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フリーランス2ヶ月目の私が考える、フリーランスの必要条件とは。
分かりやすいハードスキルが無くても、「フリーランスの必要条件 1」で紹介した通り、「これまで培ってきた人との繋がり」があれば36歳の私(当時35歳)でもフリーランスになれました。必要条件2は、「自分のソフト(+ハード)スキルを知り、売る」です。

資格や分かりやすいハードスキルがなくても、大丈夫

私はこれまで営業、アカウント・マネージメント、プロジェクト・マネージメントというポジションを、広告、印刷、店頭販促物、マーケティング全般の範囲で経験をしてきている。デザイナーでもエンジニアでもないので、一体全体どうやってフリーランスとして仕事にありつけるのか、想像ができなかった。正社員からいきなり、次の仕事を見つけなくてはならない状態に陥ったのが(私は整理解雇に合っている)、クリエイティブに考える力に火をつけてくれたのかもしれない。

フリーランスを検討されている方は、是非これまでの自分の経験を上記のように一言・二言でまとめてみて欲しい。そして自分の「ソフトスキル」は何なのかも考えてみて欲しい。

人の気持ちを汲み取れる、人を勇気付けることができる、常にポジティブな方向に目を向けられる、難しい説明を簡易な言葉に変換できる、日本語以外の言語ができる、プレゼンが大得意、等々、あなたの得意なソフトスキルが必ずあるはず。それをどう売り込むかはあなた次第になってしまうが、そのソフトスキルを生かすことで、将来のクライアントの役に立つことがあるのは間違いない。

「ハードスキル」に関しては、これまで何年か仕事をしてきた人であれば、この分野のことは分かる・できる、というものがあると思うし、学生の方でも専門的な職業であれば、これまで勉強してきたことをすぐに生かせることがたくさんあるだろう。しかもハードスキルは、勉強や経験さえしてしまえば身に付くことでもあるので(向き不向きはあるが)、私は「その人の強み」を語る上ではソフトスキルのほうが大切だと思っている。

私には一つだけまだ日本では比較的レアなソフトスキルがあって、それは日本語以外に英語で仕事ができる点。二言語対応可能な点を、それ以外のソフト/ハードスキルと組み合わせてフリーランスとして仕事をしている。

上記に書いた通り、「組み合わせ」の考え方は非常に大切で、今すぐにでも検討すべきなのは、藤原和博さんの「必ず食える1%の人になる方法」の考え方(というか実践方)。要は「普通の人」でも「100人に1人の1%」の人間になれる・なろうということなのだが、詳しくは是非本を読んでいただきたい。私は会社員としてこの本を手にし、頭の隅に常にこの考え方はあった。フリーランスになる前から結局実践をしておかなければならないことなので、「フリーランス検討中」の方には、特に必読書だと思っている。

会社員時代の15年は宝物

21歳から35歳までの15年間、私は正社員として5社経験してきた。
15年の間に、社会人としての言葉遣いや物腰・態度、社内・社外の人たちとの付き合い方等々、会社に属したからこそ学べたことがたくさん、たくさんある。そもそもフリーランスという選択肢なんて考えていなかったというのはあるけど、「会社員」の15年があったからこそ、今フリーランスをできていると素直にそう思う。

アメリカで大学を卒業してから約6年間は、ニューヨークで日系の出版社で広告営業の仕事をした。特に2社目の会社では厳しくも愛のある指導を受けた。お叱りを受けたり、失敗をしたりするのは日常茶飯事で、でもゆっくりであるが着実に、同じ失敗はしないよう次の月に繋げていたと記憶している。

日本に戻ってからは、1年間グローバルのデータ/ニュース会社でカスタマーサポートの仕事をし、ここでは経済や金融の一部を勉強させていただいた(そしてろくに貢献できず...。反省。)。それはそれは、頭脳明晰な人たちがたくさん揃っている優良企業で、何度か私の仕事に対する態度に関して、叱ってくれた先輩も居た。良い友達もたくさんできた。素晴らしい人が揃った会社だったと思う。

その次の会社は、私の地元である関西が本社の「超ドメスティック」な日本企業。5年半勤めた。馬鹿で軽率でおろかな私は「xx株式会社 xx部長様 いつもお世話になっております。」という日本の伝統的なメールの書き方を心の中で軽蔑していて、一度は「肩書き?いつもお世話になっております?!こんな無駄なことやってるから、日本はあかんねん!」とまで叫んでいたのに、半年も経たない間に、「郷に入っては郷に従え」でこのメールの書き方を徹底していた。日本の伝統的なメールの意味や価値がどうなのかという問題は置いておいて、とにかくフリーランスでこんな子供じみたことをしていたら誰も相手にしてくれなかっただろうとヒヤヒヤする。

また、商社的な機能も持つ会社だったので、クライアント(得意先)は当然のことながら、サプライヤー(仕入先)との関係はそれ以上に大切なものなのだとも教わった。

社会人をフリーランスとして始めなくて良かった

いきなりフリーランスになっていたりなんかしたら、粘り強く付き合ってくれる先輩も、叱ってくれる先輩もいなかったし、会社の責任の中で失敗もさせてもらえなかっただろう。そして自分自身がチームリーダーとして機能する機会もなかった。とにかく、私にとっては社会人を15年「会社員」として過ごせたのは宝物だったと思う。

むしろ、10年でも、20年でも会社員をした私やあなただからこそ、できるフリーランスとてしての活躍の仕方が絶対にある、と私は言いたい。10、20年働けば、その分「フリーランスの必要条件 1」に書いた「これまで培ってきた人との繋がり」も充実させられる。

もちろんフリーランスにならなくても良い。会社員であろうが、フリーランスであろうが、「あなたにしかできないこと」は絶対にある。そしてたった今も「あなたにしかできないこと」をあなたはやっているだろう。

でももし現状を変えたいという気持ちがあるのであれば、自宅にいることが多いであろうこのコロナ禍、自分の分析と今後の方向性を考える機会とするのはいかがだろうか。

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