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言語学フェス2024のまとめとこのイベントは何なのかを考えてみた

言語学フェス2024が無事に終了しました。ご参加いただいた皆様どうもありがとうございまあした。

21日の記事でも書いたとおり今回私は運営委員でしたが,実務はかなり減らしてもらいました(そしてそのおかげで自分の発表ができました)。

とはいえ少しは運営のこともやっていましたし,懇親会のはじめに総括の話をしたので,あらためて簡単なまとめ記事を備忘録的に書いておきます。


統計的な資料

今回の発表件数は,プロジェクト・研究室紹介が22件,研究発表が65件でした。戯れにPythonでワードクラウドを作ってみました(戯れとか言いつつpillowとjapanmapの依存関係に由来するエラーに苦戦して1時間ちょいかかってます)。

なんとなく関心の集まったものが見えてくるような気がします。でも「シリア」とかMeCabの誤解析っぽいものがありますね。あと,英語タイトルはほぼ反映されてないと思います。

今回の参加申込は393名でした。内訳も含め表にしました。

やはり一般の参加者が1/4近くいるというのが特色だと思います。個人的にはTwitterの混乱が続く中でどうやって情報が届くのか関心がありますが,もう少し見ないと分かりませんね。

IPアドレスと名前の両方で重複のない人を実際の入場者として数えると,今回は331名で,2023の454名から減ってはいるのですが,前回はゆる言語学ラジオさんからの参加者がかなり多かったことを考えると,通常時の数としては妥当かなと思います。

ちなみにoViceはこの1年でバージョンアップして使い勝手も変わった(改善された面が多い)のですが,参加者を見ていると扱いで困ったような方はあまり見られなかったと思います。この辺は事前公開が功を奏している面もあると思います。

言語学フェスって「ちょうどいい」場

総括のとき,言語学フェスって何なんだろうという話をしたのですが,いま考えると,言語学フェスって「ちょうどいい」場なんだと思います。

例えば学生が書いたネタを学生と発表してくださった方がいます。「よくできた卒論」っていろんな人に聞いてもらいたいけど全国学会はハードルが高いし,卒業後になってしまうので発表してもらうのもちょっと大変です。またそもそも「学会」で発表することを目的としてないかもしれません。その点で言語学フェスは卒業前にいろんな人に話を聞いてもらう機会として「ちょうどいい」時期やレベル感があります。

また「研究がうまいこと進んでないけどそれはそれとして話してみたい」とか「思いついたことはあるけど十分に練る時間がない」ようなときってけっこうあります。院生時代ってそういう「思いつきに近いこと」(≒研究的な雑談)を話す場ってけっこうあったのですが,歳を取るにつれて減ってきました。その点で言語学フェスは遠慮なくそういうことを話すのに「ちょうどいい」場でした。

プロジェクトや研究室紹介をする方の場合,広くそういうことが話せる場というのは実はあまりないように思います。ウェブページを作ってもたどりついてくれるわけではないですし。その意味で少なくとも言語に関心のある人が集まる場というのは宣伝の場所として「ちょうどいい」ように思います。

発表しなくても「発表するものは無いけど,言語に関心があるから話を聞いてみたい」という人は一般層にけっこういるように感じています。実際それが上の「一般」の参加者数に反映されているんじゃないかなと思います。そういう方が言語の話を聞く場として,言語学フェスは「ちょうどいい」規模やレベルだったりします。

こうやって振り返ると,2023の総括のとき私は「ぬるま湯でありたい」ということを言ったのですが,それが「ちょうどいい」なんでしょうね。

少し乱暴にまとめると,言語学を職業としている人からちょっと関心のある人まで,いろんな方がいます。私としては言語学フェスがそれら多くの幅広い方々にとって「ちょうどいい」場としてあったなら幸いだったと思います。ここで「あり続けられたら」と言えるとカッコイイのですが,あくまで次回は未定なので…


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