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米国移民録(DV-2022: 移民ビザ取得まで)


概要

アメリカ政府実施の抽選式の永住権 DV-2022に当選し、過去に当選した人の記事を参考にさせてもらいプロセスを進められた。誰かの役に立つかもしれんのでログを残しておこうと思う。
当選者が具体的に手続きを進めるために必要なノウハウは無料公開としたい。本記事の序盤に一部置いているが、気が向いたら別途記事を作成して公開しようと思う。
個人的な体験の部分については時系列ログとしてまとめたので、そこに関しては多少投げ銭をしていただきたい。書くのにそれなりに時間使ったのと、個人のプライバシーに関わる事も公開してるのでw
この記事では移民ビザ≠グリーンカードの取得までを記載する。

背景

私のたった一つの望み』……『可能性の獣』……『希望の象徴』…
人によってアメリカに行きたい理由は様々だろう。私の場合は曾祖母が日系アメリカ人だったこともあり、自分がアメリカに行けてしかるべきだと子供の頃から思っていた。実際に大学生になってからアメリカに初めて1人で行き、アメリカ人の精神構造が自分にマッチしていることや、良き親戚・友人達にも恵まれやはりこちらに来るべきだと思った。
コンピュータのおしごとは当時からおちんぎんが日本より高く、日本の修士卒の私の初任給が年収450万円ぐらいだったのに、アメリカは1000万超からの世界だったのも理由の一つ。(今はもっと差が付いてる。)
親戚を訪ねて何度も行くうちに、その思いはどんどん強くなった。
ただ当時の私は就労ビザが土下座してこちらにやって来るハイパーエリートでもなければ、十分な職務経歴もないただの学生だったので、職務経歴を積みつつ、社内転籍をできる会社への転職を目指し、運よく当たれば永住権でも渡米する二刀流のアプローチを考えていたわけだ。
そうこうしてるとあれよあれよと就労ビザの倍率は爆発していき、日本での仕事でもいろいろあって転籍の可能性は無い会社で働いたり、コロナ禍もあったりで今に至る。
ちなみに移住予定先としては家族が住んでいる事や、職種的に考えてもベイエリア周辺以外の選択肢は私にはなく、何なら私にとってアメリカとは子供の頃から行き慣れたカリフォルニアだったりする。

前提条件

30代前半・男性・独身
DV-2022 Case No. 26xxx

当選後役に立った資料

公式マニュアル

東京大使館での面接準備のマニュアル

質問をする前にまずはこの2つを読もう。DeepL使っても良いからまずは読もう。読む前から質問するのはやめよう。いやマジで読もうな。あなたの質問は大体全部答えが書いてる。

DV-2021 当選された方の記事

全体のフローがとてもわかりやすくまとまってるので読め。必ず読め。
事前書類提出の部分については、2022以降フローが変わって不要になってるので注意。

DV Lotteryの神のサイト

CEACのデータから現在の自分や他の当選者の状態を見るためのサイト


代行業者について

私は使わなかった。そもそもしっかりマニュアルや先人が纏めてくれているTipsを読めばやってできない難しさではない。めんどくさいし、先が見えにくい面があるため不安にさせてくれるのは事実。
何より、その程度の情報を収集したり公式のドキュメントを読むなり、言語問わず目的のためにステークホルダーに答えが出るまで問い合わせて回る事ができない人はおそらくアメリカに行ってから大いに苦労すると思うし、正直何者にもなれないまま日本に帰ってくるか、アメリカで日本と同じような生活をする羽目になると思う。せいぜいSame Shit Different Dayならぬ、Same Shit Different Country って感じか、言語面で現地の人間より弱い分、さらに厳しい立場に置かれることだろう。
英語での事務処理や、問題解決能力の低さを補って余りある特殊なスキル(プロ野球選手とか、三顧の礼で迎えられるレベルの理系技術者)があって誰かをいつも雇える人なら話は別だろうが、私の経験上アメリカは普段の生活からして受け身タイプの人に優しい国じゃないと思う。
お前の移住はもう始まってるから自分でやれ、という気持ちで昔からいろいろアメリカに関する事はやってるので今回も自分でやった。
情報収集を代行してくれるという点ではまあ意味はあると思う。そういう意味で現時点での時間単価がとても高く、その程度のスキルは既に持っているという人はお金稼いだ方が良いので代行業者に依頼すれば良いと思います。

時系列ログ

~2020 応募

写真要件に画像を加工をするなと書いてあるため、毎年ヨドバシカメラでデジタル加工ではない白背景の写真を撮ってもらって応募していた。
無加工のデータだけCD-Rに焼いてくださいとお願いし、写真要件に合致するよう、自分でトリミングをして提出していた。
20歳ぐらいから数度の欠落はあるものの応募し続けてたはずなので、累計10回ぐらいは応募したと思う。

2021/05/17 当選確認

当たったことに気付く。マジでビビる。青天の霹靂である。
会社のslackの個人chのログを見ると、その仰天っぷりが伺える。
当選番号、通称ケースナンバー (AS26xxx) が大きかったため、必ずグリーンカードが出るとは限らないこと、例年通りなら私のケースナンバーであればDS-260と呼ばれる、移民ビザの申請書を年明けぐらいに提出しておけば十分である事実を踏まえ、非移民ビザの話が万に一つでもどこかから飛び込んできた場合も考慮し、DS-260の提出は一旦時間をおくことに。

2021/11/16-11/30 DS-260提出

DS-260提出後に必要な、KCC (Kentucky Consular Center) での事前書類提出フローがコロナ禍により機能してない情報が出回る。事前書類提出とは、戸籍抄本や犯罪経歴証明など、申請に必要な書類を面接に先立って提出し、KCCで審査される手続きのこと。
DS-260はほぼ提出順にKCCでの処理が実行され、事前書類提出のお知らせがその中で送られてくる仕様であるため、急いで出す事に。
事前書類提出ができず、面接に呼ばれず終わる恐れもあったため、さっさと出しときゃ良かったという後悔の念でいっぱいになった。
DS-260は役所で過去の住所の履歴を集めたり、メールボックスやパスポートをあさって過去の海外渡航を探したり等、いろいろと調べる事が多い。
海外旅行によく行っていたり、引っ越し回数がそれなりにある場合、仕事をしながらだと作成に2週間は見ておいた方が良い。複数人での申請の場合さらにかかるだろう。
特に今の状況であれば、非移民ビザの申請の可能性があまり無いのであれば、なる早で出せば良いと思う。

2021/12/10 事前書類提出廃止

KCCでの処理が進まないことに対処するため、事前書類提出を暫定的に廃止し、いきなり面接のお知らせが届く運用になった事が告知される。
事前書類提出ができず御破算となる可能性が消え多少安心した。

2022/01/15 訴訟参加

自分のケースナンバーが大きい事、面接がコロナ前と比較してやはり今年も思うように進んでいない事実から、「Visa Bulletin に当選者全員面接できる可能性を示すCurrentが出たが、お前の面接はコロナで面接絞った結果間に合いませんでしたw」となった際になんとかできる可能性を稼ぐため、訴訟に参加した。
DV-2020, 2021では、訴訟に参加していた人については偶然優先してプロセスに乗っけてもらえたり(偶然だゾ)、2022年の本記事執筆中もまだ係争中ではあるものの、裁判所が原告の移民ビザを発給しなさい令を出したりしているようであったため、参加して損はないと判断。
費用は1500ドル。高いけど25年分の執念が載っているため鼻紙プライスです。
この時点での選択としては最適解であったが、結果として東京のアメリカ大使館のDV-2022は後半戦での怒涛の巻き返しにより至極順調に進行したため、結果的には要らないお金になってしまった。
面接の進行が悪かった国の人達の夢を叶える一助になってくれればと思う。

2022/03/15 Visa BulletinのCase Number

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