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日本人だと余計。。。

誉めるのが苦手な日本人と自己肯定感

2019年に内閣府が、日本の子どもや若者の自己肯定感が、国際比較調査で最低だったと公表しました。

日本人は普段から人のことをそんなに褒めませんから、当然と言ったら、当然の結果だと思いました。

ネガティヴ思考傾向の人とか、勿論それ以外にも要因は複数あると思いますが、人から誉められる経験が少なければ、当然自己肯定感も低くなるので、子供自身というよりも環境によるところが大きいかと思います。

英語は人を誉めるキラキラ言語

日本人は、比較的おとなしい人が多く、言わなくても分かるだろうという協調性や謙遜という慣習があるからでしょうか。よほどでないと人を褒めない気がします。

私には、日本人の真面目な国民性と自閉症の白黒思考が重なってみえることがよくあります。こうあるべき、こうすべきと厳しく思い込んで、そこに達していないと誉められないのです。

実は、私は父親の影響で、小さい頃から洋画、洋楽が大好きだったので、結婚するまで、英語にどっぷり浸かる生き方をしてきました。特に海外で暮らすと気づきますが、英語圏では、気軽に人を褒めます。

逆にいうと、英語で褒め言葉を使わずに話したら、人間関係がギクシャクしそうです。それくらい「nice!」「good!」「great!」など日常的に使いますし、他にも変化に富んだ表現方法で褒めるので、日本語に比べると、英語は人を誉めるキラキラ言語と言えるかもしれません。

誉められない日本の学校の事情

そういう事情のある日本で、特性がある子供は、更に誉められなくなるのは、間違いありません。クラスの中で、同じ年齢の定型発達の子ども達と一緒にいると、特性のある子ども達は、先生から叱られてばかりとなり、学校が辛い場所になるのは当然です。

一方、担任の先生からすれば、誉める余裕などないのが実情です。じっとしていられない、人の話しを聞けない、注意散漫、疲れやすい、同じミスを繰り返す、認知に歪みがある、暴力を振るう、奇声を上げるという、何かしらの特性を持つ生徒が、35人中10人以上もいれば、一人一人を見て誉めるなんて無理です。

けれど、最近は発達障害支援法の改訂で、そんなクラスに支援が入るようになってきています。特別支援の先生や私のような支援員は、特性と分かっているので、注視することができます。

比べるところは本人の成長で、出来そうなことは頑張らせ、出来たら褒めるという行動療育が実際の学校生活で出来るのは、とても良いと思います。とは言え、支援員が常に入っているのは、この学校でも小1年生だけ。国が教育に思い切った予算をつけない限り、或いは、15人くらいの本当の少人数学級にでもしない限り、まだまだ手が回らないのが現状です。

特性のある子を誉めるには

誉めてもすぐに出来ないのが特性ですから、辛抱強く応援する姿勢が大切です。
まずその子供の特性を理解し、その子の立場になって考えないといけません。

何度言っても出来ないことには、本人の努力だけではどうしようもないところに原因があるので、大目にみることも必要です。社会のルール、マナーから外れていない、誰の迷惑にもなっていないという場合に限りますが。

特性のある子の多くは純粋で、素直なので、誉められると行動が変わってきます。特性から斜に構える子供もいますが、笑顔とユーモアを持って誉めていけば、必ず良い成長がみられると思います。

褒めてるのに、自己肯定感が低い娘

自分でいうのもなんですが、私は子供を褒める方だと思っていました。娘も大いに褒めて育ててきたはずなのに、小学5年の頃には、なぜか自己肯定感がドン底の娘が出来上がっていて、全く理解できませんでした。

環境
家族に負のオーラを撒き散らし、家族を無視し続けるという、幼い父親に目をつぶってしまっていた影響は大きかったと思います。子供にとって、父親はいた方が良いし、彼もいつか変わってくれると思っていた私は、楽観的過ぎて、そもそも発達障害のことを知らない無知な人でした。

分かりづらい特性
彼女の自己肯定感が低い理由には、特性も絡んでいました。娘が言うには、私から褒められたことは、記憶に残っておらず、怒られたことやネガティヴなことばかり、強く記憶に焼きついているというのです。

けれど、考えればそれは当然で、長い間、発達障害と知らないで育てているので、普通よりたくさん誉めてはいたものの、とにかく言うことを聞かない子だったのでしょっちゅう感情的に叱っていました。知らなかったとは言え、可哀想なことをしてしまったと反省しています。

失敗体験
それに加えて、失敗体験があります。彼女曰く、自分がありのままでいたり、できないことを正直に打ち明けたりした結果、良い思いをしたことがないらしく、それも自己肯定感を下げる要因の一つになっていたと分かりました。これは、打ち明けた人や状況によるので、場を踏んで慎重に学んでいくしかないかと思います。

発達と分かって6年目、ようやく分かり始める
時間は掛かりましたが、娘がネガティヴ思考になってしまう理由が、分かったことは、お互いにとって良かったと思っています。気づくことが出来れば、何歳からでも自分を変えることは出来ますから。

人は誰でも褒められると嬉しいし、嬉しくなるとやる気も出ます。特性あるなし関係なく、笑顔のため継続的に人を、自分を、意識して誉めていきたいと思います。


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