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私とパニック障害との出会い

なんだか「運命の出会い」みたいなタイトル。笑
前回のnoteでパニック障害が再発したことを書きましたが、個別にご連絡をいただいたりして、意外と反響があって、書いて良かったと思えました。

うつ病と間違われたり、誤解の多い病なので、周りにパニック障害の患者さんがいる方、通院するか悩む方、私と同じように治療に奮闘している方のお役に立てるように、どんどん発信しようと心に決めました。

突然再発の話をしてしまいましたが、そういえば、いちばん最初になった時ってどんな感じだったっけな、と思い返してみました。

とにかく、色々と把握できなかった

これが本当に最初の感想。
19歳の冬。バリバリ銀座のお店で働いていた頃。
仕事が終わって、満員の丸ノ内線で自宅に向かっていたとき。
あと一駅で最寄り駅というところで、突然目の前が真っ白に。
意識朦朧なまま、ドアが空いたと同時にドアに捕まりながら咄嗟に外に出たのを覚えています。

視界が元に戻ったときには、ホームにうずくまって息が上がっている私。
何人かの人が「大丈夫ですか?」と声をかけてくれましたが、何が起きたのか分からず「大丈夫です…」としか返せず。
幸いその日はそれだけで「酸欠にでもなったのかな」程度にしか思わず、一駅歩いて自宅に戻りました。

その次の日もなんとなくふわふわした感じがあったので、とりあえず仕事前に内科へ。

「ちょっと体重測ってもいいかな?」

そう言われて、不思議に思いながら体重計に乗ったら、そこそこ厚着をしているのに39kg。
(数字を見た時は、えっ!モデル体型じゃん♡と思った。)

子どもでも飲める弱めのめまい止めを処方され、封筒を手渡されました。
その後の先生の一言で、状況がよろしくないことをようやく把握。

「身体的な異常は見られなくて、原因が分からない。体重が平均を大幅に下回っていることも気になります。心因性かもしれないから、これを持って早めに心療内科に行ってください」

手渡された封筒は、最寄りの心療内科への紹介状。

普通の人だらけの心療内科

その次の日、恐怖心たっぷりな状態で心療内科へ。
今と比べると認知度も低くて、あまり良いイメージがなかった心療内科。
受付で紹介状を渡して、待合室で待っている間、周りを見渡してみると、普通の病院と何も変わらず。

見るからに病んでるような人や精神崩壊してるような人は、どこにもいない。
なんなら、体調が悪そうな人もいない。
普通に呼ばれて診察室に入っていって、診察が終わって出てきて、お会計して帰っていく。
みんなどこが悪いんだろう?どんな症状なんだろう?と疑問に思うくらい、普通。
病院という場所に合わない感じに違和感すら覚えました。

そうしているうちに、私の番に。

頭が真っ白になった診断結果

担当してくれたのは若めの優しそうな男性の先生。
起きた症状を話したら、先生からいくつかの質問が。

「最近、何か辛いことや悲しいことはありましたか?」
「消えてしまいたい、と思うことはありますか?」
「気分が沈んだり、ヒステリックになることは?」
「息苦しくなったり、眠れなかったりすることは?」
「決まったときに起きる症状はありますか?」

というような質問に、あまり考えずに答えてね。と言われたので、サクサク答えていきました。

そんなに辛いとか悲しいとかはないけど、強いて言えば、お店でいくつか嫌なことがあったこと。
消えたいとまでは思わないけど、たまに誰にも会いたくなくなること。
数ヶ月くらい、寝付きが悪くなっていて、数週間くらいは朝明るくまで寝れなくなっていて、そのせいか、起きたあとはあまり食欲がないこと。
電車で起きためまいと息苦しさ以外は、特に何かこれといった症状がなかったこと。
人混みとか満員電車は昔から苦手意識があること。

これ!という決定打がない中で、何か分かるんだろう?と半信半疑になりつつも、質問に答え終わった後に、先生から診断が。

不眠症、パニック障害、軽度のうつを併発している状態です。
人混みや満員電車は、発作が起きやすくなるかもしれないので、避けるようにしてください。
それ以外は、薬を処方するので、しっかり飲んでさえくれたら、普通に生活してて大丈夫です。

頭が真っ白です。

パニック障害って何?
うつに軽度とかあるの?っていうか、私、うつなの?
薬さえ飲めば「普通に」生活できるって何?
眠れないのと、この前起きたこと以外は「普通」なんだけど…?

頭が真っ白なまま、診察室を出て、処方箋をもらって、薬をもらって、仕事へ行きました。

意外と身近に同じ人がたくさんいた。

お店で仲良しのお姉さん数名に、自分でも状況を把握できないけどこんな診断された…と相談。
あるお姉さんが「私もなったことあるよ、でも全然まだあんたは軽い方だよ!」と。
そのお姉さんに続いて他の女の子も「私も通院してるよ!大丈夫、発作にさえ気をつけてれば、普通に生きていけるから」と。。。

そのお姉さんたちは、みんな明るくて素敵で優しくて、お客さまにも人気がある人ばかり。
全然、そんな感じには見えませんでしたが、話を聞いてみると

・駅から自宅まで10分かかる道を1時間かけて帰っていた
・人混みとか満員電車が怖かった
・とにかく人に会いたくなくて引きこもってた

などなど、ここでは書けないような壮絶な経験もしていました。
でも、みんなニコニコして普通に仕事してる。しかも、水商売というとても難しい仕事を。

なんだ、誰でもなる可能性がある病気なんだ、みんな自分でうまく付き合いながら仕事できてるんだ、と安心したのを覚えています。

ここから、私の1年間の闘病生活が始まりました。

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