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【専門課程レポート】「連ゼミ」第5期 第6回目講義

こんにちは!
次世代まちづくりスクール「連ゼミ」TA(ティーチングアシスタント)の竹屋です。
3/20(月)に行われた第5期「連ゼミ」の第6回ゼミ(最終回)の模様をレポートします。

本日も近況報告から始まりました。
TAの私が花粉症の治療にシダキュア(舌下免疫療法)を服用し始めたことから症状が軽くなっている話をしたせいで、皆さんの花粉症の近況についての報告がメインとなりました(笑)

さて、ゼミは今回が最終回となりました。
本日のメインテーマは「連鎖リノベ」です。
建物単体あるいは一つの空間を一点集中的に良くするのではなく、どうやって町に波及していくのかを考えることが重要で、一つの地域の中にたくさんリノベーションした物件を点在させていくための手法について、今回の最終ゼミで学びます。

連鎖リノベは、“組織論”でもあります。
「どういう枠組みでどのように協働していくか」という点が重要です。異なる立場の人が共同して行うこと・これまでのゼミで学んできた手法を上手に組み合わせながら活用していくことが連鎖リノベには重要なポイントです。

@カマタについて

点在する空間/不動産、人/スキル、文化/記憶などのリソースを繋ぎ合わせ、エリア全体をクリエイティブな環境に変えることをミッションにしたまちづくり・不動産・建築・アート・デザイン・プロダクトに関する企画開発を実践する会社です。
はじめから会社を作ろうとしたわけではなく、蒲田エリアで仕事場を持っている、あるいは住まいを持っている人たちで何か面白いことをやらないかと言って始まった、プロジェクト起点で会社になった事例です。

もともとは旧蒲田区を活動エリアにすることを前提としていました。
商店街(商い)・住居(住まい)・町工場(ものづくり)が混ざった町が蒲田であり、東京都で最も町工場が多い町として知られています(ピーク時に9,000件超ありましたが、今は3,500件ほど)

会社として掲げる事業は、大きく3つあります。

  1. エリア開発企画

  2. プロダクト開発企画

  3. プログラム開発企画

@カマタの事例①KUUCHI(クーチ)


最初のプロジェクトは、2013年に行った築55年の木造住宅の改修したものでした。
大規模に改修するのではなく最小限の改修を行い、事務所を作りました。
具体的に行ったこととしては、建物の外壁を白くし、木造の平屋を解体し、道の前にあった塀もなくし、空き地を設けました。
その他にも等価交換という手法も用いる等で、接道条件を整えました。

@カマタの事例②梅森プラットフォーム

京急沿線が潜在的に持つものづくりの可能性を最大化し、新たなカルチャーとクリエイティブを生み出す拠点として生まれたものづくり複合施設であり、「クリエイター」「ファクトリー(町工場)」「リテール(商業)」という3つのプログラムをひとつの単位として開発を進めていく場所です。
京急線の大森町~梅屋敷駅間の周辺エリアの魅力は、まさに蒲田の特徴である「商店街・住まい・町工場が混在していること」です。
働くこと・商いをすること・住むことが一体化した独特の活気と魅力を持っています。昭和の雰囲気や路地裏の生活感溢れる空間や活動が点在しています。
ここで地域との関係を生み出し育んでいくことが可能なプログラムや空間を提供することで、地域の魅力をつなぐ高架下施設として周辺エリアの活性化に貢献することを目指しています。

この事例から挙げられる重要なポイントとして、提案の中に「1区間を自分たちで借り上げて運営する」という内容を入れていることです。
京急側としては、テナントを1区間抑えられるということと、京急が実施したことがないことをモデルとして実施できるというメリットがあったため、実現しました。

@カマタの事例③KOCA(コーカ)

梅森プラットフォームの中の一つであり、あらゆるクリエイションの実験をサポートするコワーキングであり、工房であり、そしてインキュベーションスペースとして活用しています。
各々のプレーヤーが持っている地域との関係を集合させることで、地域のものづくりが集まるひとつの結節点になるような“ハブ”として高架下を開発していきます。
京急側は、はじめは敷地をフル活用して建物を作ることを検討していましたが、議論した結果オープンスペースにすることになりました。

ここで以下の質疑が行われました。
「ブリッジのWebサイトは、今はどうなっているか?」
「カマタフライデーの告知方法はどのようにしているか?」

連鎖リノベの事例紹介

次に、連鎖リノベの事例について5つ紹介されました。
詳しくはゼミでのお楽しみに。


ここで以下の質疑が行われました。
「2号3号の物件を作るという、次の動きを作るのにはどのようなポイントがあるか?」
「組織論という話があったが、建築士や物件の所有者以外のキーマンはいるか?」

最終ゼミのまとめ


本日のゼミで取り上げた事例に共通していることが2つあります。
それは、「第1号案件をどうするかということが大事である」ということ、はじめからきちんと計画するわけではなく「トラブルや予測不能な出来事を上手にエンジンに使いながら走らせるのが共通している」ということです。
色んな人を受け入れる・対話するという“多様性”をしっかり持つことが、連鎖型リノベには重要かつ必要不可欠です。

第5期連ゼミを振り返って

最終ゼミは連鎖リノベについてのゼミでしたが、これまでのゼミの内容がすべて凝縮したゼミになりました。学ぶことがとても多いゼミでした。

空き家を一つ再生するだけではそのエリアの価値向上にはつながりにくく、エリアとの相乗効果を図っていくという視点を持つことは非常に重要だなと思いました。空き家再生は空き家の再生だけにとどまらず、そのエリアの価値向上に寄与することにもなり、逆に言うとエリアの価値向上を考えない空き家再生はうまくいかないということです。

また、何事にも言えることかもしれませんが、空き家再生にはチームワークや人との連携が重要であることも痛感しました。一人でできることは限られていて、どれだけ人と繋がっているかがキーになるなと思いました。

自分自身、不動産を持っていない状況で半年間ゼミを受けましたが、想像力/創造力をつける良い期間になりました。いずれは自分も空き家再生に取り組めるための土台作りになりました。
今後は、半年間のゼミで学んでインプットできたことを試行錯誤しながらアウトプットできるようにしていきたいなと思います。


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次世代まちづくりスクールでは、
オンライン+実践的な講座をサブスクリプションで学べる3つコースでまちづくりを学ぶことができます。
・幅広い知識を学ぶ「一般教養課程
・専任教授のゼミに参加する「専門課程
・空き家再生プロデューサーを目指す「資格講座

第6期連ゼミ初回講義は4月10日(月)19時より開講です。

空き家リノベに興味のある方はぜひ受講されてみてください!
https://hello-renovation.jp/machi-school/news_detail/157

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