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美術展巡り(4) シン・ジャパニーズ・ペインティング展-ポーラ美術館-

こんばんは、いかフライです。
11月も後半になり、クリスマスとお正月を少し意識するようになりました。
つい最近年を越した感覚ですが、年末には今年1年の出来事を振り返って、
来年をより良い年にしていきたいです。

今年は美術展にたくさん足を運び、様々なアーティストの作品を鑑賞しました。noteには一部の美術展の紹介記事をまとめていますが、その他にも数多くの素晴らしい作品や作家を知ることができました。年末には行って良かった美術展のベスト3をまとめたいと思います。

今回は、箱根のポーラ美術館の鑑賞レポートです。

ガラスが印象的な美術館外装

1、自然と一体となった美術館

都内から車で2時間ほど走り、山道をくねくねと曲がりながら上った先に、ポーラ美術館がありました。ポーラ美術館には都内の美術館では考えられないような広い森を所有しており、来館者は自由に散策することができます。
私は駐車場で車から降りた途端に森の新鮮な空気を感じ、森を散策している間はマイナスイオンを全身に浴びている感覚になりました。森が雑然としておらず、きちんと管理されているからこそ、散策者は絵画の中にいるような体験ができます。遊歩道の途中にはアート作品が点在しているので、記念写真を撮ったり、ベンチに座ってゆっくりしたりと、様々な楽しみ方がある森でした。

「森の遊歩道」を歩く

2、新しい日本画 シン・ジャパニーズ・ペインティング展

現在開催中(2023年12月3日まで)の「シン・ジャパニーズ・ペインティング 革新の日本画横山大観、杉山寧から現代の作家まで」を鑑賞しました。
近代~現代の日本画作家の作品が多く並び、「日本画」の固定概念にとらわれない、エネルギッシュな展示会でした。近代の作品から日本画の大まかな流れを知ることができ、今までの日本画から影響を受けた現代作家が「日本画」をどのように表現しているのかを感じることができる、非常に面白い展示構成でした。
日本画と聞くと私は雅や繊細という言葉を連想しますが、日本画のイメージとは異なるような、斬新な作品が多くありました。特に面白いと感じた作家・作品をまとめたいと思います。
展覧会特設サイトのムービーはこちらからご覧いただけます。

2-1 山本基さん
ムービーでも紹介されていましたが、山本基さんの作品は塩を用いたインスタレーション(空間を使う)作品です。レース模様の塩が渦を巻いており、見る人に大きなインパクトを与えます。鏡の上にレースの渦巻きができている作品もあり、鏡を覗き込む人と作品が一体となる不思議な感覚がありました。塩の渦巻きが海で発生した波の白にも見えますが、もっとずっと遠くから地球の海を俯瞰したようにも見え、繊細でもあり壮大でもある作品だと感じました。

2-2 深堀隆介さん
樹脂を重ねて立体的な金魚を描いた作品を多く制作されています。今回の展示会では、木の水槽の中で泳ぐ大小様々な金魚を見ることができました。
テレビで深堀隆介さんの作品については知っていましたが、偶然ポーラ美術館の展覧会で見ることができてとても嬉しかったです。樹脂が重なっているからこそ、水の中で金魚が自由に泳いでいるかのようなリアルさがありました。金魚以外は網やホースの実物を置いていたりと、存在感のあるユニークな作品でした。

2-3 杉本博司さん
個人的に1目見て「かっこいい!」と感じたのは、杉本博司さんの屏風の作品でした。『月下紅白梅図屛風』は、光琳の国宝である『紅白梅図屛風』を写真で撮影し、プラチナプリント(プラチナを使った写真技法)でプリントされた作品です。光琳の元絵を見ると、『月下紅白梅図屛風』が写真で撮影された作品であることが良く分かります。光琳の絵では金屏風の中央に川が流れているため日中の風景であると想像できますが、『月下紅白梅図屛風』は月明かりに照らされた夜の風景です。全体が黒くて暗いトーンであるからこそ、川の渦の線がくっきりと見えてとても惹きつけられます。
国宝である光琳の作品を、現代のアーティストが「本歌取り」することで、新鮮で現代的な作品に生まれ変わっていました。国宝作品を身近に感じることができるという点でも、とても「かっこいい」作品だと思います。
別の展覧会ですが、ご本人による『月下紅白梅図屛風』のギャラリートーク動画がありましたので、気になる方はこちらをご覧ください。
(5:07から紹介が始まります)

3、ポーラ美術館のお土産

都内のように気軽には行けない美術館のため、お土産はかなり迷いました。
事前にネットで調べ、気になっていたサコッシュ(白)を購入しました。黒とグリーンもあり、3色で散々悩みました…。
ポーラ美術館のロゴがおしゃれで1つのアート作品のようになっているため、缶バッチも惹かれて購入しました。また、これを見るためにポーラ美術館に行ったと言っても過言ではない、ピカソの青の時代の作品『海辺の母子像』等など、ポストカードを数枚購入しました。

憧れの美術館の1つだったため、箱根まで足を延ばしてよかったなぁと
感じました。箱根には他にも魅力的な美術館があるので、次の機会に足を運んでみようと思います。

引き続き、noteで展覧会レポートをまとめていきます!


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