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オッサンの遅い夏休み

 さすがに9月も中頃になればこの酷暑も幾分落ち着くだろうと見越して、涼しくなった「遅い夏休み」を堪能しようと目論んでいたのですが、全くもってそんな「皮算用」は通用しない、2023年の夏、でございました。
 自分の誕生日がこの辺りなので覚えているのですが、ここ2年ばかり台風の関東直撃を受けた時期でもあったので、新幹線が止まって駅で立ち往生する姿を全国のニュース番組で晒されるのも如何かと思い、今年の夏休みは「普段はなかなか行かないけど、決して遠い場所ではない土地を日帰りで巡る」夏休みにしようと、でっかい汗拭きタオルを持参して、いざ決行です。

 まずは「横須賀」です。
 一度か二度、仕事で伺ったことがある土地ですが、それももう四半世紀前の話。
 観光地らしきところも行ってないし、っていうか横須賀の観光地ってどこ? という思いで京浜急行に乗り込みます。

 京浜急行発車時の「スタイリスティックス」(分かる人には分かるネタ)は無くなったんだなと思いながら、横須賀に到着。

 真っ先に向かったのはここ、「これっきり坂」です。
 これはもちろん、百恵ちゃんの「横須賀ストーリー」からの、後付けの「通称」、でございます。
 まあ、作詞者の阿木燿子先生が、この坂をモデルにあの歌を作ったのかどうかは分かりません。
 でも、歌の通り「急な坂道駆け上ったら今も海が」見えた坂でしたよ。

 っていうか、横須賀は街全体が坂道だらけで、京浜急行も、山を突っ切って走ってる感のある電車です。
 街のすぐ横に、写真のような崖があり、そこで果敢に働く人を見つけて、近くにいた休日の米兵さん(らしき人)と一緒に「オーマイガ!」と叫んだ私でした。

 平日の昼だったからか、ドブ板通りは閑散として、まあ元々スカジャンに興味があるわけではないので素通り。
 下調べをして、行こうと思っていた昼からやってる立ち飲み屋は、あまりのものプロ仕様で入店を躊躇い(だって真っ暗な店内にジジイが蠢いているシャドーが外から見えるんだもん)、違う店で昼飲みを楽しんで、スカを後にした私でした。

 次は北千住、亀有。
 この日は、昔の職場の仲間との、飲んだくれツアーの一日です。

 さすが「大衆酒場の街」北千住、昼からイカした飲み屋がたくさんたくさん。
 開店を待って行列ができている立ち飲み屋もあったりして、昨今大学が増えて「おしゃれな街」に変貌しようと目論んでいる北千住にガツンと、「ふざけるな、お前はそんなタマじゃない!」とオッサンたちが集団で肩を揺さぶっているような感があります。
 昼から活気あふれる大衆酒場「幸楽」の豚軟骨煮(だったかな)、ホント絶品でした!

 とか言いながら、本題は友人オススメ、亀有にある、非合法の(かどうか分からんが)焼肉屋で食す「レバ刺し」、そして「ハラミ刺」なのでした。
 初体験のハラミ刺。
 本当は食べちゃいけないのかな、食べると逮捕されるのかなとか思いながら(笑)一口。
 美味い!
 ホント、美味しかった。
 肉、ですから、食感は魚で形容することはできないのですが、とにかくクセがなく、さらりといただくことができました。

 亀有は他にもイカす店がたくさんたくさん。
 決して両さんだけの街ではありません。
 日本酒の美味しい店も発見しましたし、また次回訪れたいと思った次第です。

 最後は、これまた仕事で訪れたことはあるものの、プライベートでは初めて、という「小江戸」川越。

 テレビでも盛んに紹介していますし、江戸情緒たっぷりの街歩きを期待していたのですが。

 暑い!
 道幅が狭い!
 入ってみたいという店がない!

 ということで、オッサンは街を一回りして、すぐに新宿の昼飲み屋に直行、でした。

 芋や鰻が大好きな方なら、まだ楽しめると思いますし、古い建物が綺麗に建ち並んで情緒はあるのですが、せめて休日ぐらいは歩行者天国にするとか、観光客が心から楽しめる工夫をされたらいかがか、などと生意気にも思ってしまいました。

 もう少し涼しくなったら隅々まで歩き回り、もっとこの街の良さを発見できたかもしれません。それは次回、ということで。

 まあ、なんだかんだで思い出深い夏休みになりました。

 いずれ近い将来、行きたくても行けない、という状況になるのでしょうし(苦笑)、今のうちにいろんなところに徘徊、いや訪れてみたいと思っています。

老後の楽しみになればと、というか、ボケ防止に、コツコツ始めてます。