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隣り合う佐賀県立美術館と博物館

ようやく佐賀城公園までやってきた。雨も上がり、小さな
折り畳み自転車は快調に進んでゆく。14インチのタイヤ
でも意外とすいすい進む。佐賀城公園は、お濠で囲まれた
内部に整備されていて、史跡や文化施設が集まっている。



まずやってきたのは佐賀県立美術館。こちらは1983年に
博物館に隣接して建てられ、美術館機能を移転している。
ヨーロッパ絵画 美の400年展が開催されていたが、残り
の時間を考え、本物を見たい気持ちを抑えて我慢する。
建物の外観とホールを見られただけでもよしとしよう。



※佐賀県立美術館ホームページ参照

美術館の裏側をぐるりとまわって博物館へ向かった。
裏側となる面のデザインはシンプルだが、角の丸柱を
見せるこだわりがある。緑に囲まれた建物、落ち着いた
色の外壁、その前に設置されるベンチの雰囲気もよい。



美術館と博物館は回廊でつながっている。回廊に面して
古賀忠雄氏の力強く迫力のある彫刻が設置されている。



ぐるりとまわって博物館の入口にたどり着いた。仕上げ
はコンクリートの打ち放しで力強い雰囲気がある。天井
のプレキャストコンクリートの格子状の梁がひときわ
目をひく。その構造体の表現は、内部空間でも現れる。
内部では、床と天井が複雑に折り重なる感じが面白い。


外に出ると日が差していた。青空が広がり、気持ちがよい。
建物の前で、イベントが行われていて子供達がしゃぼん
玉をつくって遊んでいた。しゃぼん玉は太陽の光を反射し
輝いている。つい、飛んでいく先を目で追いかけてしまう。



佐賀県立博物館(1970年)の設計は高橋靗一(第一工房)氏
と内田祥哉氏によって手がけられている。45度、角度を
変えて建物を見上げると、まったく違った雰囲気となる。
建物の両端から飛び出ているのは階段室。丸い柱は細く、
建物全体が浮いているような印象も受ける。佐賀県には
豊かな自然もあるが、圧倒的な存在感を持つ建物もある。




彫刻にも別れを告げて、そろそろ次の目的地へ向かおう。
博物館の前に設置された彫刻はとてもユーモラスな感じ。
古賀氏のこの彫刻の名は「生きる」である。人生は自由で
いろんな生き方があってよいと教えてくれているようだ。


佐賀城公園内に建つ佐賀県立美術館と佐賀県立博物館。
都道府県によっては片方しかなかったり、離れている所も
多い。佐賀県には美しい自然もあるが、文化施設もある。
訪れたい所はまだまだある。ひとつずつ楽しんでいこう。


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