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ワクワクすること、新しい考え方、読書や旅が大好きです。現在は海外で生活しています。哲学…

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ワクワクすること、新しい考え方、読書や旅が大好きです。現在は海外で生活しています。哲学、書評、旅、日常のこと、社会の仕組みなど多岐にわたって情報発信していきたいと思います。

最近の記事

悲しみが人間の本質を照らし出す

 最近、知り合いのギリシア人が日本に来たので、居酒屋で飲んだ。彼が、どこか海外旅行に行く予定はないのか、と聞くので、「実はロシア文化や文学に興味があって、ロシアに行ってみたい」と伝えた。彼は驚いた顔で「ロシアはあまりお薦めではない。彼らは大酒呑みで暴れ者が多いし、貧困がはびこっているし、何よりロシアは独裁国家だ。」と言い放った。  彼の反応に別に不快な気はしなかった。西側諸国の人間としては妥当な反応だといえよう。特に今はロシアとウクライナの戦争があって、プーチンを野蛮な独裁

    • 10年前の自分に何を伝えるか?

       文章を書くときに、10年前の自分に向けて書くと良いという話を聞いたことがある。特定の読者を想定することで、メッセージをより明確にしていく技法の1つだ。  なるほどと思い、自分の10年前から現在までを思い出してみたところ、随分と価値観や考え方が変わってきたことに気付く。その違いは180度違うと言っても差し支えないだろう。果たしてこんなに価値観の違う10年前の自分に対して、どうアドバイスしたらいいやら検討がつかなくなってきた。  10年前の自分は、まだ会社に入ったばかりで、

      • 生きるとは、いかに損をしていくか

         突然だが、グリム童話の「幸せハンス」という絵本をご存じだろうか。先日、子どもに読んだ本で思いがけず良かったので、少しあらすじを紹介する。  主人公のハンスは7年間仕えた主人から大きな金塊をもらい、暇をもらうと母親の待つ故郷へ向けて出発した。途中、ハンスは馬に乗った人を見かけた。金塊が重く、馬に乗る方が楽しそうなので、金と馬を交換した。次にハンスは牛を引く村人に会い、牛乳やバターがとれる牛のほうが馬よりいいと馬と牛を交換した。 ハンスは暑くてのどが乾き、牛から乳を搾ろ

        • 映画「オッペンハイマー」を観て考えた日本人への原爆投下

           故郷愛媛への帰省から東京に戻り、時間が出来たので話題の映画「オッペンハイマー」を観に行った。オッペンハイマーは「原爆の父」として知られ、米国の原爆開発プロジェクトであるマンハッタン計画を率いた科学者として有名だ。彼自身に関しては昨今、トレンドになっている量子力学を研究する物理学者であったとか、マッカーシー赤狩りの時代に、妻をはじめとする身近な人間が元共産党員であったがために、原子力委員会から事実上の公職追放をされたとか色々と興味深いエピソードはあるが、今回はこれらのことは特

        悲しみが人間の本質を照らし出す

          子供を持つ親に一度は読んでほしい「LGBTの語られざるリアル」

           昨今、世間ではSDGs等と並んでLGBTへの理解を深めようということで騒がれている。私の会社にもパソコンにLGBTのシンボルである虹色のシールを張る同僚も現れ、差別のない良い時代が到来したと信じている。  私自身は、この問題にあまり関心を寄せてこなかったが、SDGsにせよ、脱炭素にせよ、コロナにせよ、皆が一斉に同じ方向を向いて正義をかざす時は。あまりロクな事ではないだろうと斜めから冷ややかに眺めていた。だが、我那覇真子氏とジェイソン・モーガン氏の共著「LGBTの語られざる

          子供を持つ親に一度は読んでほしい「LGBTの語られざるリアル」

          今そこにある危機 - WHOによるファシズム計画

          2024年5月に予定されているWHO総会での採択を目指して、現在、 国際保健規則 (IHR) の改定とパンデミック条約の作成についての政府間交渉が行われている。新型コロナウイルスにより世界中で「甚大な被害」が出たため、既存の規則改定や新条約の締結により、新たな感染症流行への世界的な予防能力向上を目指すというのが表向きの目的となっている。 しかし、本当にこのIHR改定やパンデミック条約は、公衆衛生の向上に寄与する内容と言えるのだろうか。 改定案および条約草案の内容、IHR作

          今そこにある危機 - WHOによるファシズム計画

          日本の超過死亡は原爆2発分以上!!

          皆さんは日本の超過死亡が大変なことになっているのはご存じだろうか。 超過死亡がすごいというと必ず聞かれるのが、日本は高齢化社会だからという意見である。確かに高齢化に伴い日本の死者数は毎年1-2万人程度のペースで増加している。だが、ここには超過死亡の定義に対する誤解があるように思える。超過死亡の定義は、厚労省や国立感染研究所が例年の傾向に基づいて立てる予想死亡数に対して、実際の死亡数がどれだけ上回っているかの数のことを表す。予測死亡数は当然、社会の高齢化に伴う死者数の増加傾向

          日本の超過死亡は原爆2発分以上!!

          プーチンは何者か?

          皆さんは「オリバー・ストーン オン プーチン」というドキュメンタリー映画もしくは本をご覧になったことがあるだろうか。今回は、この内容を引用しながらプーチンの人物像を紹介したいと思う。 なぜ、いまプーチンか?というと、彼は西側諸国の報道では野蛮な独裁者、侵略者として報じられているが、実は、それとは全く異なる冷静かつ慎重に物事を判断する人物であり、現在の政治家が権力闘争や表面上の議論に終始するつまらない政治家であるのとは対照的に、ロシア人にとって最善の価値規範は何かという観点か

          プーチンは何者か?

          米金融の崩壊は近い!?

          突然だが、世界で最もお金持ちといえる国はどこだろうか。答えは日本だ。その対外純資産は418兆円。(2022年度2022_g3.pdf (mof.go.jp)) では、世界で最も借金の多い国はどこだろうか。答えはアメリカで、約2,138兆円の借金をしている。2,138兆円ものありえない対外純債務を負うアメリカがこれまで破綻してこなかったのは、ひとえにアメリカドルが国際取引の決済通貨、特に原油の決済通貨であり続けたこと、そしてその国際決済通貨であるドルを世界で唯一無限に発行でき

          米金融の崩壊は近い!?

          台湾有事よりも朝鮮半島が危ない!?

          朝鮮半島の最近の動き 2024年1月5日に北朝鮮が約200発の砲撃を韓国の島周辺へ行ったと韓国軍が報道した。これに対し、韓国は400発の砲弾射撃訓練を行い対抗。北朝鮮の砲撃は、2023年12月29日から2024年1月4日の米韓合同射撃訓練の挑発行為を受けてのものであったと言われている。金正恩は、戦争は望まないが、避ける考えもないと発言している。 北朝鮮製ミサイル また、米国のカービー戦略広報調整官は記者団に対し、ロシアがウクライナに対して使ったミサイルの中に北朝鮮製弾道

          台湾有事よりも朝鮮半島が危ない!?

          石油覇権の未来

          中東紅海にあるバブエルマンデブ海峡は、海運の要路だが、昨年末からイエメンの武装組織フーシ派による商船への攻撃が増加していることを受け、海運大手ドイツのハパックロイド、スイスのMSC、デンマークのマースク、フランスのCMA CGM、台湾のエバーグリーン、英国石油大手BPなどが紅海を通る経路を回避し、南アフリカ共和国の喜望峰回りなどへのルート変更を発表した。武装組織フーシ派は、イランを後ろ盾としている。イランは既に長年対立関係にあったアラブの盟主サウジアラビアと和解しているので、

          石油覇権の未来

          台湾有事・米中戦争はありうるか?

          2022年8月に米国ペロシ下院議長が台湾を訪問して以来、中国が台湾に侵攻する台湾有事が起こるかも知れない、そして日本も他人事ではおられず、台湾を巡る米中戦争に下手をすれば巻き込まれるかも知れないという空気が醸成されつつあった。露宇戦争、イスラエル・ハマス戦争に続き、まるで東アジアでも同様に戦争を起こしたい勢力があるかのようである。 果たして、このような状況の中、本当に台湾有事や米中戦争はあり得るのか。個人的には可能性は限りなく低いと考えている。 まず、第一に米中戦争は起きない

          台湾有事・米中戦争はありうるか?

          ロシア- ウクライナ戦争とは何だったか?

          ロシアとウクライナの戦争も終焉を迎えようとしている。「戦争は経済」とよく言われるが、戦前はロシアとウクライナで8:1だったGDP比は戦争中にウクライナのGDPが半減したことにより16:1にまで差が広がっている。そして、ゼレンスキー大統領が必死になって集めようとしている外国からの資金援助も遂に底尽きを見せている。アメリカのバイデンは600億ドルのウクライナ支援のための追加予算を議会に申請しているが、議会の反対で年内承認は断念しておりこのまま2023年12月30日には資金が尽きる

          ロシア- ウクライナ戦争とは何だったか?

          差し迫る日本の危機(パンデミック条約・IHR改定)

          3年前より始まったコロナパンデミックも5類移行が決まり、終焉を迎えた。しかし、この騒動によって社会には多くの弊害が現れ、また実際にその被害にあわれた方も少なくない。特に人類初の遺伝子ワクチンは当時、*治験未完了だったにも関わらず安心安全、効果は十分というメリットのみが強調され、デメリットについては殆ど触れられない形で国民への接種が推し進められた。その結果、これまでのところ**2,000件超のワクチンによる死亡、及び4万件弱のワクチンによる健康被害が厚労省より報告されている。*

          差し迫る日本の危機(パンデミック条約・IHR改定)

          史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち パート1

          今日は、「史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち」という本を紹介したい。カジュアルな表現で難解な哲学の分野を説明してくれているので大変おススメの一冊である。 史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち (河出文庫 や 33-2) | 飲茶 |本 | 通販 | Amazon 東洋の哲学の中でも特にインド哲学は、現代の量子力学などにも通ずる本質的な考え方が内包されているので、今回はウパニシャッド哲学から仏教に至るインド哲学の流れを紹介したい。 ウパニシャッド哲学の最大の哲人と言われた

          史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち パート1

          ニューアース読書会パート2

          今日は、「自分自身を発見するために自分を捨てる」の章を扱った。印象的だったのは、講師の方が人は何かの役割を生まれ持っており、その役に同一化することで、脳内ドラマが展開されると話されていたこと。 大抵は、怖い、悲しい、寂しい、これじゃだめだ、愛されていない、等の分離を助長するような役割であることが多いという。 私は、自分の人生経験を通して「理解されず、寂しい」という役割であるとなんとなく思う。「寂しい」が、理解されなければされない程、自分の特別感を高めることが出来るという気

          ニューアース読書会パート2