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「秀和レジデンス図鑑」(谷島香奈子、haco著、TWO VIRGINS)

読了日: 2023/6/10

 祖父母の家(兼店舗)は当時港区三田(古川橋)にあり、幼少期に年に一度くらい新幹線乗って東京に行き、拙い行動領域の冒険でのこのようなマンションを見た気がする(後から気づいたが、記憶にあったのは'三田ハウス'だったのだろう…)。懐かしさから手に取ってみた。秀和レジデンスというのですね。そして結構たくさんの秀和レジデンスと変遷があるんだな。
うろこ模様のようなラフウォール、青い塔屋、鉄製の装飾的なバルコニー柵、床面のモザイク長のタイル張りなどなど、特徴的で魅力的な要素が美しくパッケージングされている。
 著者がこのマンションに惹かれる理由をちりばめたような、写真がおおく掲載された本で、小生は建築にそれほど興味があるわけではないけれど眺めるだけでも楽しい。改めてだけれど、ディテールの観察は面白い。
 また、住まわれている方のインタビューと室内紹介も、この本だからこそ伺える貴重な内容もある。
 けれど悲しいかな時代の流麗とこだわりは経年により姿を消してゆくこととなりそう。この点でも価値のある一冊と思えます。

 2023/4/23日本経済新聞 日曜版に同建物の特集が掲載されていました。本書を起点としているものでした。


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