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うつ病は「心が弱いから」なるものではないことを示す研究結果

慈恵医大の研究班が、うつ病を誘発し得る特定のウイルス遺伝子変異を発見したそうだ。

この科学的な進歩は、うつ病に関する社会的な誤解を解消するための一歩となる可能性がある。うつ病が単なる「甘え」や「心の弱さ」の結果でないことを、遺伝子のレベルで明らかにしているのだ。

いまだに理解のない人々の間では、うつ病になる人は繊細なんだとか、心が弱い、あるいは甘えなんだという認識が横行しているように感じる。

しかし、うつ病は単なる心理的な問題にとどまらない。

脳は複雑な生物学的機構であり、その働きが変われば行動や感情に深刻な影響を及ぼす。遺伝子変異はその要因の一つであり、うつ病を取り巻く生物学的な複雑性を示している。

慈恵医大の研究結果が示唆するのは、遺伝子のみならず、ウイルス感染という環境因子が精神疾患に影響を与えうることだ。これは、生物学的要素と環境要素が相互に作用し合う精神疾患の発症メカニズムを浮き彫りにするものである。

このような研究結果は、うつ病に対する世間の認識を根底から変える力を持っている。病気が「見えない」ために誤解されがちな精神疾患だが、物理的な証拠が増えれば、偏見は減少し、より理解と支援がある社会が実現するだろう。

今のように周囲から誤った認識で対応されるために、当事者はさらなる精神的負担や不利益を被っている。現状ではうつ病になる人は「人格に問題がある」と思われているようなものだからだ。

慈恵医大の研究結果は、うつ病を含む精神病に対する社会の見方を変える可能性を持っている。遺伝子変異とウイルス感染の発見が、精神病に対する偏見を解消し、科学的な理解と共感的な対応を促すことを願いたい。

繰り返すが、心の病は、単に心の問題ではなく、脳の物理的な機能と深く関連しているのである。

この研究結果を皮切りに、将来的にうつ病の根治方法や予防方法が編み出されて、あのひどい苦しみを感じる人が少なくなれば何よりだ。

日本人は毎年二万人が自ら命を絶ってしまうが、うつ病を患っていた方も少なくないだろう。もしうつ病を根絶できれば、助かる命は多いに違いない。

だが現時点ではひとまず、この喜ばしい報告を受けて、偏見や差別だけでも無くなって欲しいと願うものである。


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