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人格の実現について

「善の研究」西田幾多郎

今回は、近代日本哲学の創始者の一人とされている西田幾多郎さん(1870-1945)「善の研究」についての話です。
「2024年のテーマをどうするか」
今考えはじめていますが、この書籍を読み、少し目標がみえてきました。そのご紹介です。
(2023年の振り返り、2024年の目標はまた書きます)

この本で特に印象に残ったのは「純粋経験」「人格の実現」でした。

純粋経験とは

西田幾多郎さんは「純粋経験」という概念を提唱しました。
これは、日常の経験から洗練されたり抽象化されていない、直感的で生のままの経験を指します。抽象的な概念や一般的な原理によって介入される前の直接的な経験。
感情が出るの前、脳に信号が届く前の瞬間。

例えば、
•山頂について美しい景色をみたときの
 息を飲むわずかな瞬間。
•山を登っているときに無意識になって
 いる瞬間。
•何かに夢中になり時間感覚がなく無に
 なっている瞬間。
このような経験を多くもつことが大切で、それが個々の哲学的思考•価値の源泉であると説明しています。

人格の実現とは

そして、個々の人間がこの純粋経験を通じて真の自己を見出し、それを具現化していくプロセス、それを「人格の実現」と説明しています。

とは一言にていえば人格の実現である。
我々が内に自己を鍛錬して自己の真体に達すると共に、外自ら人類一味の愛を生じて最上の善目的に合うようになる。

余は個人の善ということは最も大切なるもので、凡てほかの善の基礎となるであろうと思う。
余は自己の本分を忘れ徒に他のために奔走した人よりも、能く自分の本色を発揮した人が偉大であると思う。
一社会の中に居る個人が各々充分に活動してその天分を発揮してこそ、始めて社会が進歩するのである。個人を無視した社会は決して健全なる社会と言われぬ。

「善の研究」西田幾多郎

具体的には、
・自分の好きなことに打ち込み、自分の才能や.  
  能力を磨くこと。
・自分のやりたいことをやり遂げることで、
  自分の可能性を広げること。
・それが、社会貢献となること。
が大切ということと言えます。

年始までまだ時間があるので、来年の目標を定めるため、更にいろいろな古典・哲学に触れたいと思います。


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