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見えない絆が光る時【あなたの声で決まる! 月刊アート・プロジェクト企画】

毎月、皆さんに決めて頂いたお題でYeKuが何かしらの創作をするという企画をやっております!

4月のアンケート結果と共に今月の創作をお届けします。

アンケート結果

今回のアンケート結果は、以下のようになっております!
※太字が決定

テーマ

光と影の対話
失われた記憶
異世界の扉
終わりと始まりの狭間
見えない絆

モチーフ


時計


形式
日記

アンケートにご協力くださった皆様、ありがとうございました。

それでは「見えない絆」をテーマに「鏡」をモチーフとした「日記」です。お楽しみいただければ幸いです!


2024年4月28日 日曜日 晴れ

今朝、何気なく部屋に置いてある鏡を見つめた。その鏡に映ったのは、当然、大人になった自分の顔。

しばらく見つめているうちに、子どもの頃のあどけない自分を思い出す。子どもの頃からあまり外に出ないので、色白で、今よりずっとふっくらしていた。まだ生きる苦しみや様々な困難に無自覚で、無邪気だった頃。

当時、私にとって大事だったこと。

私は従姉が大好きだった。彼女と一緒に過ごすことは、他の全てを忘れさせた。当時からあまり好きではなかった学校や、母との複雑な関係、灰色の日々。何がある訳ではなくても、一緒に居て、一緒に遊び、一緒にご飯を食べて、一緒に寝る。彼女と時間が過ごせるだけで、他のすべてが報われるような気がした。

私たちは本当に仲が良くて、ずっと手をつないで、一緒に居た。別れる時は、あまりにも寂しくて、号泣した。

でも、時が経つにつれ、私たちの生活は変わった。従姉は結婚し、素敵な家庭を築き、子どもも2人生まれた。一方、私は仕事ばかり。子どもを育てるのは大変だろう、忙しいだろうと思い、徐々に連絡を取ることが少なくなった。

昔は欠かさなかった誕生日のメッセージも、最近では送れていない。

鏡を見ていて、私たちの間の絆は見えないものになってしまったのかもしれないと考えた。でも、心の奥底では、その絆がまだ存在して欲しいと思った。見えなくても、感じることができる絆。

そんな思いを胸に、ペンを手に取って、従姉への手紙を書き始めた。この手紙が、私たちの見えない絆を、再び見える形に変えてくれることを願っている。

言葉にすることで、私たちの間の絆を再確認し、また昔のように手をつなぎたい。

手紙を書き終えて封筒に入れると、心が少し軽くなったように感じた。祈るように、ポストに投函する。私の思いが、彼女にも繋がればいいと願いながら。


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