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うおっ、財布を忘れたっ!!

今日も予約していた医者に余裕しゃくしゃくで10分前に到着。
そして医者の診察券を取り出そうとして

は!


さ、財布がない!

昨日バンド練習の時にバッグを替えて財布を取り出してないわ!

という記憶が、一瞬でフラッシュバック。

・・・やべ!医者に来たのに思いっきり財布忘れて来てしまった・・・。
全身から汗が噴き出る・・・。ど、どうすれば・・・。

旦那Kに来てもらおうにも、この日Kは、お姑の定期健診の付き添いであっちの病院へ( ̄▽ ̄;)

けっ、このマザコン野郎

や~、こちとらバスと電車を乗り継いで片道50分かけて来てるしなあ~・・・。

他のお客さんも今日に限って待合室いっぱい。

困り果てたけど、バッグの中を何度見直した所で、ないもんはないので、仕方なく受付のお姉ちゃんに、
「すみません、財布を忘れてしまったのですが、PAY ME(携帯電話同士で銀行口座のお金をやりとりするアプリ)とかAlipay(電子マネーアプリ)で支払いできますか。もしくは、診察後すぐに家に取りに帰って支払いに来させていただくか、診察の日程を変更していただくか、何か方法はないでしょうか。」

すると、マスク美人の受付嬢は美しいツケマで大きくなっている瞳を「まさか、この世にそんな間抜けな患者が!?」と言わんばかりに更に大きく見開くと、

「ちょっとドクターに相談してみますので、少々お待ちください」と言い、
「お手数おかけします」
そう言って私は再びソファに腰かけた。

程なくして、受付嬢が戻ってくると、
「FPS(Faster Payment System)はありますか?」
と言う。

Faster Payment Systemな!・・・あるぜ!!

キャッシュレス化が進む香港社会で、私も最近やっと観念して(厳密に言えば、私自身が積極的にこの時代の波に乗ろうとしたわけではなく、旦那Kが仕事上の必要性から一足先にスマホ銀行化したついでに私にも勧めて来て、複雑そうなソレを教えてもらえるときにやっておかないともう自力では無理だろう、と思ったから)スマホ銀行の設定をしたところだったけども、この設定や手続きがややこし過ぎて、アラフィフオバハン、今回ばかりは心の底から、
「いや~、もうついていけないわっ!」とマジで限界を感じたばかり。

この携帯の銀行アプリ、イチイチパスワードを入れるのが面倒なので、全て指紋認証にしたのに、暫くの期間使わないと、セキュリティの為か、すぐに一過性パスワードを設定して、セキュリティコードを入力してからの再認証になるので、正直、中高年には心臓に悪い設定だと思う。

え?このパスワードはまた覚えて置かなくちゃいけないんだろうか??

とドキドキするのだ。
そして、この一過性っぽい使い捨てパスワードを、街中だから色んなパスワードをメモしてあるノートも手元にないので、仕方なく携帯のメモに置いておくことになる。多分、もう一生このパスワードは必要ないのに、だ。

(←昔、口座開設時に銀行のキャッシュカードを作った時、銀行から発行される一番最初だけ使う仮パスワードを、10数年も大事に保管していたオバハン)

もう指紋認証にしたら、アプリボタン押して指紋押したらすぐに入れるような単純明快な設定にして欲しいワケ!
それ以上余計な番号入力とかさせないでほしいワケ!

FPSは確かに設定したんだけど、前回はKも一緒にいて何となく開けたけど、今回は私1人。自力で普通にFPS使えるんだろうか・・・という不安。

「この若い人たちなら、もう普段からこういうのを当たり前に使いこなしていて、私がわからなかったらリードしてくれないだろうか。」という淡い期待を抱きながら携帯を開いて、FPS設定してあることがわかる画面を看護婦さんに見せてみると、
「あ~あるんなら、とりあえず先に入って診察を済ませてください。後で電話番号をお知らせしますので」

と言う。
私が「FPS」ってどうやって使うんだろうと
内心??????で埋め尽くされているとは思いもよらない、もしくは、そこまで面倒見てやらなくてはいけないとは微塵も思ってない看護婦さん達…うん、使い方がわかりませんとか言っても全然助けてもらえなさそうだ(^_^;)

でも。 
・・・電話番号と言ったな?

じゃあFPSもP携帯電話同士で銀行口座のお金をやりとりするアプリと同じで、電話番号さえゲットすれば口座番号とか色々な諸情報なしでお金をやり取りできるっぽい、という事を、かろうじてキャッチした私。

診察後、看護婦さんが付箋に書いてくれた電話番号は、何とドクター個人のもので、財布を忘れた間抜けな私の支払いは、ドクター個人の銀行口座で受け取って、後は内部でやりとりしてくださるよう。

な、何て柔軟な対応・・・!!!

そして、自力でFPSでの支払いを終えた私は、財布がなくても何とかなるほどのキャッシュレス化が進んでいる香港と、ドクター自らが患者個人とお金をやり取りしてくれる対応の柔軟さに、心底感動して帰路についたのでした。


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