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見城徹『たった一人の熱狂』を読んで #ホメモ

最近、見城徹さんの『たった一人の熱狂』を朝の通勤電車で読んでいる。

この本を朝に読むと、熱いシャワーを浴びたみたいに目がさめて、全身に血が巡る感じになるから不思議だ。正直に言うと、読み始めたときは見城さんの言葉があまりにストレートで重いので「この本を読み続けるのはちょっとしんどいかも」と思っていた。
たとえば、以下のような言葉だ。

受験を勝ち抜いた人は、期限を区切って大量の知識を頭の中に叩き込む訓練ができている。自己チェック能力も優れている。自分はいったんAという答えにしたが、ひょっとするとこの答えは間違っており、BかCが正しいかもしれない。そう思ったときには、もう一度最初に戻って考え直してみる。主観にがんじがらめにとらわれるのではなく、自己を批評的に客観視しなければミスには気付けない。
自己検証、自己嫌悪、自己否定。この三つがない人間には進歩がない。
努力を積み重ねて価値を集積していけば、ビジネスパートナーや得がたい戦友は向こうから近付いて来る。
「まあいいか」という言葉は、絶対に呟きたくない。
僕は常々「10万部のヒットを1回出せた編集者は、それから何度でも10万部の本を作れる。30万部のヒットを1回出せた編集者は、それから何度でも30万部の本を作れる」と言っている。
ひとたび成功体験を得れば、壁を突破するための方程式が見える。それが肉体化する。
極論を言えば、起業家に理念なんて必要ない。‥(中略)‥さらに言えば、理念なんてあと付けで作ったって構わないのだ。

でも、しばらくすると力強い言葉が癖になってしまった。そして、本の半分くらいを読み終えるころには、徐々に見城さんの人間味が伝わってきて、意外とチャーミングな人なんだなと感じるようになった。下記の言葉のあたりとか、見城さんの価値観がよくわかる。

「君がなんとなく生きた今日は、昨日死んで行った人たちがどうしても生きたかった大切な明日だ」(アメリカ先住民の言葉)
「自分で汗をかきましょう。手柄は人にあげましょう。そしてそれを忘れましょう」(日本テレビの故・氏家齊一郎会長の言葉)

あと、本の最後にある「解説」もおもしろい。
秋元康さんと、担当編集の箕輪康介さんが対談をする企画で、「語りたくなる人」である見城さんの魅力を、以下の部分などで見事に伝えている。

箕輪:「俺はもう疲れたよ」と最近言いますけど、でも絶対自分のやり方をやめないですよね。
秋元:やめないよ。やめるっていうことは"見城徹"をやめるっていうことだもん。やめないさ。

ぼくは、自分を客観視することが苦手なので、「自己検証、自己嫌悪、自己否定。」のところなどは忘れないようにしたい。

「連休明けは、なんだか憂鬱だ」という人におすすめしたい本。

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