見出し画像

四半期決算開示は変わるのか?!

今月初旬に発足された岸田政権で、当初話題になったのは金融所得課税、という、所謂キャピタルゲインタックスでしたが、当面触れないとなったようです。

発足したばかりの新政権が課税を選挙前に行うのはかなりハードルが高いので、個人的には多分進まないのでは?と思っていましたが。一方で私が気になっていたのは、岸田首相が考えている、上場企業の四半期決算の見直し(所謂半期毎への移行、非財務情報の充実)についてです。

首相は「非財務情報の充実や四半期開示の見直しなど、環境整備を進める」と述べた。投資家からは「開示の頻度が減れば情報格差が広がる」と四半期開示の継続を求める声が出ている。岸田首相は演説で「企業が長期的な視点にたって、株主だけでなく、従業員も取引先も恩恵を受けられる『三方良し』の経営を行うことが重要」と強調した。見直しに言及しただけで、具体策は分からない。...日本の四半期開示は1999年から東京証券取引所のルールで上場企業に順次義務付けられ、2008年に金融商品取引法で法的に義務付けられている。...海外では英国やドイツ、フランスが10年代に法律上の四半期開示の義務付けを廃止した。ただ、ドイツは取引所の規則で開示を求めているほか、英国やフランスでも任意で開示を続けている上場企業は多い。米国ではトランプ前大統領が18年に四半期開示の義務付けの見直しに言及したが、議論が立ち消えになった経緯がある。

四半期決算は投資家にとって重要、という説明もあるものの、同時にショートタームイズム(短期目線と短期売買の助長)という側面もあると。また海外市場でも常に”考えられている”トピックの一つであることも事実。証券アナリストをかじっていたものとしては、四半期決算が減ることは仕事量減少になるので、うれしいことかと思いますし、上場企業のIRに費やす時間も低減できるので、上場維持がしやすくなったりすると感じます。

よしぼんさんは、00年に株式投資を始めた。最初の10年は、PER(株価収益率)が低い銘柄を株価チャートの形状を見て売買するスイングトレードが主体だったという。仕事で必要が生じて簿記を勉強したのをきっかけに、企業の財務諸表分析の面白さに目覚める。それに伴って株式投資の軸も、チャートの分析から企業決算の分析へとシフトした。四半期決算をチェックし、売上高が前年同期比10%以上、経常利益が同20%以上増加している企業に着目する。次に経常利益の増加率が5年続くと仮定し、5年後の経常利益の予想値を出す。...こうして求めた5年後の経常利益の予想値を基に、将来の時価総額を算出する。それが足元の時価総額と大きくかけ離れていれば、値上がりの余地が大きいと判断して購入する。時価総額が予想値に到達したら売るのが基本だ。

また一方で上記のように四半期決算開示を活用して、億万長者になられた方もいるわけで。コロナ禍のように目の前が大きく変化する際には、頻繁な適時開示が必要に感じる一方で、平時においてそこまで四半期開示が必要なのか、という臨機応変さについて議論の余地があるかと。何れにしても、課税のように分かりやすい話題ではないですが、議論の一石を投じる可能性のある良いポイントだと思います。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?