

それが正しいのか間違っているのかは抜きにして、何度も同じ情報を聞いているうちに信じ込んでしまったり支持してしまうようになることを真実性の錯覚(Illusion Truth Effect)といいます。認知バイアスの一種です。

何度も接点を持っているうちに好意をいだく単純接触効果とも関連が深いです。

昔から権威主義的な国家の独裁者によって用いられていた手法です。

ナポレオンも反復法といって「同じ主張を何度も何度も繰り返すことで、民衆に真実である受け入れられる」と述べています。

身近なところでもテスト問題の正誤問題やマークシートなどで繰り返し間違った選択肢に触れているとそれが正解であると認識してしまうという研究結果があるそうです。

広告についても何度も同じ内容を伝えることで顧客に信じててもらえるようにしようとする試みは真実性の錯覚を活用しているともいえるでしょう。

とはいえ、信ぴょう性の無い情報を信じてくれるほど、消費者や甘くないですし、また、ウソの情報を流したというビジネスに致命的な影響を与えるということも昨今の大企業の不祥事の歴史を見ればわかるでしょう。客観的な評価や実証データを示せなくてはなりません。

真実性の錯覚のビジネスへの応用

従来のものとは異なるイノベーティブな商品やサービスは、それが革新的であればあるほどすぐには大多数には受け入れてもらえません。アーリーアダプター(初期採用者)は目新しいものに飛びつきますが、マジョリティの人たちは成功を確認してから採用に入ります。

マジョリティの顧客が採用に至るまでの期間を短縮させるために真実性の錯覚を応用しましょう。多面的に製品・サービスの良さを伝え、アーリーアダプターの使用感なども活用しながら大多数の人たちに信じてもらえるように情報伝達を続けるのです。

革新性が高ければ高いほど顧客の抵抗も高くなります。少しづつ精神的な障壁を取り除くために反復的に訴えつづけましょう。

最後までお読みいただき有難うございます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?