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中山間地で暮らす元広告業界出身者がPRアワードグランプリ(PRSJ)をローカル目線で批評してみる。

PRアワードとは、日本パブリックリレーションズ協会が企業や団体の優れたPR活動を顕彰するPRアワードグランプリです。
応募総数は75点で、今年度の受賞は
・グランプリ × 1
・ゴールド × 2
・シルバー × 4
・ブロンズ × 8
となっている。

今回はこのPRアワードで受賞した各プロジェクトを、2017年の4月より岡山県の中山間地に移住した元広告業界出身者が、ローカルまで情報が届いているかどうかも含めて、リアルな視点で紐解いてみたいと思います。
(※各プロジェクトの詳細はアドタイ掲載情報をもとに、自分調べ)
ちょっと長い文章になりますが、よろしければ、朝の通勤時などにみていただけたらと思います。

<グランプリ>
「住民との共創」で、衰退していた団地の未来を変えていく。「茶山台団地」再生プロジェクト

2016年にスタートしたこのプロジェクト。若者の団地離れによる入居者減少、住民の高齢化などの課題解決に取りんだプロジェクト。4年間で若者の入居率が上昇するという成果が出ている。団地の過疎化は日本各地で起きている問題であり、全国へ同様の取り組みが広がっていくであろう将来性と拡張性が高く評価された。(アドタイより)

日本全国で遊休資産となる(あるいはなっている)団地を核としたリノベーションは全国の自治体にとってとても参考にできるという点では評価はできるが、言ってしまえば、今ある施設をなんとかしたいという自治体にありがちな話。
ソフト面の充実、ハード面の充実、団地内のコミュニケーションなど優れた施策を行っているのはわかりますが、プロジェクト自体にブレイクスルーはない。
どこがPRのポイントになったのでしょうか。(どなたか、教えていただけたらと思います)

<ゴールド>
「SAVE  LIONS〜消えゆく野生のライオンを救うプロジェクト〜」

2019年の3月に発表されたプロジェクト。この20年で半減している絶滅危惧種であるライオンを救う活動を英国オックスフォード大学の動物研究機関“WildCRU”と連携して行うことを発表しました。
・ホームゲームのホームラン一本ごとに、10,000円を寄付
・SAVE LIONS DAYにて募金箱設置
・チャリティーオークションの売り上げを寄付
・募金受付口座の開設
(HPより)

LIONSとライオンという駄洒落のような企画ですが、むしろシンプルですごく伝わりやすい企画だと思います。
社会課題であるライオンの減少と、ライオンをモチーフにしたプロ野球チームがそのために何ができるか、を考えた。
企画もさることながら、これをOKした西武ライオンズに拍手です。
できることからはじめよう、という人間と自然環境との向き合い方のお手本を示してくれる、そんなプロジェクトです。

ただ、岡山の中山間地にはこの情報は届いてなかった。(ライオンズファンがいないからか?)

<ゴールド>
パンテーン「#この髪どうしてダメですか」

2019年の3月にスタートしたこのキャンペーン。P&Gのパンテーンは「あなたらしい髪の美しさを通じて、前向きな一歩をサポートする」ことをブランドフィロソフィーに掲げています。これまでブランドメッセージ「#HairWeGo さあ、この髪でいこう。」のもと、就活中の髪型に対する「#1000人の就活生のホンネ」キャンペーンなど、ひとりひとりの個性の尊重について考えるきっかけ作りを、広告コミュニケーションを通じて行っていました。今回のキャンペーンでは学生の髪型校則をテーマに「#この髪どうしてダメですか」キャンペーンを順次展開し、少しでも学生の個性の尊重について考えるきっかけをサポートできたらと願っております。(PRtimesより抜粋)

商品の認知度を高める、という企業が陥りやすいプロモーションではなく、社会にある問題に対して問いを投げかけることで、これからのスタンダードを作っていこう、という企業の姿勢をみることができます。とても素晴らしい取り組みです。

PRというとどうしても複雑なとことや新しいことに目が行きがちですが、こういった本質的価値を高める施策が注目を高める時代になってきたと思いますし、そういった施策の方がローカルにも届きます。
これはリアルタイムで知ることができました(twitterから情報を入手)
個人的にはこれがゴールドです。

<シルバー>
最新のAIテクノロジーを活用、親子が楽しく食や栄養について学べるアプリを通じた食育活動

スケッチクックとは、「おえかき」を通して、食や栄養のことを楽しく学んでもらおうと、GoogleのAIテクノロジーの活用、楽天レシピの協力を得て大塚製薬が開発しました。(HPより)

近年、家族が揃って食卓を囲むことや、親子で調理する機会の減少により、子どもたちが正しい食生活や栄養バランスの知識を身につけづらい環境にあり、孤食や欠食、偏食などの一因となっています。栄養補助食品の開発や食育活動を長年行ってきた当社は、親子でコミュニケーションをとりながら、遊び感覚で楽しく、正しい食生活や栄養について学べる機会を提供したいと考え、AIテクノロジーを活用した本アプリケーションの配信を2018年5月に開始しました。その後、小学校の家庭科の授業教材として導入されるなど教育現場での活用も広がっています。(大塚製薬HPより)

「料理」と「おえかき」という日常を通じて、
・料理の作り方
・栄養バランス
・食生活
などを学ぶきっかけをつくるというアイデア。
日常に馴染むには時間がかかると思うので、粘り強く本プロジェクトは継続して欲しいと思うくらい、素敵な企画。
共働き世帯が増える中、平日は忙しさのあまりこどもと料理するのはなかなか大変だけど、週末に一緒にやってみたいと思えるプロジェクト。

「おいしいおえかき」というネーミングも秀逸。
※ただ、中山間地には情報は届いておらず。前述したように、辛抱強く継続して欲しい。

<シルバー>
不倫・BL・ひきこもり…“複雑すぎる”ペンギン相関図

ペンギン相関図2020は、昨年初めて制作し、飼育スタッフが両館で暮らすペンギンの日々のようすを観察し、親子や兄弟のつながりはもちろん、友人関係やカップルの変遷を最新でまとめたものです。甘えん坊や気が強いといった、それぞれの性格や特徴、仲の良い飼育スタッフの情報なども紹介しています。多様な個性を持ち、人間と同様にさまざまな関係性の中で生活していることや、ペンギンの生態について理解を深めることができるよう、わかりやすい解説を目指しました。
両館のペンギンには、個体を識別するために色のついたバンドがついており、名前があります。相関図と照らし合わせて実際のペンギンたちの行動を観察することができます。(オリックス水族館 PRTimesより抜粋)

旭川動物園が動物の生態を見学できるようになって以降、総選挙やイルミネーションなど、生き物と人間の関係強化が一斉を風靡していますが、この企画は、動物と動物の関係を可視化するという手法を用いることで、人間との親和性を持たせ、距離感を縮めるというコミュニケーションを実施。

さらに、ペンギンに関する飲食やグッズの販売を行うなどプロモーションにも紐づけている、多角展開のできるプロモーションとなっている。

ただ、首都圏のアミューズメントなのでローカルには情報は届かず。。。

<シルバー>
社会人のための飲み会平和化プロジェクト「チーム“ビール”ディング」

「チーム“ビール”ディング by よなよなエール」は、クラフトビールならではの自由な飲み会を通じて、会社関係の飲み会の課題を、まじめに、楽しく解決するプロジェクトです。(PRtimesより抜粋)(2018年8月より)

若者のビール離れ、飲みニケーションの不理解、パワハラ、など社会における「飲み」についはこれまでの常識が通じなくなるような、パラダイムシフトを迎え、お酒を飲むという行為に対する概念の違いが明確になってきました。そんな時代だからこそ、自由に楽しむクラフトビール「よなよなエール」が”飲みの場をフラットにする”という目的で本プロジェクトを実施。

ただ、WEBをみる限り、”飲みの席での会話の不均衡を解消する”という目的設定のため、僕の解説は少し社会課題に寄りすぎている感は否めない。
上司と部下、先輩と後輩、様々関係が生じる飲みの席において”飲みの場をフラットにする”というコンセプトは、まだまだ日本の社会では求められる部分だと思うので、、ユーモアに解決する以外にも、シリアスやハッピーな展開を期待したいです。

<シルバー>
資生堂 AgDEO24「ストレス臭」でコモディティ化した制汗剤市場を新規開拓!

資生堂の「24時間、いつでもどこでも肌快適ケア」をコンセプトにしたデオドラントブランド「エージーデオ24」は、緊張・ストレス由来のニオイ「ストレス臭※1」に着目した新デオドラントスプレー「エージーデオ24 パウダースプレー(医薬部外品)」を中心とした新製品を、2019年2月中旬に発売しました。
 2018年10月に資生堂研究所が特定し話題となった「ストレス臭」。2019年3月に資生堂が行った最新の意識調査では約71%の男女が「ストレス臭」をケアしたいと思っていると回答しました。「汗臭!ストレス臭!全身にシュー!」をキャッチコピーに、2019年2月にリニューアルしたAGデオ24は、3月末までの売上が前年比112%※2 と好調な実績で推移しています。(PTtimesより抜粋)

これは市場に新しい視点を追加した典型的なパターンです。
従来までは、汗が匂いの元であるというファクトに基づいた商品開発が一般的であり、制汗剤は嫌な臭いをやわらげる、香りをつけるというのがこれまでの市場のける商品の特徴でした。そこに、登場した視点が、ストレスによるストレス臭が匂いの原因であるというファクト。このファクトを軸に開発された新商品は、これまでの臭い対策における新たなイシューの提示と解決策を示してくれました。

年齢を重ねた僕も臭いには気をつけないとと思ってきているタイミング。いい情報を入手できました。
ただ、こちらの商品についてもローカルには伝わってませんでした。

<ブロンズ>
Yahoo!防災ダイバーシティ

現在、災害に備えるための一般的な防災情報は提供されていますが、東日本大震災が発生した後の「Yahoo!検索」のデータを分析すると、性別や年齢、生活環境によって一人ひとりの知りたい情報が違うことがわかりました。Yahoo! JAPANではその点に着目し、“その人だからこそ必要な、ダイバーシティを考慮した災害への備えを行うべきではないか”と考え、「人の数だけ、備えがある。」というコンセプトから『Yahoo!防災ダイバーシティプロジェクト』を発足しました。プロジェクトにご協力いただいている内閣官房震災ボランティア連携室の企画官であり、防災の権威である復興庁復興推進参与/ダイバーシティ研究所所長 田村太郎氏の監修のもと、一人ひとりに合った防災の備えを知ることができる仕組みを構築しました。

 『Yahoo!防災ダイバーシティプロジェクト』は自分に合った防災とは何かを考え、気づいていただくことで防災意識を啓発するコンセプトムービー、自分の特性やライフスタイルから一人ひとりに合った防災情報やグッズを探せる特設サイトや自分ならではの防災ブックを作成できる体験イベントを行います。(PRtimesより抜粋)

これ、とても素晴らしい企画です!3.11以降、災害の自分ごと化に資する施策は数多く立ち上がりましたが、どれもいまいちだった僕にとっては、サイトをのぞいてついついやってみよう!という気持ちになりました。(実際やってます)

ただ、やっぱりダイバーシティというワードの使い方には疑問が…
わかるんです。わかるんですが、スッキリしません。
でも、企画は素晴らしいです。ですが、中山間地には届いていません。

<ブロンズ>
20年をつづる母子健康手帳 国内外への展開

妊娠の届出後に自治体から交付される母子健康手帳は、妊娠期から乳幼児期までの健康に関する重要な情報を管理するために用いられます。一般的な母子健康手帳では6歳までの成長を記録できますが、「20年をつづる母子健康手帳」は、6歳以降も1歳ごとに20歳までの成長を記録することができます。そのため、既往症や予防接種の記録ができ、大人になって別の病気にかかった際の治療方針を決める重要な情報として活用することができます。また、成人したお子様が、記録された母子健康手帳を手にすることで、お腹の中から20歳までの育児の喜びや苦労を知ることができるなど、様々な形でお役立ていただけます。(PRtimesより抜粋)

これ!なんで今まで知らなかったんだろう!悔しい!
母子手帳って、今でも大切に保存してるし、これから先も変わらず保存すると思ってます。そんな時に、お薬手帳ではなくコレがあれば、と思わせてくれるアイテムです。

今回の受賞は、そんな母子手帳の英語版の販売と、海外への普及が評価されたもの。
何を隠そう、海外在住の日本人はこれまで母子健康手帳を受け取れなかったという事実があります。そこを解消することに加え、英語版を発展途上国に展開することで、世界の乳児死亡率の低下を考えるという、素晴らしい企画。こちらの方がグランプリでは!?と思うのですが、おそらく海外展開の方法に工夫が足りなかったのかなと。
是非とも来年はブレイクスルーを起こして、グランプリを獲得して欲しいです!!ちなみに、やはり中山間地には情報はこず。

<ブロンズ>
洗っても蘇るイヤなニオイ「ゾンビ臭」をやっつけろ!「トップ クリアリキッド抗菌」

衣料用洗剤市場では、異常気象や共働き世帯の増加等、生活環境や洗濯環境の変化に伴い“部屋干し”をするケースが増え、抗菌タイプを選ぶ生活者は増加しています。特に従来型液体洗剤市場における抗菌タイプは前年比で約1.7倍と伸張しており、約2割を占めるまでに拡大しています(2018年当社調べ)。そのような中、衣類に対するニオイについて調査したところ、「部屋干し臭」、「干し忘れ臭」、「戻り生乾き臭」の3つの悩みを不満としている生活者が多くいることがわかりました。
そこでこの度、24時間抗菌で、菌による三大ニオイ悩み「部屋干し臭」・「干し忘れ臭」・「戻り生乾き臭」を解消する『トップ クリアリキッド抗菌』を新発売いたします。(ライオンHPより抜粋)

前述の受賞と同じように、生活課題に新たな視点を持ち込んだマーケティングの好例。
3つの悩みを「ゾンビ臭」とネーミングをつけることで、匂いの原因を明確な敵へと消化させ、正義の味方としてトップクリアリキッドを用いる。
これの秀逸な部分は、これまで言語化してもいわゆるよくわからなかった原因を「ゾンビ臭」と命名したこと。広告自体は全く共感もできないし、全然いけてない(失礼、あくまで個人の主観です。。)のですが、このネーミングで勝ちましたね。
我が家はアタックNEO派なのですが、思わずハッとさせられました。
しかしこれも今回のアワードで初めて知りましたよ。

<ブロンズ>
若年層ファン化/社会問題の喚起へとつなげる、B2B企業の挑戦「LOVE米プロジェクト」

日本の農業を技術で応援するクボタは、2018年から「クボタ LOVE米プロジェクト」をスタートしました。プロジェクトの第1弾として“クボタ LOVE米プロジェクト 特別映像『米米米米(べいまいべいべー)』”を制作し、昨年11月にYou Tubeで公開。
 特別映像『米米米米』では、小学館発行の人気ラブコメ5作品の「『アフロ田中』シリーズ」、「うる星やつら」、「からかい上手の高木さん」、「ツルモク独身寮」、「ハヤテのごとく!」、そして人気ロックバンド・キュウソネコカミの書き下ろし楽曲「米米米米」とコラボレーション。 
幅5ミリほどの米粒に5作品の中から抜粋した計137のシーン1つずつを「微細切削加工」により描き、人気キャラクターたちがお米への愛を熱く語る、LOVE米(ラブコメ)ストーリーとして再構成し、お米を取り巻く環境や最新トリビアなどの情報を発信すると共に、「LOVE米」「日本の農業を、食べて応援しよう。」というメッセージを訴求。そのユニークな発想と撮影手法が話題になり、現在の累計再生回数は1,000万回を突破しています。(特別映像URL:https://www.youtube.com/watch?v=XSK54BuFE4s&t=47s)
プロジェクト第2弾となる今回は、お米感満載の米田高校3年88組の女の子4人組が主人公の映像。女子高生が繰り広げる若者言葉が満載の青春トークに施された“仕掛け”は注目です。(PRwireより抜粋)

日本の農業と青春ドラマというかけ離れた存在を「米」でつなぐというアイデアは素晴らしい!もとJAグループ担当としては、思わずなるほど!と思うと同時に、ぐぬぬ!という複雑な気持ちですが。

農業という中山間地に最も近しい題材にもかかわらず、都会向けの情報発信が中心という。。。

<ブロンズ>
モバイルキャリアが現代ティーンに投げかけたコンテンツPRキャンペーン
「パラレルスクールDAYS」

2018年2月の第1弾、2019年2月の第2弾、2019年3月に劇場版、小説化と、コンテンツの拡大展開の王道をいく「パラレルスクールDAYS」
すでにワイモバイルには特設サイトはなく、企画の意図などは紹介できませんので、個人的主観による解説となること、ご了承ください。

こちらは、ワイモバイルがWEBで展開するドラマ。現実世界ともう一つの世界をパラレルに行き来するなかでその秘密が解かれていく、という内容。
これの味噌は、WEB動画をSNSで保管していくこと。これが奏を功して、再生回数が増え、ティーンから絶大な人気を獲得。
1年後に再びドラマ化され、さらに小説化映画化と発展していきました。

コンテンツが社会現象を起こす典型的な好例ですね。

えらそうなことを言って恐縮ですがこれ、映画化、小説化以外の展開があれば、もっといい賞を獲得できたと思います。

<ブロンズ>
たべることば

いま、SNSの普及などで、世界中で「言葉」の暴力により傷つく人がたくさんいます。そこで、私たちは言葉がもつ意味を五感で味わう絵本『たべることば』を企画しました。時に凶器に、時に人生の道標にまでなる言葉について、小さな頃からその意味や重みを感じられる機会をつくることができればと考えました。この企画を契機に、全世界をポジティブな言葉で彩ることができればと願っています。(特設サイトより抜粋)

今の時代かからこそ、意味がある企画だなーと思います。
言葉って、大人になっても学ぶことや考えることが多くて、言葉の持つ力を引き出せる人間、操れる人間がより発信力や影響力を持つようになりました。そんな言葉を小さい頃から理解して使うこと、理解することでネガティブな言葉を少なくしていく、という、意図が感じられます。

現在はコラボする企業を募っているようですので、言葉を五感で味わうことい興味を持った企業は是非一緒に取り組んでもらいたいです!!
(しかし、これも今回初めて知りました。。)

<ブロンズ>
くら寿司「天然魚プロジェクト」の挑戦
~サスティナブルな漁業のビジネスシステム構築を目指して~

「日本の漁業を守る。変える。そして日本の天然魚をもっと手軽に、美味しく楽しんでいただきたい」という思いからスタートしました。漁港で獲れる魚を直接買い付け、即時に輸送することで、品質が高く美味しいにも関わらず、物流など様々な問題で市場に出荷されない天然魚を、より安く、より美味しい寿司ネタとして、提供するプロジェクトです。(PRTODAYより抜粋)

該当のプロジェクトページがないのでPRページの紹介になってしまうことが残念なくらい、とても素晴らしい取り組み。

漁業者の後継者問題、担い手不足問題、新鮮な魚を入手するという問題を課題できる第1弾の「一船買いプロジェクト」。
海洋保全や資源量(魚)の問題に真摯に向き合うことで、食べながら考え行動するきっかけとなる、提供する魚を天然魚100%の状態に切り替える第2弾の「さかな100%プロジェクト」。
そして第3弾では、「一船買いプロジェクト」で網にかかった幼魚(天然)を畜養することで加工以外の道を考えるきっかけとなる「天然魚魚育プロジェクト」。

魚の資源量は世界的にも課題になっており、日本は世界に遅れをとっている分野ですので、なんとかいいニュースがうまれることを願っております。

<ブロンズ>
PARA PINGPONG TABLE

日本肢体不自由者卓球協会 は、PARA PINGPONG TABLE|カタチにとらわれない卓球台の特設サイト公開を記念して、パラ卓球台の制作秘話がわかる動画を公開いたします。
パラ卓球台とは、通常は長方形の卓球台が、パラ卓球台の場合、丸くなっていたり、左に長くなっていたり、縦に長くなっていたり様々な種類があります。実は、パラ卓球の選手がプレーした時、障がいによって違った大きさに感じているからです。パラ卓球選手が自身の障がいと向き合い、自分から卓球台がどのように見えるかを具現化いたしました。(PRtimesより抜粋)

パラ卓球選手は、だれよりも自由に卓球をする。
不自由だからこそ辿り着いたプレースタイルで、どんな常識も打ち破っていく。そんな彼らの強さを、ぱら卓球というスポーツの魅力を、多くの人に知ってほしい。そのような想いからこの卓球台は生まれました。
これは、パラ卓球選手の個性を表現した特別な台です。
インタビューやスケッチをもとに、彼らが見ている卓球の世界を再現しました。
この台の前に立つだけで、選手ひとりひとりが挑んでいる
卓球の難しさに出会えるはず。そして、気づくはず。
超えられない壁なんてひとつもない、ということを。
(特設サイトより抜粋)

企画とデザインで課題を可視化する素敵なプロジェクト。
いやむしろ課題を可視化するのではなく、問いを投げかけているのではないだろうか。問いを可視化している、のほうがしっくりきます。
「不自由はある。不可能はない。」という思いも素敵です。

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理解する。知る。そして体験する。
今後、コミュニケーションにおいては体験が一つのキーファクターになる(すでになっている)とは思うが、その体験はともすれば押し付けがましく感じてしまうことも多々あります。
ましては、テーマによってはどんなにがんばってもそういった視点が抜けきらないことも多い。
でも、これは、違う。そこがすごい。
だって、カンヌクリエイティブフェスティバル デザイン部門で金賞だもの。

まとめ

さて、ここまで読んでいただいた方には感謝しかない。
PRは、情報発信ではなく、社会との繋がりを可視化することで、問いを投げかけるものである、ということが、ご理解いただけたではないでしょうか。

そう考えると、ここまで全ての施策をみてもグランプリには全く納得できていないのですが笑、この記事をきっかけに、PRに興味を持ってもらえたら幸いです。

さて、一方でより顕著になった課題があります。それは
情報の格差。
中山間地にいると、これでもか!というくらい情報がはいってこないことを痛感しました!
雑誌ブレーンを定期購読しているし、定期的にアドタイをチェックしてるにもかかわらず、こういった情報に出会いません。
広告コミュニケーションの面白いところは、偶然の出会いがあるからこそ成立することだと思ってます。情報が溢れることで、この偶然の出会いが減ってしまったことはとても残念です。
そして、こういった情報を取りに行っても出会えない現実。これは来年以降の個人的な課題として、チャレンジしてみたいと思います。

広告やPR、音楽、ファッションに関する情報の入手と発信をしています。
よろしければ。


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