SIerマネージャーによる【Data.aiモバイル市場年鑑2023年】 のミカタ
こんにちは。
SIerで働くマネージャー、29歳です。
本記事は、data.aiより提供されている「モバイル市場年鑑2023年」をもとに、感想を書かせていただいています。
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今回は主に日本市場に注目します。
①DXは日常レベルでもう終わっている。
SIerをやっているとDXって言葉が日常的に流れてきます。DXの流れは、東京を筆頭に都市圏ではもう当たり前の動き。地方企業にも、だんだんと浸透していってるのではないでしょうか。
一方で、経済産業省から2022年7月に出されたDXレポート2.2では、『まだまだ効率化できただけで、本当のDXはその先だぞ!』と言う趣旨の内容も書かれています。
記載されている内容は実態にかなり近いと感じますが、DX進行の定義を以下とすると、金融・飲食・小売といった日常に近い業界では、ほぼほぼ一時的なDXは終わり切ったと言えるでしょう。
モバイルやwebサービスに投資をし続けていること
お客様との接点を増やすことができていること
そのおかげで、お客様にこれまでより多様なサービスを提供できていること
金融はむしろ大手が牽引。
PayPay 、Myna Point、 Rakuten Pay 、d Payment、 regionPAY がダウンロード上位に位置しています。改めて、もはや電子決済は当たり前の時代。ソフトバンク、楽天、ドコモなどのキャリア系大手によって日本は世界にまだ遅れを取らない状態を維持できました。
また、2021年に始動した「みんなの銀行」などのネオ銀行よりむしろ急速に、大手銀行は使い勝手の向上や新規サービスの提供を進めています。
例えば、三井住友銀行は2021年3月にサービスイメージを刷新し、アプリも高い評価を得ています。三井住友銀行のデザインチームではnoteで情報発信もされているみたいです。ぜひ、気になる方はチェックしてみてください。
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.smbc.direct&hl=ja&gl=US
飲食は、いかに「待たない」か。
言わずもがな、出前館・UberEatsがダウンロードで上位2位を獲得しています。もはや首都圏で飲食の要は、デリバリーとモバイルオーダー。
マクドナルドとスターバックスの2社は、モバイルオーダーの事例を示してくれています。
昔少し一緒にお仕事をした吉田さんの記事を引用しておきます!
このまとめをみると、まだまだなようです。
確かに、スターバックスはハウスのプリペイド決済の意思を貫いていますので、マクドナルドの経営スタイルに比べると、利用率増加のハードルは高いのかもしれません。
また、この辺りのパッケージサービスとして今業界を牽引しているのはO:derではないでしょうか。吉野家・丸亀製麺などあなたの身近なお店でもO:derのシステムは動いています。
個人的には、CRISP SALAD WORKSのオーダーシステムとサービス設計が最高です。美味しいし笑 ぜひ、体験して、食べてみてください。
小売では新しいヘクトコーン企業が。
日本では、2022年、消費者がショッピングアプリに費やした時間は約10億時間だと言います。
コロナの影響もあった2020年から26.5%の成長を見せ、もはやネット・アプリから物を買うことは国民生活にとって必要不可欠になっていることがうかがえます。
2022年、ダウンロードが前年比から最も伸びたアプリはSHEIN。
中国発の、シンガポールに本社を置くファッション小売のヘクトコーン企業です。
SHEINの戦略に触れるのは主旨が変わってしまうのでここでは特に触れませんが、2021年に日本上陸してからものすごい勢いで浸透して行っています。とにかく安い。仕組みもすごい。
小売はコロナの後押しを受けて、特にデジタルがより当たり前になっていると思います。金融や飲食に比べて、商品の入れ替えが早く、販売までのシステムも構築しやすいことも後押ししているでしょう。
こちらも、shopifyを筆頭に、サービスも充実しており参画ハードルも非常に低いです。DXはとびこえて、これからのZ世代にどうアプローチするかと言うところが、むしろ現在大きな競争ポイントになっていると思います。
注目業界は・・・
今最もDXの過渡期に来ているのは建築業界ではないでしょうか。
まさに中心にいらっしゃる方からすると、もうそんなのは昔の話だ、と言われるかもしれませんが、SIerにいても不動産や街づくりの話は受けますが、建築に特化した相談はまだ聞いたことがありません。
おそらくコアな技術とノウハウがまだまだ必要とされているからだと感じます。
このように、日本企業全体で見るとまだまだDXは途上ではありますが、
ユーザーの目に触れやすい業界の先行企業では、アプリの利用率もコロナの後押しもあり右肩上がり。デジタルネイティブ化と言えるほどのユーザー効果はすでに現れていることがはっきりとわかると思います。
②今後のSNSは繋がりではなく共有を求める。
私の世代(20代後半〜30代前半)のSNSといえば、mixiから始まり、今ではLINE、twitter、instagramくらいまでがイニシアチブを握っていました。個人の情報・意見などを発信して、それをシェアし、ネットワークのように友達と友達が繋がっていく。ソーシャルネットワークの名の通りでした。
現在の数字的な事情はどうでしょう。
支払いの動機は投げ銭か。
Socialアプリでの課金額の上位5アプリは以下の通り。
特徴的なのは2-5位までが、いわゆる投げ銭行為のための支出が占めていることがわかります。
LINE
TikTok
Pococha Live
17LIVE
WhoWatch
ダウンロード数の上位に注目。
Socialアプリでのダウンロード数上位5アプリは以下。
LINE
tiktok
Instagram
twitter
Discord
tiktokはすでにインスタグラムを抜いて第2位に位置していました。それからDiscord。eスポーツ市場の盛り上がりもあり、利用率がぐんと上がってきている形でしょうか。
数年前まではSocialはLINE、Instagram、twitterでもう出てこないだろうと思っていましたが、いつの時代も潮流に合わせて新しいサービスが出てくる物ですね…。
大事なのは時間を共有すること。
少しだけ、世界のSocial事情に目を向けてみると、「BeReal」と言うアプリがちらほらと上位に位置していることがわかります。
簡単に言うと、「世界中の全員が、毎日全く同じ2分間のうちに写真をシェアするアプリ」です。ほんとにできることはそれだけ。
こうしたSocialの事情から見えてくるのは、誰かとFollowしあう(つながり合う)こと以上に、投げ銭や動画コンテンツでのコラボ、BeRealの投稿機能のように、共有を重視していることだと感じます。
時間・物・場所・感動・音楽….どんなこともオープンにして、誰かと共有すること。
③のセクションへも繋がりますが、ネットワークはもはや、ネットではなく面となり、ソーシャル空間にみんなが一緒に入り込む世界観となってきました。メタバースもこの価値観に近い感覚と言えるでしょう。
③出会い系はもはやZ世代以下の標準アイテム。
一昔前の出会い系は、知らない人と会うなんて怖いよね というネガティブなイメージでした。
ですが、データから見ると現在は、全くそんなことはないように見えます。
周りの人たちも、マッチングアプリはもう当たり前。さらに、Z世代以下には特別な傾向が見られるようです。
日本人はお金をかけても出会いを求む。
すみません、ここだけ資料を引用させてください。
これ、ちょっと驚きでした。
日本は島国で、人口も都市圏に集中しているはずなのに、マッチングアプリにめちゃくちゃ消費ニーズがあります。むしろやっていない人の方が少ない、ぐらいの状態に見えてきました。。
国民性の問題なんでしょうか?大きくは少子化の手助けにもなると思うので、良い傾向では。
Z世代は、大人より世界を知っている。
それから、Z世代に絞ってランキングを見てみると、世界全体ではYuboとHoopというアプリがマッチングアプリ部門で好調です。
20代後半以上の恋人づくりや出会いといった、ガチを求めるのではなく、ラフな友達作りをしたい、今を世界の人と共有したいという潜在的なニーズが、Z世代以下にはあるようです。
ニーズ、というかむしろ、それができて当たり前ということなんですかね。
Data.aiのレポートでは、
「フレンドゾーン: Z世代は友だちアプリとグローバルなつながりを好む」
と、まとめてられています。
大人が会社で必死こいてパソコンに向かって働いている中で、
むしろ青年たちの方が、世界に目を向けているかもしれません。
④可処分時間を増やすことが圧倒的なニーズ。
飲食部門のアプリランキングから見える示唆
ここからは自作スライドの引用で。
ということで笑
出前館・UberEats・はま寿司・くら寿司 アプリがダウンロード好調。
しかし、MAUは比例して伸びきっていない。
=
待ち時間を有効に使いたいという圧倒的ニーズが感じられる一方で、
それは必ずしもアプリの定着率には繋がらない、一時的な欲求である。
というお話。最後ですが、弱めの感想でした。
まとめ
Data.aiのレポートには他にも以下のような様々なジャンル、視点からの分析が掲載されています。
ゲーム
ファイナンス
小売
ビデオストーリミング
ソーシャル
フード&ドリンク
旅行
ヘルスケア&フィットネス
スポーツ
今回は個人的に気になった部分だけ取り上げましたが、
気になる方はぜひ、色々と読み込んでみてください。
ヒットするアプリのヒントや、
これからのデジタルの兆候や課題が、見えてくるかもしれません。
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