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【こんなはずじゃなかった】泥酔した翌日

先日、前の会社の人たちと飲みに行った。
久しぶりに仲の良い人と会った高揚感と日頃の疲れから、とんでもなく泥酔した。
その時の私の様子といえば、

  • かつて泥酔した時の武勇伝を、自慢げに10回以上繰り返す

  • 舌足らずの滑舌で大声を出す

  • 他人の話に一切興味をなくし、隙あらば自分語り

  • イケメンだなと思った男性に、彼女はいるのか、好きなタイプ、この中なら誰が良いかなどのセクハラ発言を繰り返す

  • 家の鍵をなくし、一緒にいた友人にカバンの中身を全て出してもらい、鍵を探させる

  • その間に水を買おうと自販機に移動するが小銭がなく、自販機の前で動けなくなる

と、こんな有様である。
酔って大声を出しながら自慢話とセクハラを繰り返すアラサーが、私の酔っ払った姿である。


……きつすぎる。

壊滅的な酔客だが、個人的に今回1番きつかったのは、イケメンにセクハラ発言を繰り返した部分である。
プライベートは聞かれたくない場合もあるだろうと思って普段は聞くのを控えていたが、その理性が酒によってロック解除され、しつこく恋愛事情を聞くに至った。
その際、日常生活ではありえないくらい冷たい目線を向けられ、久々に他人から嫌われる瞬間をハッキリと自覚した。

翌日になっても冷たい目線が忘れられず、ショックと二日酔いで翌日は寝込んだ。(書いていても、我ながらバカすぎる…)

皆さんならここでどうするだろうか。
2度と酒を飲まないと、二日酔いの朝にだけ現れる信仰心を胸に、神へ誓うのが一般的だろう。
しかし、この苦い経験を有益なものに変えるのは、信仰心でも誓いでもない。

◇◇◇

そもそも、泥酔したあとに後悔するのは「本来の自分はまともな人間だ」というシラフの自分に対する期待値が高くなっているせいである。

その高すぎる期待値こそ間違いである。

酔っている状態というのは、日常生活では当たり前のようにできていることが全て崩壊しているので、
どうしても「酔ってる時が異常、普段が正常」と思いがちだがそうではない。

残念ながら
「酔ってる時が通常運転、普段は猫かぶり」
が真実である。


最初の問いに戻ろう。泥酔した翌日に我々は何をすべきか。答えは、酔っている状態が自分の真の姿だと認め、これからはシラフでも真の姿を見せていく覚悟を決めることだ。

私の場合は「舌足らずな大声で、自慢話とセクハラを繰り返すアラサー」が真の姿であると認め、シラフの状態でもこの姿を他人にさらけ出す覚悟を決めることだ。

終わってる飲み会の図

辛く苦しいことだが、私自身はろくでもない人間だ。私の素顔が、もしTWICEのサナのように健気な努力家であれば、本性をさらけだすのに辛い思いはきっとしていないだろう。そうありたかったが、残念ながらそうでは無かった。

◇◇◇

いや待て。
なんのために自分の本性をさらけ出すのか?
辛い思いをしてまで素を出さなくても、まともな部分だけ見せれば良いじゃないか、って?

そんなの、寂しいでしょうが!!!!!!

浅い人間関係、上辺だけの会話、その場しのぎの無意味な時間。
そういう時間で人生を埋め尽くしても構わないなら、一生殻にこもればいい。たまに飲みすぎて後悔して、数名の知り合いを失いながら生きていけば良い。

でも、心から思ったことを言い合える関係が欲しいなら、必ずどこかで素顔を見せなければいけない時がくるのではないだろうか。
自己開示をするタイミングの最初に起こることは、何でも言い合える友人を得ることではなく、まず本性にドン引きして去っていく人たちを見送る痛みである。

②で大きな絶望を味わう

②の痛みを乗り越えてはじめて③を迎えられる。

そう信じて我々は、シラフの中に泥酔姿を少しずつ滲ませていくしかないのである。


副次的な効果だが、シラフと酔った時が近いと、いわゆる酔うと豹変する系になるのを避けられるというメリットもある。
運転でも何でも、豹変する人というのは急に何を始めるかわからない不気味さがあり、怖がられる傾向がある。

そう考えるとやはり、シラフから酔った姿を少しずつ出していくのが吉であろう。



正直、この結論に辿り着くのに100回くらいは二日酔いの神様に祈りを捧げてきたが、酒癖は全く改善されなかった。
シラフの自分への期待を捨てるのも、他人からドン引きされる痛みも味わいたくないが、
それ以上にもう酒癖は治らないんだ、と今回の件を通してようやく諦めがついた。

この絶望がどうか希望の始まりであって欲しいという思いを込めて記事を書いている。

将来の自分が、カッコつけずにいてくれますように。


やつはし

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