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中学生に良さそうな和算本探し エピソード・人物伝編

中2次女から「和算について書かれた本を読んでみたい」というリクエストがありました。ちゃちゃっと検索すると大まかに「和算にまつわるエピソードや人物伝」,「和算を題材にした小説」,「和算そのものの解説や問題集」あたりに分類できそうだったのでもうちょっと突っ込んで聞いたところ,1番目と2番目あたりが気になる模様だったので,ひとまず1番目を対象に気になったものを選んでみました。

多くなりすぎてもしょうがないので5つに絞っています。図書館(経由)で借りれたもの中心で熟読する時間もないので,つまみ食い的に読んでいます。ちなみに『塵劫記(じんこうき)』という江戸時代の超ベストセラー算術書(和算の教科書)についての記述と関孝和という数学者(全集が出ましたね!)についての記述は比較のために気にしては読みました。

新編塵劫記(デジコレ

『夢中になる!江戸の数学』

(桜井 進 (著),2012年,集英社文庫,480円+税)
江戸時代の和算に関するエピソード的な話が半分近くを占める。図表が多いのと,具体的な問題が載っているところが取っ付きやすい印象。現代の受験のことなど少し脇道もある。

『和算小説のたのしみ』

(鳴海 風 (著),2008年,岩波科学ライブラリー,1,300円+税)
和算を題材にした小説を記す作家によるトピックや人物ごとの解説とブックガイドの紹介。簡便だけど網羅性の高くよく練られ解説と本のガイドのバランスが良い。ただし古書のみ。

『和算を楽しむ』

(佐藤 健一 (著),2006年,ちくまプリマー新書,680円+税)
図表がふんだんに盛り込まれ,数学的な解説も詳しい。少し羅列的な感じがするのと紹介の仕方が専門家っぽくて読ませ方としては上記2冊の方が勝るかな。これも古書のみ。

『和算への誘い: 数学を楽しんだ江戸時代』

(上野 健爾 (著),2017年,平凡社・ブックレット〈書物を開く〉,1,100円+税)
89ページのブックレットで和算に関する人物やエピソードを解説している。図表も多く,当時の書物の書き下しがついている点が特徴的。分量はいいのだが文体がやや硬めでよくできる高校生とか,大学生以上向けかなと。

『円周率の謎を追う:江戸の天才数学者・関孝和の挑戦』

(鳴海 風 (著),2016年,くもん出版,1,650円)
上4冊と大きく異なり関孝和の伝記。読書感想文コンクールの課題図書だったらしい。当時の書物のことなどがちりばめられているのでとっかかりの1冊としてはいいかもしれないが,エピソードなどは創作である点は要注意。

さてどうするか…

読んだ印象だと今回の目的では『江戸の数学』と『和算小説のたのしみ』の2つが良さげなので注文してみます。まあ本はこちらが力を入れて薦めても本人に合うかどうかってまた別なのでそれも難しいところです(苦笑)。


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