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名作はパクられる

 今日の昼下がり、ちょっと気になる事があってヨウツベ先生でキョンシー映画、不朽の名作「霊幻道士」を見直していたところ(「何回見とんねん!」というツッコミを入れたい気持ちはわかりますが、ここは一つ堪えてください。)私が余りに検索窓に「殭屍先生(霊幻道士の原題ね)」「殭屍家族(いわゆる霊幻道士2の原題ね)」と余りに殭屍、殭屍、入力するもんだから、最新のキョンシー映画も上がって来て、期待ゼロで覗いてみたところ(何故期待ゼロかと言えば既に検証済みだから↓↓)、

あまりにもあんまりな代物で衝撃。

色々なシーンで、細かくバレない程度にパクっているつもりかもしれないけども、林正英(ラム・チェンイン)を心からリスペクトし、日頃から彼の作品をヘビロテしてるこのアタシの目は誤魔化されません💢💢💢!

こちら本家本元画像、字幕にご注目ください。
(すみません、ヨウツベ先生で上がっていた本家本元の画質が残念なものでお見苦しい点お詫び申し上げます。)

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ちなみにこちら「駆魔警察(邦題:新・霊幻道士 風水捜査篇)」より

「迎え火で一番やってはいけないことは途中で火を消してしまう事だ」

というラム・チェンインのこのセリフ。

(注:すみません、ここでは字幕のパクリ率を見ていただく為に便宜上、日本人が理解しやすいであろう「迎え火」としていますが、実際の中国語的には単に「(霊に対して供物を)燃やす時に」という言い方をしています。

中国では、死者があの世で困らないように、紙で作ったお金や服などを送ってあげる為に燃やします。)

こちらの映画でも

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どちらも字幕が簡体字表記になっておりますが、本家本元は広東語、こちらは北京語の映画です

広東語と北京語の微妙な言い回しは違うものの、内容は全く同じ、シンクロ率98%と言っても過言ではないでしょう。

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本家本元では、ラム・チェンインが姪っ子役に、線香と蝋燭を持ってくるように言いつけます。

こちらの映画でも、お婆ちゃんの孫に線香と蝋燭を持ってくるように言いつけます。

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こちらも広東語の話し言葉と北京語の書き言葉の差はあるもののシンクロ率98%


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本家本元では火を消してしまったのはお婆ちゃんなので、ラム・チェンインがお婆ちゃんに火を消してしまった事を霊に謝るように言います。
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こちらの映画では火を消してしまうのは孫の方なので、主人公は孫に向かって霊に謝罪するように言います。
本家本元では、ラム・チェンインが姪っ子役にお婆ちゃんを家に送って休ませるようにと言いつけます。
こちらの映画では主人公がお婆ちゃんに家に帰って休むように言います。

こ、こ、これ・・・!  シーン丸ごと丸パクリじゃないっすか!!
そして、1シーン丸ごとパクッテるかと思えば、こちら!

ラム・チェンインを愛する皆さまなら、誰もがシビレたであろう、このシーン(写真はパクリの方なので全然イケていませんが)。

ラム・チェンインが米を指ですくって、蝋燭の火で炙り指の上で燃やし、そのままお椀に投げ込むという映画「霊幻道士」(←パクってる映画が変わってます)の中の1シーン。(本家本元、こちらお借りした動画では約2分10秒当たりからのシーンです↓↓)

この伝説の道術アクションシーン、ラム・チェンインファンもキョンシー映画ファンの100%が知っているであろう、このあまりにも有名なシーンを堂々とパクるなんて、全くいい度胸してます。

本家本元ではかなりカッコいい見せ場を、とてもショボくパクっているのがまた微妙

ラム・チェンイン主演のキョンシー映画の隠れた名場面を、あっちからちょこちょこ、こっちからちょこちょこパクって作られているこの映画。

そして肝心のアクションシーンがこちら。

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頭の上に表示される陰陽マーク、緑は悪霊
道士の周りをお札バリアが囲む

あれっ?この画面・・・どっかで見たような・・・。

ついこないだ、インストールしてすぐアンインストールした、あのゲームそのもの

今や人気映画を元にゲームができるというよりも、ゲームのような映画が量産されているようです。

あのゲームはこのゲーム↓↓

ラム・チェンイン映画のいいとこどりと、映画じゃなくてゲームを作りたいのかと思うほどの、アニメチックなCG画面を繋ぎ合わせて作られたこの映画を見て思ったのは、どれだけ色々な技術や知識が発達しようとも、やっぱり飛びぬけて素晴らしいものは淘汰されずに依然として変わらぬ光、いえ、尚一層の輝きを放つものもあるんだなあと改めて思うそんな昼下がり。

パクリとオマージュは全然違いますからね


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