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BtoBのWebsiteの役割と課題

はじめに

企業をターゲットにするBtoB(B2B)のWebマーケティングは、一般消費者向けのBtoC(ネットショップなど)と大きく異なります。

なぜなら、商談がネットで完結しないからです。

ネットショップは、集客→購入の2段階で完結します。
B2Bは一般的に、集客→見込み客→商談のプロセスを踏みます。

つまり、Websiteは、ビジネスの対象となる顧客にリーチするためのタッチポイントとして機能させることが主な役割となります。

タッチポイントとしての役割と課題

Websiteのタッチポイントとして役割は、「集客」と「リード獲得」に集約されます。

集客では、想定顧客(ターゲット)が存在すると思われる業界や市場に広くリーチさせ、潜在顧客の母数を大きくします。

そして、魅力的なコンテンツで、自社の製品やサービスの価値を伝えることで、閲覧者に資料ダウンロードや問い合わせなどのコンタクト行動を誘発し、顧客を顕在化させます。(リード獲得)

想定顧客を仮説化

最初に顧客ありきです。
自社の製品や技術が、どの業界、どの市場のどういうプレイヤーが顧客になり得るかを想定します。

自社の製品やサービスの価値と、その顧客が興味を持つだろうと思われる領域の共通項を探し、プロモーションを仕掛けるメディアとキーワードを設定します。

顧客を知るためには展示会巡りも有効です。

展示会では、直接話を伺えることはもちろん、いきなりリレーションを構築することも可能です。

展示会に行くと、入口に必ずスポンサーメディアの機関紙あり、様々な業界紙がブースを構えていますので、その業界にアプローチするためのメディアを知ることができます。会場にはメディア企業も詰めていますので、業界へのプロモーションに関する詳しい話も伺えます。

リニューアルの注意点

Websiteをビジネスに有効利用しようと考え、最初に実施したくなるのがWebsiteのリニューアルで、つい見えることから手をつけたくなります。

B2Bの場合、情報収集でサーフィンを行う場合、パソコン使用が8割強なのですが、よくあるのが、安直にB2Cの制作会社にリニューアルを依頼してしまい、デザイン性に傾倒してしまったり、モバイル対応を優先してしまい、むしろ情報密度が低下したりで、結果として、単に「きれいに作り直しただけ」となってしまいがちです。(業界あるある)

そして、費用対効果も結局実感できないままということが起きます。

B2Bは、製品やサービスの価値を深掘りし、コンテンツをいかに多様な視点(様々に想定される顧客視点)で展開できるかが重要なポイントとなります。

そのコンテンツに沿って得られる訴求キーワードが、新たな集客の種となり、SEO対策をWebsiteの中に実装していきます。

B2Bのサイトリニューアルには、B2Bのビジネス特性に精通した制作業者を選ぶのがベストなのですが、私も長く探しているのですが、なかなかこれという制作会社が見つかりません。

ほとんどの場合、企業内でノウハウが蓄積されており、一般には表に出ることがありませんので、成功している企業のWebsiteのベンチマークなどを通して、学び取る姿勢が大切になります。

そして、企業のWebsite担当者が、自社のビジネスとWebsite制作の両方に精通し、制作会社任せにせずに、自社でプロデュースしていく高いスキルを身につけていくことが大切になっていきます。

ちなみに、B2Bでもモバイル版を準備する理由は、顧客のプライベート空間へのリーチのためにSNSを利用するからです。B2BのSNSの活用は、既存顧客(取引先)にはいち早く情報をプッシュ型で伝えられるので有効ですが、新規の顧客探索は、難しいため中期レンジでの戦略が必要です。

まとめ

B2BのWebsiteの役割と課題は、B2Cとは異なります。集客は、想定顧客を仮説化し、想定顧客にリーチさせるプロモーション戦略が欠かせません。コンテンツのリニューアルは、方向性がB2Cと本質的に異なるため、一般的なB2Cの制作業者に任せず、自社でプロデュース可能な人材育成が求められます。

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