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1日を100円で満喫する

 読書の素晴らしい点というと、一般には、教養や語彙力が身につくとか、感受性が豊かになるとか、自分とは違う考え方に触れられるとか、、、いずれにしても本を読むことによって何を得られるかについて挙げられることが多いように感じる(読書だって、映画やドラマ、ゲームなどと同じように、そればっかりしててもよくないただの娯楽であるはずなのに)。

 これを純粋な読書好きの方々であったり、最近読書にハマっている自分に当てはめて考えてみたとき、果たしてこのようなメリットを意識して読書をしているかというと、必ずしもそうではないように思う。たまに読書をする方であれば、先に述べたようなメリットを念頭に置いて行う方も多いだろうが、少なくとも私はこのようなメリットをあまり考えず、娯楽の1つとして読書を楽しむことができている。そこで、私なりに考える読書の素晴らしさを挙げたい。

①工夫すれば安上がり
 1つ目は、読書は工夫すればかなり安上がりで楽しむことができるという点である。私は必ずというわけではないが、BOOK・OFFを利用して本を手に入れることが多い。店舗によるところではあるが、100円コーナーでもかなり状態がいい本は多い。300〜400ページの文庫本を読むのに1日ほどかかるとすれば、1日100円で時間を潰すことができるということになる。実際、BOOK・OFFがあったからこそ、少ない貯金で学生生活を大いに楽しむことができた。

 小説を安く購入できることによる他のメリットも生まれてくる。 まず、触れたことのない作家やジャンルの作品を手に取ることができることである。合わなくても100円ならまあそれでよし。

 さらには(これは個人的な問題だが)、優柔不断な私にとって、古本屋で本を購入することで、作品を選ぶのが楽になることが多い。普通に本屋に行けば、新しくて綺麗な本が同じ値段でたくさん並んでいる。そこでは、あらすじやポップで本を選ぶしかない。しかし、古本屋に行けば、本の値段、保存状態など、様々な角度から作品を選ぶことが出来る。これくらいの保存状態ならまあ買ってもいいなというのが、人によって違うだろう。

②鮮度が存在しない
 2つ目は、本にはあまり鮮度が存在しないことである。話題の映画やドラマなどであれば、身の周りの人と感想を共有するためにも、早く観た方が得策である。ネタバレをくらう危険もある。しかし、発売されたばかりの小説を読む人がそう周りに何人も存在する環境はなかなかないだろう。このようなことから、本にはあまり鮮度が存在しないように思う。名作を読むのに遅すぎることはない。

 また、文学作品は、新しいものほど面白いというわけではない。スマートフォンみたいに、新しいほど多くの機能が備わっているものではなく、その作品にしかない良さが、文学作品にはたくさんある。

 古い作品にも素晴らしい作品があるということが①工夫すれば安上がりというメリットにも繋がってくる。新しく気になる作家が現れたら、必ずしも新刊を手に取る必要はない。その作家の過去の作品をBOOK・OFFで探せば、たった100円でお気に入りの作家に出会うことが出来るかもしれない。

③時間が目に見える
 3つ目は、時間が目に見えるという点である。私もよくやってしまう事であるが、スマホ依存に陥ると、何も得られた感覚はなく、時間だけが過ぎていく。もちろん、スマートフォンで様々なコンテンツを楽しめるのは素晴らしいことだが、特に目的もなくSNSを眺めることで無駄にしてしまった時間は計り知れない。

 これに対し、読書を続けていると、進んでいくページ数や、本棚に溜まっていく作品が目に見える。電子書籍が流行ってはいるところだが、やはり紙の本で読みたいのも、このように本をコレクションするという楽しみをしたいからかもしれない。

 教養を身につけようとか、感受性を豊かにしようとか、そういったことを重要視して読書をしているわけではないにしろ、自分はこれだけの本を読んできたんだという自信を心のどこかにしまっておくためにも、本を購入し、読み終え、部屋に並べておきたいところである。

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